作品情報
男性中心の政治を問い直し、誰もが参加できる民主主義への道を探る一冊。
「男性政治」とは何かを起点に、日本の政治が女性やケアの担い手をどのように周縁化してきたのかを検証する。性別役割分業、働き方、選挙制度をつなげて捉え、クオータ制をはじめとする変化の方法を具体的に示す。
レビュー要約
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男性だけが受け入れられやすい政治の仕組みを明確に定義し、女性議員が少ない背景を資料に基づいて分析した点が評価されている。政治を遠い問題にしない、切実で読みやすい議論として受け止められている。
書籍情報
- 出版社
- 岩波書店
- 発売日
- 2023-01-20
- ページ数
- 298ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 1.2 x 10.7 x 17.3 cm
- ISBN-13
- 9784004319559
- ISBN-10
- 4004319552
- 価格
- 1078 JPY
- カテゴリ
- 本/社会・政治/政治
男性政治とは、男性だけで営まれ、男性だけが迎え入れられ、それを当然だと感じ、たまに女性の参入が認められても対等には扱われない政治である。ジェンダー平等な社会を目指す推進力が生まれているが、男性政治の最後の砦、永田町がその流れを阻んでいる。こうした日本の現実を超えて、女性も、男性も、マイノリティも、誰もが生きやすい社会への道を探る。
三浦まり(ミウラ マリ) 1967年東京都生まれ.慶應義塾大学卒業,カリフォルニア大学バークレー校大学院修了.Ph.D(. 政治学).2021年,フランス政府より国家功労勲章シュバリエ受章. 現在─上智大学法学部教授 専攻─現代日本政治論,ジェンダーと政治 著書─『 私たちの声を議会へ──代表制民主主義の再生』(岩波書店),『社会への投資〈個人〉を支える〈つながり〉を築く』(編集,同),『日本の女性議員──どうすれば増えるのか』(編集,朝日新聞出版),『女性の参画が政治を変える──候補者均等法の活かし方』(共編,信山社),『日本政治の第一歩』(共編,有斐閣),『ジェンダー・クオータ──世界の女性議員はなぜ増えたのか』(共編,明石書店)など.
レビュー
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最近の政治の劣化を考える上での必読書!
安倍政権以降、宗教右派や統一教会の影響もありフェミニズムの思想を家族崩壊として、ジェンダー平等やLGBTQの権利擁護に激しいバッシングがおきた。憲法を改正し国家の根幹を大日本帝国時代に戻そうとするバックラッシュの動きは、岸田政権になって軍事増強関連法案、入管法、LGBTQ法などで、急速に強くなっている。 女性を立法の場に送り出し、ジェンダー平等や人権をこの社会に根付かせる。そのためにどのような活動をすればいいか? そのためによくまとめられた一冊です。この本で学び、行動を起こしてほしいと思います。私はこの本の読書会をやり、地元の市議会の女性議員10%という割合を改善したい。
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日本の政治の問題点が分かる
グラフや数字で分かりやすく示してある点が良い 少し疑問に思うことは 今の時代自分でいくらでも調べれる 例えば女性議員が多い国でルワンダがあげられていたが 疑問に思って調べてみると 例の虐殺によって極端に男性が少なくなった影響だった しかし そのことによって今は素晴らしい発展を遂げている こういった事もクオータ制を推進する参考になると思う 一度軽く読んでもう一度ゆっくり調べながら確認する この本が1000円ほどで買えるというのは凄いことだと思う
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個人的なことは政治的なこと
読み応えあり。今は時代の過渡期。不確実性の高い時代に、適切な知識や教養は必須である。これから10年、30 年、100年後も今の男性政治が続くことは考えられない。とある方が日本は男尊女卑依存症社会であると表現していた。男尊女卑・家父長制・有毒な男らしさ・剥奪の男性感...。様々な社会課題は複雑に繋がっていて、全て国のイシューである。未だに女性の問題だと思っている(思っていたい)人達もたくさんいるが、そろそろ現実を受け入れて変革しないと、国の存続が危ういと思う。先人達の活動のおかげで、今得られている人権や権利や歴史も、もっと知らねば。 個人的には、男性政治・男尊女卑・性別役割分業意識の洗脳の根本原因は、男性の女性への怖れと依存(特に私的領域やケア)だと思う。
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「男性性」政治からの訣別
この本を単なるフェミニズム運動の延長線上で読むと誤ります。 構成は、日本政治構造の分析(特に議会におけるジェンダー平等の実現の難しさ)と、どうやって変革 の道筋をつけるかの方法論の展開になっています。 ■ 日本の政治構造 日本の政治構造の分析で興味深かったのは、国政と地方政治の2つの側面から論じている点です。 著者はそこまで強調していませんが、国会議員の選出方法についてかねてから疑問に感じていたこと が本書で言及されているので、紹介します。 政治家を選挙区利益を代表する人と捉えるならば 地元利益を最も増進する人を候補者に選ぶのは理にかなっている 国政を委ねる選挙で、小選挙区候補者が地元利益にどれだけ貢献した(する)のかを、選挙演説で 熱弁をふるう姿を見て、違和感を感じているのは私だけではないでしょう。 その反面、地方政治に目を向けるならば、地方議員にはその行政地域の生活向上に貢献してもらいた いのですが、女性の議員数は、国よりも地方の方が少ないという状況が浮き彫りにされています。 その理由を端的に表しているのが、本書に描かれている「私生活を犠牲にして、政治活動に全力投球 できることが不文律になっている」です。 地域活動を精力的にこなすこともそうですが、すでに出来上がっている産官学にまたがる ”オールド・ ボーイズ・ネットワーク” で重要なことが決まっていく構造こそが変革を阻止する岩盤です。 ■ 変革への道筋 その閉塞感漂う政治構造に風穴をあけるために、著者が提言するのは「クオータ」制の導入です。 ※ クオータ(割り当て):少数派に対して一定割合・数をあらかじめ設定する手法 クオータ制に対する反論はあり、その中でも本書の表現を借りるなら、女性議員は自然と増えるし、 そもそもなり手がいないという論理は、鶏が先か卵が先かですが、「政治の場に女性がいることが 当たり前になり、多様な女性リーダーの存在が知られるようになれば、ステレオタイプは緩和してい くだろう」という著者の主張の方に説得力があります。 日本の人口構成をもとにするなら、男女比はほぼ同じです(女性がやや数的多数)。 理想論で語るなら議員数は男女同数が基本になり、真の人物評価によって男女比に差ができることが 望ましいのでしょう。そうなると、もうジェンダーという垣根は無くなっています。 とはいえ理想論に過ぎるので、まず目指すのは「クリティカル・マス」にまで、女性議員数をもって いくことです。 クリティカル・マスとは、変化が起きる ”臨界点” のことで、およそ30%に達すれば、一定の影響力を 持つことができるという考え方です。 このロジックまでは、組織論をかじってきた人には容易に理解できるところですが、著者の三浦さんの 慧眼は、これまでに出てきたフェミニズム活動をすべてではないにせよ、否定しているところです。 つまり、男性側の論理に沿った ”強さ” を持つ女性リーダーや、男性と女性の性別役割分業を前提と して出現した女性議員ブームは、結局のところ、既存の「男性性」ありきを打ち破ることなく、補強 する形態でしかなかったと論破しています。 これから求められるのは、ジェンダーにとらわれることなく、対等に議論ができることです。 著書が変革の一歩として提起するのが、「比例代表制」を有効に使って女性議員数を増やすことです。 現在の日本の政治構造の問題点でも書きましたが、”我が町” の代表ではなく、”国” を背負う国会議員 を選出する選挙であれば、比例代表制の重要性は増しますし、そこで男女同数の候補者名簿を義務化 することは、現実的な手法です。 課題は、全国区の過度な「人気投票」に成り下がり、議員の質が下がる可能性があることですが、 その目利きとしての機能が期待されるのが「政党」です。 ■ 著者が本当に伝えたかったこと 著者が本当に伝えたかったことであり目指しているゴールは、ジェンダー平等ではありません。 人権尊重の視点と同じくらいに大切なのは、この国をより良い姿に変容させていくことです。 コロナ禍で露わになったのは、世界に目を向けても、旧来の「男性性」を前面に打ち出したリーダー の脆さと、「女性性」(特に共感力と柔軟さ)で国民の支持を集めた国家リーダーたちの姿でした。 間違えてはいけないのは、男性・女性という性別ではなく、いわゆる「男性性」(男性的と言われる 特性)と「女性性」という特性の違いです。 この違いですら、二項対立に過ぎず、人にはいろんな特性があります。 ダイバーシティ&インクルージョンの価値観が進む中で、構成員の多様性だけでなく、自分の中にある 多様性を認め発展させることが、この国の課題であり伸びしろでもあるのなら、著者の次の言葉がその すべてを言い表しています。 男性政治を打ち破るために、これまでの支配的な男性性とは異なる人びとが対等に政治に参画する ことを保障すべきだ ジェンダー論を超えたその先の世界を表した書です。
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日本が変えなければならない要点をもまとめていること。
日本の政治は、世襲でも男性が中心となってきましたが、「さらば男性政治」という本はその問題点を指摘した本なので読ませていただきました。共感した部分がありました。
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「男性政治」の極みが現在の政治腐敗と、近年の日本の国力衰退である
著者は1967年生まれの政治学者で、ジェンダーと政治に関する多くの著書がある。本書は日本の憂うべき男性政治の現状を詳しく報告し、今後の対応策を提案したものである。 ジェンダーとは、「社会的・文化的に構築された性別」(本書p.40)である。毎年新聞等で報告されることではあるが、世界経済フォーラムが発表している「ジェンダーギャップ(男女格差)指数」が冒頭で詳しく紹介されている。2020年の日本の順位が121位という惨状には改めて衝撃を受ける。日本の指数は、ここ数年停滞しているどころか、後退しているのである。先進各国が少しづつ順位を改良しているのに対して、日本だけが後進国化に向かっているのだ! 本書では、国会議員だけでなく地方議会議員にいかに女性議員が少ないかがデータで詳しく説明されている。このことについては多くの原因があるだろうが、女性が議員として活躍するには「男性政治の世界」のハードルが高すぎることが障害になっていることは間違いない。 世の中が社会的・経済的に発展するのは男女や思想、人種の多様化し活性化することが不可欠の前提である。ここ30年以上、日本は右傾化し、「日本はスゴイ!」など独善的な社会風潮を首相ら保守政治家たちが煽ってきた。ジェンダーギャップ指数の後退はこの日本の社会・経済の停滞とパラレルである。その極みが「男性政治」の一つの「産物」である、「政治とカネ」の問題である。今回の不祥事をきっかけに、「クオータ(割り当て)制度」はもちろん、女性はもちろん、多様な人材が闊達に活躍できる社会を作らないと、日本の後進国化は止まらず、文字通りの後進国になる運命は避けられないだろう。
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ツイフェミが嫌いな人は見ない方がいい
現在の日本男性政治の問題点を学ぶことができる。所々に女性を擁護し男性を蔑んでいるとも捉えられる箇所がありかなり不快感を覚えた。
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「さらば」は難しいですが、実行しないと我が国の将来は危ないかな!
標題通りの感想です。 本書の内容は他のレビュアーさんが詳細なコメントをされているので重複を避けるため行いません。 単刀直入に今の男性主体の政治で利権を得ている者があまりにも多数おり、これが既成事実として長年にわたって沁みついている。このシミを抜き取るのは並大抵の力では無理です。 「クオーター」も一つの名案かもしれませんが、これは「ハーフ」になるまでの過渡期。いや、それは甘い。今の男性陣だと「クオーター」で永遠に妥協させられるかもしれませんよ! 私もいきなり男と対等と言ってもそれは無理でしょう。そう思います。やはり経験不足を理由に女性は排除されるでしょう。まずは少しづつ経験を積んで男性と互角にやりあえる力を錬成しないといけないと思います。こういう中からリーダー的な女性指導者が現れるのを待つというか、育成するのかな。 もちろん既存の政党や世論にも強力な働きかけ、人口は男女半数なのに議員や大臣については、女性は全く隅に追いやられている理由如何?まともに女性陣に納得できる理由を説明できる男性なんていないでしょうね。いたら奇跡ですよ。そこをついて粘り強く議員の数をまずは、どうかな?人数は明言しないで男性側の動きを観ることになるか。これらを臨機応変に男性側と交渉できる女性リーダーを育成して、女性の意見も政治に反映できるようにする体制の構築か? 本当に標題通り実現は、既得権に胡坐をかいている男性陣の猛反発に会うでしょうが、先ずは女性陣が結束して突破し、クオーターよりも良い条件を勝ち取りましょう。 ここまでやらないと私は駄目な気がしますが。皆さんはいかがなものでしょう。敢えて過激な意見を述べましたが、これぐらいの覚悟がないと、「男」は政治的利権を譲りませんよ。 ここまでの拝読、感謝御礼です。ありがとうございました。
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