心中おサトリ申し上げます (単行本)
言葉を失った男が、人の心を読む妖怪・サトリと出会う。異形の存在との対話を通して、人間の愚かさと生の切実さを描く妖怪譚。
作品情報
言葉を失った男と、心を読むサトリが出会う妖怪譚。
言葉を失った主人公の前に現れたのは、人の内面を見通すサトリだった。奇妙な出会いから始まる物語は、伝奇的な趣向のなかで、他者と向き合うことの痛みと可笑しみを映し出す。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA/角川書店
- 発売日
- 2014-08-29
- ページ数
- 237ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784041019870
- ISBN-10
- 4041019877
- 価格
- 1794 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
仕事も女も順調な毎日を送っていたが、普通の言葉が出なくなり、すべて失い茫然自失。偶然山中で出会ったのが、心を読み人を喰らうサトリという妖怪だった。サトリはおれに言葉を取り戻す方策を授けてくれるという。
レビュー
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面白かったです。
インチキセールスマンと妖怪少年の共同生活の中で、それぞれのむき出しの欲望とそれを満たすために生まれた友情。 生々しいながらもなぜか惹かれる食べ物の描写や、登場人物たちの憎めないダメっぷりがよかったです。 そして意外に清々しい エンディング。
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本当にこれが受賞作なのか?
出だしの口上商人みたいなおかしみとリアルさに誘われて買ったものの、どんどんありえない方向へ突き進み、 これが虚構の中のリアルではなく、ただの机上の作り物になっていくのにつれ、読むのが苦痛になった。 サトリが出ようがまともな言葉が出なかろうが、そういうのは創作の一つだからかまわない。 しかしそういう作った設定は、それなりの理由がないとタダのウソ話でしかなく、読んでいてすごく白けるのだ。 たとえばいくら当て付けだとしても、山に近江牛や松阪牛の肉を持っていく設定はあまりに意味不明だし、 山中で足を滑らせるのも、あまりにも偶然かつ御都合主義にすぎる。 さとりが現代語を話して、肉を「ぺろりと」食べるなんてすごくつまらない描写だ。 「牛タンを全て欲しい」とメモ帳のアプリに書いたら、店員が憐憫の情を表す描写にしてもおかしい。 スーパーで客商売をしてる人間なら本音をすぐに顔に表すだろうか? 訝しく思ったり当惑するならともかく、主人公の事情を知らないのに哀れみなんぞを表すはずがない。 また、言葉が話せない相手に対しての哀れみとするなら、たんに障害者をバカにしてるにすぎないと思う。 細かいかもしれないが、こういうちょっとしたところで''ありえない'描写がゴロゴロしていては、 小説という、リアルなアンリアルを描く舞台に、まったくのめり込めなくなってしまう。 加えて言うと、行間を読ませるという、小説が持つ最大の楽しみが存在していないのもどうなのか。 あえて心中を描写せずに、行動や仕草などでもって読者が人物の気持ちを想像できる余白がなく、 書かなくても分かることまで書かれているため、これでは小中学校の国語のテストで、 「Aさんはこのときどんな気持ちで肉を持って行ったのですか」という問題もつくれなくなってしまう。 一人で買ったばかりの牛タンを食ってる描写でも、部屋の暗さや窓外で聞こえる楽しげな声と対比させて、 黙々と涙流しながら食べるなら気持ちが伝わってくるのに、 「情けなかった。俺は可哀相な奴なのだ」というストレートの球しか投げない。 野球選手でも様々な球種を投げわける時代に、 どうして最近のエンタメ小説は、ストレートで分かりやすい球しか投げなくなってしまっているのか。
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一気に最後まで読みたくなる小説
まず表紙がかわいい。 内容も読みやすくておもしろかった。展開がスムーズで、最後まで一気読みできる。 主人公が営業トークやらお花畑ポエムしか話せなくなって四苦八苦するところとか、 同居する中でやけに人間くさくなってきたサトリとのちょっとした会話とか、思わず笑ってしまった。 それこそ難しい言葉を使った表現はあまりないのですいすい読めるが、 意外と「言葉」について考えさせられるところもあり…最後がちょっと切なくてしんみりしてしまった。 分類として何系の小説かと聞かれると答えが難しいが、エンタメ作品としては王道だと思う。
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読み始めたら止まらない!
一気通貫で読んだの久しぶり。無条件に面白い読み物。 リズムの良い流れは文体の故か?すごく新鮮な感じ。 若者から年寄りまで絶対にお勧め。きっと満足できるでしょう。 小説とは・・・・、文学とは・・・・、と何時も呟いている人にもひょっとして大丈夫かも。 五つ星を上げたいけど、文学的素人なので「読み物」としてだけの評価は”星4つ”