早稲田文学新人賞 わせだぶんがくしんじんしょう
第10回(1993年)
小説評論詩短歌
受賞者
3名
森田候悟
受賞
曝野
『曝野』は、荒れた野に身をさらすような感覚を題名に持つ作品。早稲田文学新人賞の受賞作として、露出した場所に立つ人間の不安と、言葉によって世界を測り直す姿勢を示す。
荒野にさらされた身体のように、言葉が世界との距離を測る。
荒野の感覚新人文学露出と不安
正山千夏
受賞
忘却セッケン
『忘却セッケン』は、洗うことと忘れることのイメージを重ね、記憶の汚れや日常の感触を詩的に扱う作品。軽やかな題名の奥に、身体感覚と喪失の気配が潜む。
洗い流す手触りのなかに、忘れられないものの輪郭が残る。
忘却身体感覚日常の詩
古井ミト
佳作
夕焼けの測り方
『夕焼けの測り方』は、夕焼けという移ろう光を測るという不可能に近い行為を通じて、感情や時間のつかまえにくさを描く小説。日常の風景を、少しずれた角度から見直す。
夕焼けを測ろうとする視線が、時間と感情の曖昧な輪郭を浮かべる。
夕焼け時間の感覚日常のずれ