作品情報
あとは野となれ大和撫子は、受賞歴と書誌情報を確認して記録した作品。
中央アジア風の架空国家アラルスタンを舞台に、日系孤児の少女ナツキが後宮の仲間たちと国の危機に立ち向かう冒険エンターテインメント。政治、民族、環境問題を背景にしながら軽快に展開する。
レビュー要約
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大胆な設定を、登場人物の魅力と軽快な語りで読みやすくしている。重い背景を抱えつつ、娯楽小説としての爽快感が支持されている。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2017-04-21
- ページ数
- 384ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.3 x 2.7 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784041033791
- ISBN-10
- 4041033799
- 価格
- 1850 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
直木賞・芥川賞ダブルノミネートで最注目の新鋭が挑む超王道冒険エンタメ! 《主な登場人物》 ナツキ・ナシーム・トオミネ 15年前の内戦で両親を失い、後宮で育てられた日系孤児。植物工場の技術者だった父にならい、技術コースを専攻している。いつかアラルスタンに雨を降らせ、アラル海を復活させるのが夢。また密かに遊牧民への憧れも抱いている。頭脳明晰だが空気を読む能力は低め。だが真っ直ぐな性格で、皆から呆れられつつ愛されている。臨時政府ではなし崩し的に国防相を担当することに。亡き父の口癖「俺が現場にいなくてどうする」を実践し、口癖は「やることはやった。あとは野となれ」。 アイシャ・ファイシャル 人望篤い後宮のエリートにして若い衆のリーダー。“睡蓮(ニルフィヤ)の笑み”と呼ばれる微笑みが印象的なクールビューティ。政治コースを修了し外務省入りが決まっていたが、大統領暗殺を受け、アラルスタン臨時政府を立ち上げ、大統領代行に就任する。チェチェン難民の子女であり、この国を第二のチェチェンにすまいと奮闘。しっかり者だが、時にボケる一面も。 ジャミラ・クンディ・サドザイ ケニア出身。ナツキを妹のように思っており、最初に仲よくなった人物。明るく勝ち気で面倒見が良いが、ノリに弱い面がある。いずれかは中央アジアの伝統文化を守る側になりたいと願っており、臨時政府では文化相を担当。銀のアクセサリーで鎧のように固めたファッションをしている。 ウズマ・ハリーファ 建国時よりアラルスタンの女社会に君臨する、枢密院の議長にして後宮のボス。アイシャたちを雛鳥扱いし、折に触れ妨害する老女。後宮内の保守派を取り仕切り、無学だが誰よりも政治の肝を心得ている。 イーゴリ・フェルツマン 後宮に出入りする神出鬼没の吟遊詩人。西欧の道化を思わせる服装で、どこからか二胡片手に現れる。 武器商人という一面も持っており、その真の顔は計り知れない。 ナジャフ・アリ・ラシード イスラム原理主義系組織「アラルスタン・イスラム運動(AIM)」の幹部。大統領暗殺に乗じ、政権奪取をもくろみナツキと相見える。過激派組織に属してはいるが、その考えは本当は穏健な保守派。優男風の容姿で、後宮に隠れファンも?
●宮内 悠介:1979年東京生まれ。早稲田大学第一文学部英文科卒業。2010年「盤上の夜」で第一回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞してデビュー。12年、同名の作品集で第33回日本SF大賞を受賞。直木賞にノミネートされる。続く第二作品集『ヨハネスブルグの天使たち』も直木賞候補になり、14年には同作品で第34回日本SF大賞特別賞を受賞した。17年『カブールの園』が芥川賞にノミネート。今、最も期待が集まる若手作家である。13年、第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。
レビュー
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サクサウールの小さな白い花/乙女たちの青春群像劇
●頑迷固陋な枢密院や旗幟不明確な官僚、脱兎のごとく逃げ出した議員たち。国家再建に立ち上がっ た若き乙女たちの勇気と希望に満ちた青春群像劇です。 百戦錬磨の男たちを相手に奮闘する主人公に、なぜ偉丈夫な英雄ではなく若き乙女を起用したので しょうか?想像するに、前向きでエネルギッシュな彼女たちに希望を託したかったのかもしれません ね? 人事を尽くして天命を待つ!やれる事は全てやったんだ。「後は野となれ山となれ」だ。たくまし く成長した乙女たちの潔さが響いてきます。 「後は野となれ山となれ」の対義語は「立つ鳥跡を濁さず」だそうです。この答はエピローグに描か れているが、”サクサウールの小さな白い花”はアラルスタンの地を覆うことが出来たのだろうか?読 後感が爽やかな作品でした。
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おすすめです
テンポがよくどんどん引き込まれていく。
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一気に読んでしまった
人物設定、環境設定など日常ではないところが良く、テンポ良く、飽きないで読んでしまった。
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エンタメに強く歩み寄った力作!
直木賞を逃したのは惜しい。直木賞選考員で唯一人、本作を推したのが宮部みゆきだった。それだけで本作の価値は確かだ。 本作の作風はライトでポップでありながらも、ときに硬質で、ときに詩情に溢れる。しっくりくる地の文。それが一級の文芸品質を担保している。端正かつ的確で無駄がなく、書きすぎない。流れもクドくない。まるで長々とした手続きのように人物描写を掘り下げることもしない。しかし地の文とセリフ、そこに描かれる仕草、心情、口調が、人物像をしっかり想起させてくれる。勿論、読者サービスとしての余白を残しながら。 また、この小説には作者の強いメッセージが色濃く刻まれている。とりわけ政治ドラマ文脈では正鵠を射る観点が度々と提示され、胸がすく思いを抱かせてくれる。誰もが何となく気づいている、身も蓋もない政治政局の滑稽さ、その詭弁への反証を見事に言語表現され、それが気持ちいい。 ところで随所にラノベ調の技巧も試されている。それが読字のテンポを良くしている。そこに違和感や物足りなさを感じる読者は確かにいるかもしれないが……私は読んで良かった。オススメです。
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大器宮内悠介が、あえてラノベ風に軽いノリで仕上げた、センスの良さに脱帽。
タイトルからして、しょうもない駄洒落だが、JKが主役で、ノリの良いラノベ風作品。ところが、扱ってる題材が、作者らしい重い国際政治に関するもので、その凄まじいギャップにまずは戸惑う。舞台である架空の国家アラルスタンが、旧ソ連からの独立国家であるとわかり、ロシアや近隣諸国の影響に翻弄される、小国家の悲哀が、よく表されていて感心。 後に国の中枢になるべく、少女達に専門教育を施した、庇護者の大統領が暗殺される危機に、まだ年若い少女達が立ち上がって、臨時政府を作るーこんな深刻だけど、荒唐無稽なストーリーを、軽いノリで仕上げた作者のセンスに、賛否両論あるだろうが、私は賛成。活字が苦手な高校生に、アニメで見せたいと、本気で思った。 この卓越した設定で、波瀾万丈なストーリーが展開するが、自分でも脚本を書いている私としては、少女達が政治的意味合いで取り組んだ、芝居が大きな意味を持って、楽しく読めた。救いがたい困難を、克服してゆく少女達の成長物語としても、感動的である。 大器宮内悠介が、あえてラノベ風に軽いノリで仕上げた、センスの良さに脱帽の傑作。
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日本ではあまり報道されない、中央アジアの国々や国際関係に関して知るには良いきっかけになると思う
架空の国、アラルスタンで国を支えるために奮闘する少女達の話。 爽やかで読みやすい。まあまあ。 日本ではあまり報道されない、中央アジアの国々や国際関係に関して知るには良いきっかけになると思う。 内容は政治だったりテロだったり環境問題だったりするんだけど、少々薄っぺらい印象は否めない。一方で、この部分を突き詰めると話が重たくなるので、読みやすさが落ちるという難しい部分でもあると思う。 中高生なんかが授業の副教材として使って、この本をきっかけに色々勉強すると面白いんでは無いかと思った。
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中央アジアに起こる内戦と人間ドラマ
宮内氏の長編作で現代の中央アジアでの政変と後宮で育成された女性たちが、国を守るために立ち上がるドラマです。 地政学、文明論、文化論に興味がある人には特に楽しめると思います。 取材と文献の調査を丹念にしており、エンターテインメントでありながらも、読み応えのある内容です。 私は宮内氏は 筒井康隆、小松左京に匹敵するかそれを超える才能だと思っています。短編、長編が書ける。 最新の大脳生理学、人工知能、地球物理に詳しく、世界中の登場人物を描写できる。SFも現代ものも書ける。 特に本編のような中央アジアやイスラムの登場人物をかける人は 少ないと思います。 大脳生理学に基づいた精神もののドラマ(本編でなく、エクソダス症候群やスペース金融道)は 筒井氏のパブリカなどを彷彿とさせます。 文壇の人はどうしても理系の知識にうといようで、文学面のみの評価になっているようですが、この人のサイエンスの知識とそれを文章にして表す能力は大変なものです。それも含めて早々に直木賞を与えて彼と彼に続くものの出現を促してほしい。
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全体的には気にいりました
タイトルに「大和撫子」とあるが、想像していたよりは大和撫子は薄かったようだけど、全体的には気にいりました。
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