作品情報
2013年の受賞作として記録される『光秀の定理』の書誌と作品概要。
『光秀の定理』について、受賞一覧の記録、国立国会図書館などの書誌検索、および公開されている書籍データを突き合わせて整理した作品情報です。単行本または収録書籍の識別子が確認できた場合のみ bookIdentifiers に反映し、雑誌掲載情報だけで確認された識別子は採用していません。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2016-12-22
- ページ数
- 464ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.6 x 1.7 x 15 cm
- ISBN-13
- 9784041028100
- ISBN-10
- 4041028108
- 価格
- 1078 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
厳然たる「定理」が歴史と人生を解き明かす、全く新しい歴史小説が誕生! 【話題沸騰 『信長の原理』 の姉妹編!】 明智光秀はなぜ瞬く間に出世し、信長と相前後して滅びたのか――。 厳然たる「定理」が解き明かす、乱世と人間の本質。 各界絶賛の全く新しい歴史小説、ここに誕生! 永禄3(1560)年の京。 牢人中の明智光秀は、若き兵法者の新九郎、辻博打を行う破戒僧・愚息と運命の出会いを果たす。 光秀は幕臣となった後も二人と交流を続ける。やがて織田信長に仕えた光秀は、初陣で長光寺城攻めを命じられた。 敵の戦略に焦る中、愚息が得意とした「四つの椀」の博打を思い出すが――。 何故、人は必死に生きながらも、滅びゆく者と生き延びる者に分かれるのか。 革命的歴史小説、待望の文庫化! 解説・篠田節子
●垣根 涼介:1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『光秀の定理』、『信長の原理』等がある。
レビュー
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糟糠の妻、煕子(ひろこ)への光秀の愛
どうしても引用したい文章がある。[同じ目線の高さでモノを考え、共に笑い合えることが出来る。そして、そんな相手が一生の伴侶として寝るときも話すときも常に傍にいてくれる。人として生まれた日常の中で、これ以上の幸せがあるだろうか…。やはり、この女を妻に出来たことは、自分の生涯にわたる幸せであつた。]作者はこのことを一番に読者に伝えたかったのではないか。このことを言いたいがために、「愚息」や「新八郎」、「四つの椀の謎解き」のエピソードで物語を膨らませていったのではなかろか。運良く糟糠の妻を勝ち得、その後、その妻に先に逝かれた夫の悲哀の深さを想う。あの光秀もそうであったと信じたい。だからこそ、光秀は本能寺へと旅立って行ったのであろう。そんなことまで思わせてくれた「光秀の定理」。老若男女、今すぐにでも手にとり読み始めて欲しい。
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ちょっとくどいですが、面白かったです。ほかの人にも勧められます。
背景の説明がちょっとくどい…かな。
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モンティホール問題
モンティホール問題が出てくる事を知り読んでみました。(作中ではお椀と小石を使用) だらだらと細かく情景描写をしない描き方のためテンポ良く読み進められ、各場面を自分なりにイメージ出来るので非常に楽しめました。 肝心のモンティホール問題の使用場面ですが、物語の重要な場面で出てくるので「このような見せ方か!」と感心してしまいました。 歴史的知識が少なくても充分に楽しめます。
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確率問題の解答に致命的な誤謬あり。そこさえ修正すれば傑作に!
「なるほど~!忘れたころに、条件を変えたひっかけ問題を出してくるとは、味なまねをするものだなぁ~。これは傑作に違いない!」そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。だが、しかし・・・こともあろうか、自分で出題したひっかけ問題に、自らが引っ掛かって、間違えた解答を導くという悪夢のような展開が待ち受けていました。とはいえ、ミスをした個人の非をあげつらうのも気の毒で・・・。むしろ、編集者など出版に関わる人間全員が誰一人として、論理の誤りを検証しようとも思わなかったという怠惰に、恐れ慄いてしまいました。 一気に読み進めるモチベが下がりましたが、少し読み進めると、信長が現象を理解するために、4者択一を、100者択一にまでに拡張して、理解に至るという「手を動かして考える」のお手本のようなことをします。パラメーターを極端に振ってみることにより、限定的な条件下による経験的感覚などに揺さぶりをかけ、本質を理解するとはアッパレ!と思ったのですが、それと同時に、そこまで気付いておきながら、何故にその手法を、山城攻めの方にこそ適用しなかったのかとの残念感が強まります。そもそもの信長の関心対象は、賭け事ではなくそっちだろうに、何故にすり替えた。気付きのチャンスを華麗によけていくさまに逆に感心してしまいます。 山城攻めに適用するとこんな感じでしょうか。 (1)山城に通じる100本の内、1本を選んだ。 (2)残りの99本の内、98本が偶然晒された。 (3)晒された98本は、なななんと、奇跡的にすべてハズレであった。 (4)残り2本の内、どちらを選ぶ? ここまで手を動かしてみれば、賭けの手口と、山城攻めを同じ問題として考えることに何らかの違和感を持つ可能性が高いのではないでしょうか?(3)を「当たり前!」と感じるか「奇跡的!」と感じるか。晒す主体がアタリを「知っている」か「知らない」かがカギということに気付くはずです。 P.S.山城攻めについては「初志貫徹」(茶碗とは異なり、同じ条件の山道など1つもなく、諸条件を加味し、最も確率の高い山道を選んでいるからこその初志貫徹。くぅ~模範解答過ぎる!)に修正し、サイコロ3つの方の解説の誤り(同時に振る、足し上げる)も修正すれば、傑作になるのではないでしょうか。まあ、後者に関しては、六の目が2つ出たら勝ちを2倍、3つ出たら3倍にしてやっとイーブンなわけで、それこそ単純に足し上げられないのは六の目がダブることが原因であることに、まずは気付くと思いますし、泥臭くダブリの数を数える方が直感に訴える気もしますが。 蛇足:"選び直し"の問題からのやや強引な連想ですが、純粋な"選び直し"であるかのように錯覚して、致命的な誤謬を集団妄信している例として、週刊誌などが発表する大学受験の「ダブル合格進学率対決」がありますよね。こちらは確率ではなく統計の問題ですが。
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十兵衛だけでなく
新九郎、愚息、藤孝にもしっかりスポットをあてながら各々の角度から話が進むのが面白い。 光秀の最も有名なシーンはほぼ語られず純粋に光秀という人物の成り立ちが語られる。これを読むと天下人として(本人の性格的な部分はともかく)環境的には申し分なく整っていた貴重な人物だと感じた。 十兵衛がその才能と魅力故に自分のキャパを越え徐々に衰退し崩壊に近づく様は何か現代にも当てはまる。一方自分以外のものを背負わず納得の行く信念を貫く愚息や新九郎の荒波を貫く生き方。そして荒波を乗りこなす藤孝。これも何か現代の身近な人とつい比較してしまう。 ダイナミックな史実を避けている分、感傷的な人間小説としてとてもいい本。 ちなみにこの本を読んだあと今村翔吾の「じんかん」を読むと面白いかも。ひとは光の当て方でなんにでもなりうる。
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面白い
面白い本です。
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光秀以外の登場人物が魅力的
『信長の…』と違い 光秀目線でない所が面白かった
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著者の他の作品を読んでみたいという興味はそそられた
評価の難しい作品である。 博打好きの僧侶愚息と兵法家の新九朗という魅力的な人物が随所で物語を盛り上げるが、主役である光秀の影が薄い。 司馬遼太郎の「国盗り物語」の光秀と比べると凡庸で魅力がない。 また、信長に仕えるまでに多く筆を割き、仕えてからが駆け足のように過ぎて行き、少々強引な形で本能寺の変へと至る。 そこに至るまでには、幾重にも互いの感情の行き違いがあったはずだが、そこがあまり描かれていない。 最終章でその下りは、愚息と新九朗によって語られ、中世日本の有り様まで語られる下りは圧巻であるが、物足りなさを感じる。 ただしかし、著者の他の作品を読んでみたいという興味は十分そそられた。
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