日本の文学賞

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すばる文学賞

すばるぶんがくしょう

集英社主催の純文学公募新人文学賞。

純文学新人賞
創設年
1977
主催
集英社
カテゴリー
純文学
選考方式
公募
受賞対象
新人
開催頻度
年1回
締切時期
3月頃
発表時期
11月頃
賞のステータス
活動中

説明

すばる文学賞は、集英社が主催する純文学の公募新人文学賞である。受賞作は同社が発行する文芸誌『すばる』11月号に掲載され、受賞者には正賞として記念品、副賞として100万円が授与される。

賞品

主賞品
記念品
賞金
1,000,000円
  • 文芸誌『すばる』11月号に掲載

選考情報

選考プロセス

一次選考
審査員 集英社編集部
最終選考
審査員 選考委員会
発表 文芸誌『すばる』11月号にて発表

関連の賞

  • 文學界新人賞
  • 群像新人文学賞
  • 新潮新人賞
  • 文藝賞
  • 太宰治賞

公式情報

https://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/

過去の受賞者

更地郊 さらち こう 受賞

上司のパワハラで退職し、引きこもり気味に暮らす野中が、大学時代の友人・忍から持ちかけられた奇妙な対戦の依頼をきっかけに、居場所のなさと友情の距離感に向き合っていく物語です。格闘ゲーム、自販機のテープ、マウンテンデューといった卑近なモチーフを通して、だるさの中に切実さが滲む日常が描かれます。

都落ちが近づく日々のなかで、ありふれた生活が少しずつ不穏に揺れていく。

176ページ
都落ち無職友情格闘ゲーム底辺青春都市と地方
樋口六華 ひぐち ろっか 受賞

新宿歌舞伎町のトー横を舞台に、居場所のない若者たちの感情の揺れと、壊れた街で生き延びようとする切迫感を描いた作品です。断片的な場面をつないで、依存や暴力、喪失のなかにある関係のかたちを浮かび上がらせます。

壊れた街で、それでも彼女の隣にいたいと思った。

126ページ
トー横歌舞伎町十代の孤独依存生存
新崎瞳 しんざき ひとみ 佳作
ダンスはへんなほうがいい

広告代理店で働く主人公は、休職中に幼なじみと再会し、友情や恋愛の手前にある距離感を見つめ直すことになる。関係を劇的に収束させるのではなく、気まずさや戸惑いを抱えたまま、仕事へ戻っていく過程を静かに描いた作品。

休職中の広告代理店社員が、幼なじみとの再会をきっかけに、仕事と関係の輪郭を静かに見つめ直す。

58ページ
休職広告代理店幼なじみとの再会友情恋愛の不在日常への復帰
大田ステファニー歓人 おおた すてふぁにーかんと 受賞

不登校気味の高校生が旧友との再会をきっかけに、見慣れた世界の外側へ踏み出すデビュー作。

不登校気味の高校生が旧友との再会をきっかけに、見慣れた世界の外側へ踏み出すデビュー作。

216ページ
青春連帯越境
大谷朝子 おおたに あさこ 受賞

恋愛感情を抱いたことがない平井と、3Dプリンターで死んだ犬のフィギュアを作る菅沼が、コロナ禍の共同生活のなかで互いの空洞を見つめていく。

コロナ禍の共同生活が、満たされない心の輪郭を浮かび上がらせる。

120ページ
コロナ禍共同生活女性家族空洞
永井みみ ながい みみ 受賞

認知症を患うカケイが、介護の場で自分の生きてきた道を語り始める。生と死、暴力と愛情を刻む第45回すばる文学賞受賞作。

記憶の絡まりのなかから、一人の女の一生が立ち上がる。

144ページ
認知症介護記憶暴力女性の一生
石田夏穂 いしだ かほ 佳作

筋トレに励む会社員U野が、ボディビル大会と「女らしさ」の規範のあいだで揺れる。第45回すばる文学賞佳作を経て単行本化した作品。

スミス・マシンを愛する彼女が、自分の身体で規範に挑む。

144ページ
身体筋トレジェンダー規範労働
木崎みつ子 きざき みつこ 受賞

過酷な現実を生きる少女せれなが、伝説のロックスター・リアンを心の支えにして救済を探る。第44回すばる文学賞受賞作。

現実と妄想のあいだで、少女は自分を救おうとする。

168ページ
暴力救済少女幻想音楽
高瀬隼子 たかせ じゅんこ 受賞

恋人との半同棲生活のなかで、薫は犬への愛情と性交渉をめぐる感覚を見つめ直す。第43回すばる文学賞受賞作。

犬を愛した強さで、愛を証明できるのかを問う。

144ページ
恋愛身体自律
須賀ケイ すが けい 受賞

父を家から追い出した家族のなかで、純子だけが父の行方と「有罪」の意味を追いかける。第42回すばる文学賞受賞作。

家族のずれと罪の感覚を、静かに掘り下げる。

152ページ
家族労働地方女性
山岡ミヤ やまおか みや 受賞

工場しかない町で生きる若者たちの焦燥と自足を描く。抑圧された日常の先にある光点を探す第41回すばる文学賞受賞作。

閉じた町のなかで、わずかな光を手探りする。

136ページ
地方若者抑圧家族労働
遊ぶ幽霊

『すばる』2017年11月号掲載の佳作。幽霊兄弟が本を読んだり食べたり眠ったりしながら過ごす、時間感覚の薄い物語。

時間のない幽霊たちの、ふわふわした日常。

幽霊読書時間日常
春見朔子 はるみ さくこ 受賞

高校時代の同級生だった二人が再会し、暮らしを共にしながら距離を縮めていく。ささやかな日常のずれを描く第40回すばる文学賞受賞作。

同居する二人の間に、少しずつ親密さが芽生える。

144ページ
再会同居女性日常関係性
ふくだももこ ふくだ ももこ 佳作

『えん』は、のちに『おいしい家族』へ収録された佳作短編。家族のかたちをめぐる温かなずれや違和感を描く。

家族の輪郭が、少しずつ書き換わっていく。

256ページ
家族血縁再構成日常
黒名ひろみ くろな ひろみ 受賞

美容整形を繰り返す27歳の絵里が、温泉宿で奇妙な入浴体験を通じて自己像を揺さぶられる。第39回すばる文学賞受賞作。

温泉宿での不思議な出来事が、コンプレックスを照らし返す。

136ページ
美容整形自己像温泉コンプレックス孤独
竹林美佳 たけばやし みか 佳作
地に満ちる

『すばる』2015年11月号掲載の短編。家族や愛の輪郭をめぐる作品で、のちに別作品集に収録される。

誌面掲載のみで確認できる短編。

家族関係
足立陽 あだち よう 受賞

島の暮らしと共同体の記憶を軸に、語りが人物と読者をじわじわ引き込む。第38回すばる文学賞受賞作。

島で生きることの輪郭が、語りの中で立ち上がる。

184ページ
共同体記憶語り孤独
上村亮平 うえむら りょうへい 受賞

父の失踪をきっかけに、湖の町で育つ少年の喪失と成長を描く。時間と空間を行き来する第38回すばる文学賞受賞作。

失踪した父の不在が、少年の時間を決めていく。

144ページ
喪失父子成長記憶
奥田亜希子 おくだ あきこ 受賞

小学生のころに出会った少年を忘れられないまま大人になった早季子と、アイドルに人生を捧げる宮内の関係を描く。第37回すばる文学賞受賞作。

片目を閉じる癖が、二人の距離をつないでいく。

176ページ
恋愛記憶オタク文化自己像若者
金城孝祐 受賞

薬学部の研究室を舞台に、髪と神をめぐる奇妙な攻防をコミカルかつ過剰な熱量で描く。第37回すばる文学賞受賞作。

常軌を逸したエネルギーが、問題作を問題作たらしめる。

184ページ
大学研究身体ユーモア奇想
新庄耕 しんじょう こう 受賞

戸建て物件を売る不動産会社に勤める主人公が、挫折や圧力のなかで仕事と自分の居場所を見つめる。第36回すばる文学賞受賞作。

家を売る仕事の先に、何が残るのかを問う。

176ページ
不動産労働都市挫折自己認識
高橋陽子 たかはし ようこ 受賞

不思議な出来事が起こる町に越してきた青奈一家を軸に、家族や夫婦の幸福のかたちをファンタジックに描く。第36回すばる文学賞受賞作。

奇妙な町の日常が、家族の幸福を照らし返す。

168ページ
家族夫婦幻想幸福日常
澤西祐典 さわにし ゆうすけ 受賞

ベルギーの農夫が、妻がフラミンゴになるという不条理な出来事に直面する。極限状況の人間心理を描く第35回すばる文学賞受賞作。

ありえない出来事の前で、家族の秘密が露わになる。

136ページ
不条理家族秘密心理海外設定
米田夕歌里 よねだ ゆかり 受賞

イベント会社で働くサトミの周囲で、人や物が消えていく。世界の不確かさを感覚的に描く第34回すばる文学賞受賞作。

消えていく世界のなかで、サトミは現実の輪郭を探す。

144ページ
喪失感覚記憶日常不確かさ
木村友祐 きむら ゆうすけ 受賞

実家の農業を手伝いながらツリーハウスづくりに関わる青年と、帰郷した兄をめぐって、地域と家族の均衡が揺らぐ。第33回すばる文学賞受賞作。

地元の関係が、兄の帰郷で静かに崩れ始める。

136ページ
家族地域労働帰郷若者
温又柔 おん ゆうじゅう 佳作

在日台湾人の女性が、日本語を話す恋人との関係のなかで揺れながら、自分の来歴と言葉を見つめ直す。『来福の家』に収録された第33回すばる文学賞佳作。

言葉が変わると、世界の見え方も変わる。

272ページ
言語移民経験アイデンティティ恋愛家族
天埜裕文 あまの ひろふみ 受賞

母を殺したと語る若者を中心に、断片的な会話と暴力的な気配が連なる。第32回すばる文学賞受賞作。

断片の会話が、若者の不穏な孤独を浮かび上がらせる。

128ページ
孤独暴力若者断片性不穏
花巻かおり はなまき かおり 佳作
赤い傘

『すばる』2008年11月号に掲載された佳作。単行本化は確認できず、花巻かおりのデビュー作として記録されている。

掲載誌で確認できる佳作で、単行本は未確認。

家族日常女性
墨谷渉 すみたに わたる 受賞

身長や身体感覚へのこだわりを軸に、欲望の形を奇妙なユーモアで描く。第31回すばる文学賞受賞作。

身体をめぐる執着が、欲望の輪郭を際立たせる。

136ページ
身体欲望フェティッシュユーモア人間関係
原田ひ香 はらだ ひか 受賞

4人の女性が、離婚や不妊や家族関係のずれを抱えながら、互いに少しずつ距離を詰めていく。日常の細部を切り取った第31回すばる文学賞受賞作。

すれ違う家族と女性たちの関係を、静かにほどく。

152ページ
家族女性離婚不妊日常
瀬戸良枝 せと よしえ 受賞

一夜の出来事をきっかけに、失恋の痛みと身体の執着が増幅していく。妄執とユーモアがせめぎ合う第30回すばる文学賞受賞作。

失恋を忘れようとするほど、執着は深くなる。

152ページ
失恋身体執着欲望ユーモア
吉原清隆 よしはら きよたか 佳作
テーパー・シャンク

『すばる』2006年11月号掲載の短編。単行本未収録で、作家デビュー作として位置づけられている。

誌面掲載のみで確認できるデビュー短編。

都市疎外出発
高瀬ちひろ たかせ ちひろ 受賞

ナマズ伝説と幼い恋が交差する、官能とおかしみのある恋愛奇談。表題作と「上海テレイド」を収録した第29回すばる文学賞受賞作。

伝説と恋心が、湿った空気のなかで絡み合う。

144ページ
恋愛身体伝承欲望短編集
朝倉祐弥 あさくら ゆうや 受賞

北陸の「土踊り」と九州山間部の「入植者」という二つの集団の興亡を、圧倒的なスケールで描く。第28回すばる文学賞受賞作。

熱狂が生む共同体のかたちを、鋭く描き切る。

160ページ
共同体熱狂土地対立若者
中島たい子 なかじま たいこ 受賞

31歳の脚本家みのりが、原因不明の不調をきっかけに漢方診療へたどり着く。心身のゆらぎを軽妙に描いた第28回すばる文学賞受賞作。

体の不調から、心と人間関係のバランスを見つめ直す。

176ページ
漢方心身恋愛仕事回復
金原ひとみ かねはら ひとみ 受賞

ピアスの拡張に魅せられたルイが、スプリットタンの男アマや彫り師シバさんとの関係のなかで身体改造にのめり込んでいく。痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望を鮮烈に描いた第27回すばる文学賞受賞作。

身体改造にのめり込むルイの痛みが、激しい生の輪郭を浮かび上がらせる。

128ページ
身体改造恋愛暴力痛み若者
千頭ひなた せんず ひなた 受賞

地方都市の小さな街でバイトに励む二十歳の僕を軸に、元同級生との関係や母親殺しの気配が日常へ忍び込む。いつか自分だけの海岸へ行くという願いをにじませる、第27回すばる文学賞受賞作。

小さな街の息苦しさを抜けて、自分だけの海岸へ向かう。

152ページ
地方都市青春暴力の気配家族逃避
栗田有起 くりた ゆうき 受賞

二十歳の誕生日を前に、死んだと思っていた父の死が現実になり、まちるはマンション一室とハムスターを相続する。元恋人の幼なじみや父の同居人だった女性との奇妙な友情が、静かな自立へとつながる第26回すばる文学賞受賞作。

遺された部屋とハムスターが、まちるの生活を少しずつ変えていく。

176ページ
相続一人暮らし家族友情自立
織田みずほ おだ みずほ 受賞

母と二人で暮らしていたまちるは、死んだと思っていた父の遺産としてマンションを受け取り、一人暮らしを始める。元恋人の幼なじみや父の同居人だった女性との奇妙な関係を通して、自立へ向かう日常をやわらかく描く第26回すばる文学賞受賞作。

遺された部屋で、まちるは少しずつ自分の暮らしを組み立てる。

152ページ
相続一人暮らし家族友情ユーモア
竹邑祥太 たけむら しょうた 佳作
プラスティック・サマー

第26回すばる文学賞佳作。『すばる』2002年11月号に掲載された作品で、単行本化は確認できていない。

雑誌掲載のみで、単行本化は確認できていない佳作。

すばる掲載佳作雑誌掲載のみ
大泉芽衣子 おおいずみ めいこ 受賞

自ら声を封じていた「僕」は、本当に声を失ってしまい、治療者の勧めでホテルで働き始める。社会にうまく馴染めないまま、誤解といじめに追い詰められていく過程を通して、孤独と回復のかたちを描く第25回すばる文学賞受賞作。

声を失った先で、世界との距離と回復の気配を見つめる。

136ページ
喪失孤独労働いじめ
末弘喜久 すえひろ よしひさ 受賞

妻を奪われた男が、絶望と魂の彷徨の末に錯乱と覚醒を見つめ、少年への愛にたどり着く。幻想の力動と悪夢の気配を重ね、第24回すばる文学賞受賞作として刊行された。

妻を失った男の心が、崩れ落ちながらも立ち上がる。

176ページ
喪失嫉妬錯乱覚醒少年への愛
大久秀憲 おおく ひでのり 受賞

帰郷した夏、少年野球の監督を引き受けた僕は、右目の不自由な少女・瑞穂と出会い、友人の北村を加えた奇妙な関係に巻き込まれていく。故郷の空気のなかで切実なノスタルジーに触れる、第24回すばる文学賞受賞作。

少年野球の夏に、故郷と人間関係の輪郭がじわりと浮かび上がる。

192ページ
帰郷少年野球ノスタルジー友情
中上紀 なかがみ のり 受賞

タイへ卒業旅行に出た二人の女性が、少数民族アカ族の村とブランコ「プレンカ」をめぐって、それぞれのルーツと向き合う。旅の中で友情と自己認識が揺れ動く第23回すばる文学賞受賞作。

旅先で、出自と友情が静かに揺らぐ。

208ページ
ルーツ友情少数民族自己発見
楠見朋彦 くすみ ともひこ 受賞

旧ユーゴスラビアの都市で地下生活を送るアキラを中心に、詩人や兵士、市民の言葉が交差する。報告、告白、手記、詩、批評が絶えず形を変えながら重なり、戦争と暴力の只中で日本語の可能性を押し広げる第23回すばる文学賞受賞作。

戦時下の地下で、語りの形式そのものを揺さぶる第23回受賞作。

160ページ
旧ユーゴスラビア戦争地下生活多声的語り詩的実験
安達千夏 あだち ちなつ 受賞
208ページ
岩崎保子 いわさき やすこ 受賞
世間知らず
清水博子 しみず ひろこ 受賞
132ページ
デビット・ゾペティ でびっと ぞぺてぃ 受賞

京都に流れ着いたスイス人留学生の『僕』が、対面朗読を通して盲目の女性・京子と出会い、恋に落ちていく物語です。異国から見た京都の空気と言葉の繊細さが重なり、第20回すばる文学賞受賞作らしい瑞々しい恋愛小説に仕上がっています。

京都で出会った二人の距離が、言葉と朗読を通して少しずつ近づいていく。

216ページ
京都留学生盲目の女性恋愛異文化
茅野裕城子 かやの ゆうこ 受賞

北京を舞台に、言葉の通じない中国人男性との恋を通して、越境する関係の揺らぎを描く短篇集。

言葉の壁を越えて始まる、静かでユーモラスな恋の物語。

216ページ
越境恋愛北京言葉の壁
広谷鏡子 ひろや きょうこ 受賞

老女の介護と尊厳を軸に、家族のなかで見えにくくなる苦しみと孤独を描いたすばる文学賞受賞作。

介護の現場から、家族に潜む切実な傷を見つめる。

224ページ
家族介護尊厳
該当なし
引間徹 ひきま とおる 受賞

一周5キロの競歩コースを舞台に、記録への挑戦と二つの作品を収めた小説集。

19分25秒という記録に、若者の執念が走る。

240ページ
競歩記録成長青春
楡井亜木子 にれい あきこ 受賞
205ページ
瀧口明 たきぐち あきら 佳作
惑う朝
釉木淑乃 ゆうき よしの 受賞

何気ない春の日に差す不穏な気配を、静かな筆致で切り取る受賞作。

いつもの風景に、説明のつかない違和感が少しずつ混じり始める。

142ページ
不穏日常の違和感心理青春
仁川高丸 にかわ たかまる 佳作

少女の焦燥や居心地の悪さをむき出しの感情で描く、すばる文学賞佳作の作品。

誰にも居場所を見いだせない感覚が、言葉の熱として立ち上がる。

208ページ
少女焦燥孤立青春
大鶴義丹 おおつる よしたん 受賞

サーファーたちと女たちの夏を、きらめきと焦燥のなかで切り取った青春小説。海辺の時間感覚と、若さの危うさが瑞々しく立ち上がる。

はちきれそうな夏のまぶしさの中で、若者たちの感情が波のように寄せては返す。

176ページ
青春海辺恋愛若さ受賞作
清水アリカ しみず ありか 受賞

清水アリカの初期代表作で、音楽とことばの関係を鋭く切り取る。都市の熱気とノイズ感が前面に出た、実験性の高い一冊。

音とことばの境目を、作品そのものが揺らし続ける。

172ページ
音楽言葉都市ノイズ実験性
山室一広 やまむろ かずひろ 受賞

市立動物園にゾウがやって来る一日を軸に、動物園の歴史と人々の思いが交錯する。やわらかなユーモアの中に、時間の積み重なりが見える。

ゾウの到着を待つあいだ、動物園は少しずつ過去を語りはじめる。

157ページ
動物園ゾウ歴史日常ユーモア
奈良裕明 なら ひろあき 受賞

雑踏の音と踊るような語り口が印象的な受賞作。タイトルどおり、チン・ドン・ジャンという擬音の勢いを前面に押し出している。

擬音の勢いを前面に押し出した、軽快で奇抜な受賞作。

200ページ
擬音都市祝祭受賞作奇想
辻仁成 つじ じんせい 受賞

形だけの家庭と敵意に満ちた教室のなかで、転校生の少年が伝言ダイヤルで知り合った少女サキとのつながりを支えに、孤独と自立を描く青春小説。

孤独を抱えた少年の心の荒野に、ひとつの声が小さな道をひらく。

176ページ
孤独少年の成長伝言ダイヤル家庭と教室
浅賀美奈子 あさか みなこ 佳作
夢よりもっと現実的なお伽噺

『すばる』掲載の佳作として、日常にひそむ記号を取り込みながら、新しい家族のかたちをたぐり寄せようとする二十歳の青春を描く短篇。

日常の手触りから、まだ名付けられない家族の輪郭が立ち上がる。

41ページ
青春家族日常関係の再構成
該当なし
桑原一世 くわばら いっせい 受賞

平凡で不器用な高校生と、閉じこもりがちな天才肌の兄を中心に、家族のぎくしゃくした関係を描く青春小説。第11回すばる文学賞受賞作として刊行された。

家族の距離が近いほど、十字路に立つ心は揺れやすい。

159ページ
家族青春兄弟閉塞感文学賞受賞作
松本侑子 まつもと ゆうこ 受賞

母親との関係や恋人とのすれ違いを抱えながら、過食にのめり込む若い女性の孤独と不安を描く小説。第11回すばる文学賞受賞作として発表された。

満たされない気持ちが、食べることの終わらない夜明けへとつながっていく。

157ページ
摂食障害孤独家族青春女性の内面
本城美智子 ほんじょう みちこ 受賞

十六歳の立林えみを主人公に、思春期の戸惑い、初恋、家族との距離を描く青春小説。1986年のすばる文学賞受賞作で、のちに映画化された。

江の島の夏を背景に、十六歳のえみの心の揺れが静かに輪郭を取っていく。

174ページ
青春恋愛自己発見家族LGBT
藤原伊織 ふじわら いおり 受賞

大学生の「僕」が、心を閉ざした少女に語る不思議なダックスフントの物語。

語りの中のダックスフントが、少女との距離を少しずつ変えていく。

302ページ
青春心理寓話性
江場秀志 えば ひでとし 受賞

沖縄の自然と老婆の内面が重なる、静かな受賞作。

沖縄の風景の中で、人物の心象が立ち上がる。

218ページ
沖縄内面描写静謐
原田宗典 はらだ むねのり 佳作

危うい男女の関係を、重なり合い、すれ違い、傷つけ合う感情の揺れとして描いた短編集で、佳作入選作はその第一作品集に収められている。

重なったり、離れたり、擦れ違ったり、傷つけたりする、危うい男女の関係を編んだ作品集。

296ページ
男女関係危うさ短編集すばる文学賞佳作
冬木薫 ふゆき かおる 佳作
天北の詩人たち

第八回すばる文学賞佳作として発表され、1985年に北雪新書から単行本化された作品。ISBNは確認できなかった。

第八回すばる文学賞佳作として発表され、1985年に北雪新書から単行本化された。

171ページ
すばる文学賞佳作初期作品北海道
平石貴樹 ひらいし たかき 受賞

原発を背景に、暴力の連鎖と青春の危うさをにらみつけるように描いた受賞作。

原発を背景に、暴力の連鎖と青春の危うさを描く。

184ページ
原発暴力青春すばる文学賞
佐藤正午 さとう しょうご 受賞

競輪場で元人妻の良子と出会った宏の前に、自分そっくりの男が現れ、奇妙な事件が連鎖していく。

自分そっくりの男が現れ、奇妙な事件が連鎖していく。

464ページ
分身偶然都市小説すばる文学賞
三神弘 みかみ ひろし 受賞

三神弘の初期作として発表され、のちに書籍化された作品。

三神弘の初期作として発表され、のちに書籍化された作品。

289ページ
幻想演劇青春
伊達一行 だて いちゆき 受賞

僕はポルノ出版社のカメラマン。母親との情事が最高という編集者・神崎と不感症の聖女・沙耶と、いつしか奇妙な三角関係におちいった…。第6回すばる文学賞受賞作。(解説・川村 湊) (提供元: 出版情報登録センター(JPRO))

僕はポルノ出版社のカメラマン。母親との情事が最高という編集者・神崎と不感症の聖女・沙耶と、いつしか奇妙な三角関係におちい

208ページ
幻想心理若者
本間洋平 ほんま ようへい 受賞

優秀な兄と出来の悪い弟を抱える家庭に、風変わりな家庭教師が現れる。受験競争のなかでぎこちなく揺れる家族の空気を、軽快さと皮肉をまじえて描いた作品。

一風変わった家庭教師の出現で、家族の空気が一変する。

200ページ
受験戦争家族教育兄弟皮肉
又吉栄喜 またよし えいき 受賞

沖縄の戦後を引きずるギンネムの屋敷を舞台に、はみ出し者どうしの暮らしと金をめぐる軋みが、暴力と諧謔をまじえて立ち上がる。社会の外縁で生きる人々の痛みを刻んだ作品。

ギンネムの屋敷に、戦後の痛みがしみついていく。

212ページ
沖縄戦後周縁貧困暴力
笹倉明 ささくら あきら 佳作

日本を離れて海の向こうへ出た若者たちの旅と漂流を、タツミの視点から爽やかに描く。異国で差別や孤独にさらされながらも生き抜こうとする姿が印象に残る。

海の向こうで生きる若者たちの姿を、まっすぐに見つめる。

254ページ
青春海外漂流差別孤独
松原好之 まつばら よしゆき 受賞
京都よ、わが情念のはるかな飛翔を支えよ
森瑤子 もり ようこ 受賞
情事
吉川良 よしかわ りょう 受賞
222ページ
飯尾憲士 いいお けんし 佳作
244ページ
原トミ子 はら とみこ 佳作
286ページ