日本の文学賞

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谷崎潤一郎賞

たにざきじゅんいちろうしょう

中央公論新社が1965年に創設した谷崎潤一郎にちなんだ文学賞

小説戯曲
創設年
1965
主催
中央公論新社
カテゴリー
純文学
選考方式
推薦
受賞対象
プロ
開催頻度
年1回
発表時期
11月頃
賞のステータス
活動中

説明

中央公論新社が創業80周年を機に1965年に設けた文学賞。時代を代表する小説・戯曲を対象に、選考委員会の合議により年1回受賞作を決定し、受賞者には正賞として時計、副賞として100万円が贈られる。受賞作と選評は『中央公論』誌上で発表される。

賞品

主賞品
正賞:時計
賞金
1,000,000円
  • 当初の正賞は賞牌
  • 第15回まで副賞50万円

選考情報

選考プロセス

最終選考
審査員 選考委員会
発表 『中央公論』誌上で発表

関連の賞

  • 中央公論新人賞
  • 婦人公論文芸賞
  • 中央公論文芸賞
  • 読売・吉野作造賞

公式情報

http://www.chuko.co.jp/aword/tanizaki/

過去の受賞者

柴崎友香 しばさき ともか 受賞
続きと始まり
小説家
津村記久子 つむら きくこ 受賞

姉妹とヨウムのネネを通して、40年にわたる助け合いと再生を描く長編小説。

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉。

496ページ
長編小説家族再生地方成長群像
小説家
吉本ばなな よしもと ばなな 受賞

悲しみを抱えたまま、街角ごとに小さな幸せへ変わっていく6編の短編集。

いつもと違う街角で、悲しみが小さな幸せに変わるまでを描く短篇集。

264ページ
短編集喪失再生家族都市
小説家
金原ひとみ かねはら ひとみ 受賞

パンデミック下の閉塞した世界で、若い男女の生と旅を描く短編集。

世界を拒絶した若い男女の旅を描く表題作を含む作品集。

288ページ
短編集現代小説パンデミック若者孤独関係性
小説家
磯崎憲一郎 いそざき けんいちろう 受賞
日本蒙昧前史

日本蒙昧前史は、磯崎憲一郎による受賞作。刊行情報と賞データを照合して整理した作品で、人物の選択や時代・場所の空気を通じて、読後に残る問いを描く。

日本蒙昧前史は、受賞歴と書誌確認をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

232ページ
文学人生記憶
小説家
村田喜代子 むらた きよこ 受賞

朝鮮との国境近くにある養生島で、九十代と八十代の老女が島を離れず暮らしている。過疎、海難の記憶、異国船への不安、気候の変化を背景に、海のそばで生きることの強さと孤独を描く長編小説。

島に残る二人の老女は、衰えゆく場所でなお海とともに生きることを選び続ける。

212ページ
離島老い海女国境土地への執着
小説家
星野智幸 ほしの ともゆき 受賞

介護、取材、交換可能な身体、泣き続ける人々など、現代社会の不安を寓話的に描く短編集。

介護、取材、交換可能な身体、泣き続ける人々など、現代社会の不安を寓話的に描く短編集。

272ページ
短編集寓話身体
小説家
松浦寿輝 まつうら としき 受賞

名誉と恍惚は、松浦寿輝による受賞作。刊行情報と賞データを照合して整理した作品で、人物の選択や時代・場所の空気を通じて、読後に残る問いを描く。

名誉と恍惚は、受賞歴と書誌確認をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

765ページ
文学人生記憶
小説家
絲山秋子 いとやま あきこ 受賞
薄情

『薄情』は、絲山秋子による受賞作。人物の選択、時代や場所の空気、語りの余韻を通じて、読後に残る問いを描く作品として整理した。

『薄情』は、受賞歴と書誌情報をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

文学人生記憶
小説家
長嶋有 ながしま ゆう 受賞
三の隣は五号室

『三の隣は五号室』は、長嶋有による受賞作。人物の選択、時代や場所の空気、語りの余韻を通じて、読後に残る問いを描く作品として整理した。

『三の隣は五号室』は、受賞歴と書誌情報をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

文学人生記憶
小説家
江國香織 えくに かおり 受賞
ヤモリ、カエル、シジミチョウ

「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」は、江國香織による谷崎潤一郎賞の対象作品である。受賞・候補記録から確認できる中心作品として、人物、時代、社会、記憶の交差を読ませる作品として整理した。

江國香織の「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」は、受賞歴と書誌確認の経路をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

受賞作人物の選択社会と記憶
小説家
奥泉光 おくいずみ ひかる 受賞

『東京自叙伝』は、奥泉光による小説の受賞作である。受賞記録と公開書誌をもとに、人物の選択、記憶、時代や社会との関係を描く作品として整理できる。

『東京自叙伝』は、受賞作としての輪郭を通じて、人と時代の関係を見つめる作品である。

432ページ
受賞作記憶人間関係社会葛藤
川上未映子 かわかみ みえこ 受賞

『愛の夢とか』は、川上 未映子による受賞作で、2013年の該当文学賞で選ばれた作品です。受賞情報と書誌データを照合し、作品単位で紹介できる範囲の情報を整理しました。

2013年の受賞作として記録される『愛の夢とか』の書誌と作品概要。

185ページ
受賞作受賞作2013年
高橋源一郎 たかはし げんいちろう 受賞

『さよならクリストファー・ロビン』は、高橋源一郎による受賞作です。NDL の書籍レコードで単行本または文庫として確認できるため、紙書籍の ISBN を基準に ASIN/ISBN-10/ISBN-13 を補完しました。

高橋源一郎の受賞作として記録される『さよならクリストファー・ロビン』。

220ページ
受賞作文学著者の関心
稲葉真弓 いなば まゆみ 受賞

『半島へ』は稲葉 真弓による作品で、2011-1 の受賞・候補記録に残る一冊です。書籍として刊行されたレコードを確認でき、作品単位の書誌情報として扱えます。

稲葉 真弓の『半島へ』は、受賞記録に残る作品として作品単位で整理した。

218ページ
文学賞受賞作人間関係物語
阿部和重 あべ かずしげ 受賞

山形の架空の町・神町を舞台に、菖蒲家をめぐる秘術、血縁、語りの迷宮を描く長編。純文学と伝奇的想像力を交差させ、共同体の神話を組み替える。

魔術師一家の伝承が、神町の歴史を異様な光で照らす。

667ページ
魔術的リアリズム家族民俗
該当なし
桐野夏生 きりの なつお 受賞

無人島に漂着した少数の男女が、飢えや欲望、権力関係の変化に揺さぶられていく長編。極限状況のサバイバルを通して、文明の薄皮がはがれた後の人間のむき出しの姿を描く。

無人島に漂着した少数の男女が、飢えや欲望、権力関係の変化に揺さぶられていく長編。

281ページ
サバイバル孤島欲望権力
青来有一 あおき ゆういち 受賞
爆心

長崎の原爆をめぐる記憶と、現代に生きる人々の傷をつなぐ連作小説です。歴史的な惨禍を遠い出来事にせず、個々の生活に残る揺れとして描きます。

爆心から遠く離れた日常にも、記憶の熱は静かに残り続けます。

285ページ
長崎原爆記憶と継承連作小説
小川洋子 おがわ ようこ 受賞
ミーナの行進

『ミーナの行進』は、小川洋子による作品で、2006年の谷崎潤一郎賞で受賞に選ばれた。

谷崎潤一郎賞で評価された小川洋子の作品。

谷崎潤一郎賞受賞
町田康 まちだ やすし 受賞

河内音頭にも歌われた河内十人斬りをモチーフに、城戸熊太郎の生涯と破局へ向かう内面を描く長編。饒舌で滑稽な語りが、言葉にならない屈辱や孤独を圧倒的な密度で押し出す。

語り続けるほどに、熊太郎の孤独は深く露わになる。

676ページ
河内十人斬り長編小説言葉と暴力近代日本
山田詠美 やまだ えいみ 受賞

鳶職、ごみ収集、ガソリンスタンド、引っ越し、汚水槽清掃、火葬場など、働く人びとの恋と人生を描く短編集。甘さと苦さが混じる六つの物語が、日常の仕事と感情の機微を鮮やかに結びつける。

働く身体のそばで、恋は甘く、苦く、確かな味を残す。

237ページ
恋愛小説短編集労働生活感覚
堀江敏幸 ほりえ としゆき 受賞

山あいの町・雪沼を舞台に、廃れゆく店や工場、そこに生きる人々の時間を描く連作小説。静かな場所の記憶を通して、人生の甘苦と手触りを浮かび上がらせる。

『雪沼とその周辺』は、堀江敏幸による作品の核を、読者に届く物語や思考として結晶させた一作である。

187ページ
連作小説地方記憶時間
多和田葉子 たわだ ようこ 受賞

『容疑者の夜行列車』は、多和田葉子による13の列車の旅を連ねた長編小説です。旅人である「あなた」は夜行列車で国境を越え、奇妙な乗客や言葉の障害、残酷な歓待に出会いながら、移動そのものが不穏な物語へ変わっていきます。

夜行列車の密室で、「あなた」は国境と言葉の境目を越えていく。

163ページ
夜行列車越境言語不条理
該当なし
川上弘美 かわかみ ひろみ 受賞

居酒屋で再会した元教師と教え子が、季節の食べ物や小さな会話を重ねながら静かに距離を縮めていく恋愛小説。淡いユーモアと孤独の感触が、成熟した親密さをやわらかく描き出す。

『センセイの鞄』は、川上弘美の作風が凝縮された受賞作。

277ページ
恋愛季節孤独日常
辻原登 つじはら のぼる 受賞
遊動亭円木

『遊動亭円木』は、2000年の受賞対象となった文学作品です。題名が示すイメージを軸に、作者の関心や同時代の表現感覚がうかがえる作品として位置づけられます。

『遊動亭円木』は、題名の余韻から作品世界へ読者を引き込む文学作品です。

文学人間関係時代
村上龍 むらかみ りゅう 受賞
共生虫

『共生虫』は、2000年の受賞対象となった文学作品です。題名が示すイメージを軸に、作者の関心や同時代の表現感覚がうかがえる作品として位置づけられます。

『共生虫』は、題名の余韻から作品世界へ読者を引き込む文学作品です。

文学人間関係時代
髙樹のぶ子 たかぎ のぶこ 受賞
透光の樹

『透光の樹』は、谷崎潤一郎賞の受賞作で、濃密な人間関係と美意識を軸にした現代文学作品です。

『透光の樹』は、受賞対象となった作品の主題と語り口が端的に表れた一作です。

受賞作文学賞人間描写
津島佑子 つしま ゆうこ 受賞
火の山―山猿記

『火の山―山猿記』は、津島佑子による作品。1998年のtanizaki junichiro awardで受賞対象となった。

保坂和志 ほさか かずし 受賞

保坂和志『季節の記憶』は、谷崎潤一郎賞で取り上げられた作品です。題名が示す印象を軸に、人物の選択や時代の空気を通して、読後に余韻を残す世界を描いています。

『季節の記憶』は、受賞作として読まれてきた作品の核を静かに伝える一作です。

316ページ
人生記憶時代
三木卓 みき たく 受賞

三木卓『路地』は、谷崎潤一郎賞で取り上げられた作品です。題名が示す印象を軸に、人物の選択や時代の空気を通して、読後に余韻を残す世界を描いています。

『路地』は、受賞作として読まれてきた作品の核を静かに伝える一作です。

253ページ
人生記憶時代
該当なし
辻邦生 つじ くにお 受賞

歌人西行の生涯を、多数の語りと歴史的場面を重ねて描く長編歴史小説。恋、出家、権力、美への希求を交響的に配し、ひとりの歌人の精神の軌跡を浮かび上がらせる。

歌人西行の生涯を、多数の語りと歴史的場面を重ねて描く長編歴史小説。

525ページ
西行歴史小説和歌出家
辻井喬 つじい たかし 受賞
虹の岬

『虹の岬』は、辻井喬による作品で、谷崎潤一郎賞の受賞作です。受賞対象となった作品として、人物や社会の緊張、記憶、日常の変化を描く読み物です。

谷崎潤一郎賞で評価された、辻井喬の作品です。

文学賞受賞作人物描写時代と記憶
池澤夏樹 いけざわ なつき 受賞

南洋の島国ナビダードを舞台に、権力を握った大統領マシアス・ギリと、消えた慰霊団をめぐる出来事が神話的な広がりを帯びて進む長編。政治風刺、亡霊譚、冒険小説の要素が溶け合う。

南の島の噂と霊力が、独裁者の掌中にある世界を揺さぶる。

632ページ
南洋の架空国家権力と神話政治風刺
瀬戸内寂聴 せとうち じゃくちょう 受賞

瀬戸内寂聴が中世の尼僧・一遍上人ゆかりの女性像を通して、信仰、恋、老い、死を見つめる長編小説。歴史上の人物を現代的な感受性で照らし、女人の内面を深く掘り下げる。

信仰と恋のあわいで、人は花に何を問いかけるのか。

243ページ
信仰女性の生老いと死歴史小説
井上ひさし いのうえ ひさし 受賞

魯迅の最期をめぐり、妻と臨終に立ち会った日本人たちを描く戯曲。滑稽さと哀切を行き来しながら、文学者と時代のつながりを浮かび上がらせる。

魯迅の死の床を囲む人びとの声が、歴史の重みを軽やかに照らす。

211ページ
戯曲魯迅日中関係歴史
林京子 はやし きょうこ 受賞

『やすらかに今はねむり給え』は、林京子による小説。受賞として記録され、作品の題名やジャンルから作者の初期・代表的な関心がうかがえる。

林京子の『やすらかに今はねむり給え』は、受賞歴とともに読み継がれる小説。

172ページ
小説文学賞受賞作日本文学
該当なし
該当なし
筒井康隆 つつい やすたか 受賞

『夢の木坂分岐点』は、筒井康隆による文学作品で、谷崎潤一郎賞の受賞作です。

『夢の木坂分岐点』は、筒井康隆の受賞歴を語るうえで欠かせない一作です。

237ページ
人間記憶時代
日野啓三 ひの けいぞう 受賞
砂丘が動くように

日野啓三の長編小説。海沿いの砂丘のある町に来たルポライターが、少年に誘われて奇妙な町の昼と夜へ迷い込み、現代人の意識の変容を砂丘のイメージに託して描く。

砂丘の町をさまよう男の意識が、現実と未来の像へ揺らいでいく。

現代小説砂丘意識変容未来
村上春樹 むらかみ はるき 受賞
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

意識の迷宮を舞台に、近未来的な情報戦と静謐な「世界の終り」が交互に進む長編小説。二つの物語は記憶、自己、喪失をめぐって響き合い、村上春樹の想像力を大きく押し広げた代表作。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、村上春樹の受賞作として、題名に込められた象徴から人間の記憶や感情を照らし出す。

長編小説意識記憶並行世界
黒井千次 くろい せんじ 受賞
群棲

『群棲』は、受賞時に評価された題材と作者の視点が結びついた作品である。題名が示す人物、土地、出来事、記憶を手がかりに、時代の空気や人間関係の揺れを読者に伝える。

『群棲』は、題名に込められた含みから人間と時代の姿を浮かび上がらせる。

受賞作品人間関係時代性記憶社会
高井有一 たかい ゆういち 受賞
この国の空

『この国の空』は、受賞時に評価された題材と作者の視点が結びついた作品である。題名が示す人物、土地、出来事、記憶を手がかりに、時代の空気や人間関係の揺れを読者に伝える。

『この国の空』は、題名に込められた含みから人間と時代の姿を浮かび上がらせる。

受賞作品人間関係時代性記憶社会
古井由吉 ふるい よしゆき 受賞
槿
大庭みな子 おおば みなこ 受賞

『寂兮寥兮』は、大庭みな子による作品で、1982年前後の文学賞で評価された一作。題名が示す情景や主題を軸に、作者の関心と時代の空気を反映した作品として読むことができる。

大庭みな子の『寂兮寥兮』は、受賞歴とともに読み継がれる作品である。

570ページ
文学賞受賞作1980年代文学作者の主題意識
後藤明生 ごとう あきお 受賞

信濃追分に実在した遊女・吉野大夫の痕跡を追う語り手が、墓や過去帳、土地の記憶、文献をたどっていく。小説、随筆、評論が入り混じり、調べる行為そのものが脱線と増殖を重ねていく実験的な長編小説。

吉野大夫の跡を追う旅が、文献と土地の記憶を巻き込みながら迷宮化していく。

236ページ
信濃追分遊女文献探索語りの脱線実験小説
深沢七郎 ふかざわ しちろう 受賞

東北の村を訪れた語り手が、屏風を借りに来る村人、両腕のない仏さまと人形にまつわる奇習へ入り込んでいく表題作を中心とする短編集。土地の伝承、死生観、宿業を、静かな語り口の奥に潜む不穏さとして描く。

両腕のない仏さまと人形をめぐる奇習から、東北の村に潜む生の暗闇が立ち上がる。

247ページ
東北の伝承奇習宿業人形死生観
河野多恵子 かわの たえこ 受賞
一年の牧歌

結核を患った女性の一年間の禁欲生活を描く小説。身体の制限、欲望、時間の流れを緊密に見つめ、河野多恵子らしい意識のゆらぎと性の感覚を掘り下げる。

病と禁欲の一年を通して、身体と意識の揺れを描く。

208ページ
禁欲女性の身体欲望意識
田中小実昌 たなか こみまさ 受賞
ポロポロ

『ポロポロ』は、田中小実昌による文学作品で、1979年前後の受賞作として記録されている。人物や社会の輪郭を追いながら、時代の空気や価値観の揺れを読者に伝える作品である。

田中小実昌の視点から、時代と人間の姿を静かに照らし出す受賞作。

時代の記憶人間観察社会と個人
中村真一郎 なかむら しんいちろう 受賞

『夏』は、中村真一郎の四部作「四季」の一部をなす長編で、記憶の中の季節と人間関係を精緻にたどる小説です。回想の揺れを通じて、時間の経過と感情の残響が描かれます。

ひと夏の記憶が、過去と現在のあわいで静かにほどけていきます。

412ページ
記憶季節回想人間関係
島尾敏雄 しまお としお 受賞

島尾敏雄の私的な時間を刻む長編的随想・日記文学。日々の移り変わりを追いながら、記憶、夢、家族、戦後の時間が複雑に折り重なる。

移ろう日々の中に、戦後を生きる者の記憶と孤独がにじむ。

352ページ
日記文学記憶戦後私的時間
藤枝静男 ふじえだ しずお 受賞

『田紳有楽』は、私小説の方法を踏まえながら、現実の奥に非現実的な気配を差し込み、藤枝静男独自の世界を開いた作品である。日常と幻想、信仰的な問いが交錯する。

私小説の現実感を越えて、幻想と求道の感覚へ踏み込む谷崎賞受賞作。

298ページ
私小説幻想信仰内面
水上勉 みずかみ つとむ 受賞
一休

禅僧・一休を通じて、破戒と風狂、信仰と人間性を描いた水上勉の長編。歴史上の人物を、制度からはみ出す生身の存在として捉えた点が谷崎潤一郎賞で評価された。

破戒の僧の姿を借りて、人間の自由と孤独が問われる。

歴史小説一休破戒
臼井吉見 うすい よしみ 受賞
安曇野

『安曇野』は、臼井吉見による文学作品。谷崎潤一郎賞の受賞作として、作者の主題意識と文体の特徴を示す一作です。

安曇野は、谷崎潤一郎賞で評価された臼井吉見の作品です。

文学小説受賞作
加賀乙彦 かが おとひこ 受賞

『帰らざる夏』は、加賀乙彦による文学作品。1973年の受賞作として、題材を絞り込んだ表現と、人物や土地、時代の手触りを読者に残す構成が評価された。

帰らざる夏は、限られた形式の中に時代と人の気配を刻む作品。

637ページ
人間心理時代性土地
丸谷才一 まるや さいいち 受賞
たった一人の反乱

『たった一人の反乱』は、丸谷才一による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。

『たった一人の反乱』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。

受賞作作品昭和期の文学作者の視点
野間宏 のま ひろし 受賞
青年の環

『青年の環』は野間宏による長編小説。戦後社会の思想と行動を、青年たちの関係の連なりとして描く。

青年の環は、時代の陰影の中で人が抱える痛みと意志を見つめる作品。

戦後社会政治青春
埴谷雄高 はにや ゆたか 受賞
闇のなかの黒い馬

『闇のなかの黒い馬』は埴谷雄高による短編集。夢と現実が交差する短篇群として、人間存在の不確かさを探る。

闇のなかの黒い馬は、時代の陰影の中で人が抱える痛みと意志を見つめる作品。

孤独哲学
吉行淳之介 よしゆき じゅんのすけ 受賞
暗室

『暗室』は吉行淳之介による長編小説。閉じられた空間の感覚を通じて、愛欲と孤独の緊張を描く。

暗室は、時代の陰影の中で人が抱える痛みと意志を見つめる作品。

恋愛孤独都市
円地文子 えんち ふみこ 受賞
朱を奪うもの、傷ある翼、虹と修羅

『朱を奪うもの、傷ある翼、虹と修羅』は円地文子による長編小説群。女性の情念、家族のしがらみ、歴史に刻まれた傷を連作的に掘り下げる。

朱を奪うもの、傷ある翼、虹と修羅は、時代の陰影の中で人が抱える痛みと意志を見つめる作品。

383ページ
女性の生家族歴史
該当なし
安部公房 あべ こうぼう 受賞
友達

突然訪ねてきた一家が家に居座り、親密さの名のもとに生活を侵食していく戯曲。日常的な善意が暴力へ変わる過程を、不条理な笑いと恐怖の中で描く。

友人であることを強いる声が、家の輪郭を崩していく。

戯曲不条理社会
大江健三郎 おおえ けんざぶろう 受賞

四国の谷間の村へ戻った兄弟を中心に、万延元年の一揆と戦後日本の記憶が重なり合う長編。個人の挫折、共同体の暴力、歴史の反復を神話的な密度で描き出す。

谷間の村で、百年を隔てた暴力と祈りが響き合う。

492ページ
戦後歴史家族
遠藤周作 えんどう しゅうさく 受賞

『沈黙』は、キリシタン禁制下の日本に潜入したポルトガル人司祭が、信徒への迫害と神の沈黙に直面する遠藤周作の長編小説である。信仰、背教、異文化の断絶を、弱さを抱えた人間の問題として深く掘り下げる。

神はなぜ沈黙するのか。殉教と背教の狭間で、人間の弱さと信仰を問い続ける長編。

320ページ
信仰背教キリシタン弾圧神の沈黙
小島信夫 こじま のぶお 受賞

『抱擁家族』は、アメリカ兵との関係をきっかけに崩れていく家族を通して、戦後日本の家庭、性、異文化接触を描いた小島信夫の長編小説である。日常の会話や夫婦のずれを鋭く捉え、近代家族の不安定さを浮かび上がらせる。

戦後の家庭の内側から、夫婦と家族の秩序が静かに崩れていく過程を描く。

295ページ
戦後家族夫婦異文化接触私小説の変容