作品情報
古代の謎が現代へ迫る、スケールの大きな考古学ホラー。
受賞時タイトルは「ピラミッドの怪物」。刊行時には『黒いピラミッド』に改題され、KADOKAWAから単行本として出版された。Amazon JP、出版社公式、書誌情報で ISBN 9784041074404 を確認し、ISBN-10 と ASIN を補完した。
レビュー要約
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出版社紹介では、受賞作を改題した作品として、ピラミッドをめぐる謎と怪物的な恐怖が強調されている。ミステリの牽引力とホラーの不穏さを併せ持つ作品である。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2018-10-31
- ページ数
- 304ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.1 x 2.2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784041074404
- ISBN-10
- 4041074401
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
呪われたアンクが死を呼び込む……。ホラー×冒険 エンターテインメント! 第25回日本ホラー小説大賞 大賞受賞作!! そ の ピ ラ ミ ッ ド を 目 に し た 者 に は 、死 が ―― ホラー×冒険 エンターテインメント! 聖東大学のエジプト研究室で起きた殺人事件。それは、若手講師・二宮智生が犬のマスクを被り研究室に乱入、教授を鉄パイプで撲殺したのち屋上から投身自殺するという陰惨なものだった。 「黒いピラミッドが見える……あのアンクは呪われているんだ……」 二宮の最後の言葉を耳にした同期の日下美羽は、「呪われたアンク」に導かれるようにエジプトの地へ降り立つ。 持ち主が変わるたび、連鎖するように引き起こされた事件は本当にアンクのせいなのか? アンクが発掘された呪われた遺跡とは? 辿り着いた終着の地で、美羽が目にしたのは――。 文句なしの受賞! ホラー大賞最後の受賞作! 【選評より】 綾辻行人……ビジュアルイメージは迫力満点で、次々に起こる惨劇もめっぽう恐ろしい=楽しい。後段は壮大な冒険小説の趣に転ずるが、専門的な知識・情報を随所に織り込みつつも過剰にはならず、全編をスピーディに読ませてしまう。 貴志祐介……最高点を付けた。読み始めるとすぐに引き込まれた。ピラミッドやミイラ、考古学関係のディテールが圧倒的で、特に後半、舞台をエジプトに移してからは一気読みだった。 宮部みゆき……初めて読むのに懐かしく感じる王道の超古代史ホラーで、黒いピラミッドのイメージの恐ろしさも含め、「そうこなくっちゃ!」と膝を打つところがいっぱいでした。
●福士 俊哉:ふくし・としや 1959年岩手県盛岡市生まれ。多摩芸術学園映画学科卒。映画の脚本家を経て、早稲田大学古代エジプト調査隊に記録班として参加。以降、エジプト考古省の発掘現場を中心に取材を続け、古代エジプトを題材とした多くのテレビ番組、展覧会などの演出を担当する。エジプト渡航は50回以上。初めての小説で第25回日本ホラー小説大賞、大賞を受賞。
レビュー
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クトゥルフものと思わせての意外の着地
H.P.ラブクラフトの『ダゴン』を彷彿とさせる、「窓に!窓に!」な感じの序章と古代エジプトの呪いというテーマにワクワクしながら読み進めたが、あ!そっちか!という意外な着地を見せてくれた(クトゥルフものという捉え方もある意味間違ってはいないが)。自分はこの真相がむしろ良かった。 話の筋自体はシンプル。聖東大学でエジプト考古学の講師を勤める主人公の美羽が、手にしたものが一様に「黒いピラミッドが見える」と錯乱して死を遂げる呪われたアンクの謎を解き、本来あるべきところに戻すべく、エジプトに旅立つ…という感じ。 個人的に、古代エジプト神話というのはいかにも不気味で血生臭いイメージがあり、一見ホラー向きのように思えるが、それ自体が持つインパクト、あるいは大仰さゆえに生半可な知識で扱うとすぐにチープになってしまう、難しいテーマだと思っていた。 しかし本作に関しては、その点古代エジプト神話の重厚感を保ちつつ、上手く料理しきっていると思う。 エジプト古代史やピラミッド、ミイラ、その他諸々に関するうんちくもさることながら、調査の過程が恐ろしくリアルで、古代エジプト研究室内の人間関係も、実際にこんな感じなんじゃないかと思わせるほど説得力に満ちている(どちらも実際のところは知らないけど)。それも著者略歴を見て納得。生半可どころかその道のプロだったようで。 終盤に明かされる真相も、B級映画のトンデモ展開になるところを、歴史のifとしてありえるかもしれない…と思わされてしまう。 知識と経験に裏打ちされた冒険小説としての臨場感と、終盤黒いピラミッドの中に入ってからの驚きの展開が本作の魅力だと思う。 古代エジプトをテーマにしたホラー風味のアドベンチャーを読みたいのであれば、これはまさにストライクど真ん中なのではないか。自分はそういうものを読みたいところだったので、とても楽しめた。
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エジプトをとても楽しめます、お話はいろいろ突っ込みどころあり
予備知識なく読み始めましたがミステリ寄りでも純粋なホラーでもなく、意外なことにオカルト小説でした。高橋克彦著「総門谷」系が近いです。 2018年発表、第25回日本ホラー小説大賞受賞の著者のデビュー作です。それまでにも映画の脚本を書いたりテレビ番組を演出したりと、映像方面で活躍されていたようです。 早稲田の調査隊に記録班として参加し実際エジプトの発掘現場を経験されているので、それが小説に生きています。ここに描かれているエジプト古代史の知識も、現代エジプトの地理も正確です。 北は地中海沿いのアレキサンドリアから南はファイユームまで、そして首都カイロ市内や、バハレイヤやシワの西方砂漠まで鮮やかに描いていてちょっとした観光気分も楽しめます。自分は1時期カイロに住みたいと思ったほどエジプトが好きで何度も行っていますが、どこも行ったところばかりだったのでなつかしかったです。 最初からどんどん人が死ぬのでびっくりします。どの人物も過去のトラウマやコンプレックス、ドロドロの嫉妬心があり精神的に問題を抱えています。ある呪いがそこにつけ込み人を突き動かしていきます。人間を描いたドラマでもあると思います。 ただ、知識面はいいんですがいろいろと突っ込みどころも。 まず違和感があったのは男性像で古い感じがしました。みんなが上から目線というか同僚や女性や部下を当たり前のようにお前呼ばわりし、指図する人ばかりだったり・・。 特に戌井というエジプト在住のコーディネイター、この人はヒロインを助ける役なんですが、エジプト博物館の日本人研究員と初対面で会っていきなり「鳴海ちゃん」なんて呼びますかね。そして鳴海が好意で自分の車でファイユームへ連れて行ってくれるのに、後部座席に1人乗り込みキャップを深くかぶって目を閉じ「鳴海ちゃん、あとよろしく!」ってふんぞり返っているのもどんなものかと思ってしまいました。 アレキサンドリア図書館に行き、老博士が迎えてくれた時も「マーロウ・カンパニーはどんな会社なんだい?」とタメ口で、博士の方には敬語を使わせています。このへんはちょっと感覚がおかしいんじゃないかと。どれだけえらいんでしょうか。 この著者さんはどうもこういう男っぽく豪快で無頼っぽい男性がお好みのようです。マーロウの社長が、エジプト人なのにカウボーイハットにレイバンのサングラス、手にはバドワイザーを持ってだみ声でしゃべるところなどにもそれが表れている気がします。 他にも突っ込みどころがあり、大学職員の自宅が火事になりその夫婦が火に焼かれているのに、ヒロインの美羽と学生の2人は目的のアンクだけ取って逃げます。消防と救急に連絡もせずに?そして自分たちがケガしなかったかとかアンクがきれいだとかいう話しかせず、あまりにひどいのではと思ってしまいました。 戌井と美羽がギザへ行った時、自分たちが関わっていない発掘現場に入っていって許可もなく勝手に出土品を手に取るとか・・常識はずれでこれはありえないです。 などなど、エジプトはすごく楽しめたのですが、あれこれ不自然なことがあり、それを言えば古代エジプトに呼ばれたのがなぜ日本人女性なのか?という突っ込みもできてしまい、ラストもいまひとつ納得がいきませんでした。よって自分には一長一短でした。 エジプト考古学会の長老が出てきましたが、モデルは当然日本でも有名なあの人ですよね、とにんまりしてしまいました。
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ありゃ
ホラー大賞作品ですがはてな❓な展開です エジプト考古学好きならどうぞ
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エジプトの雰囲気ゼロ
ピラミッドの呪い? 私自身がエジプトやミイラについての知識が浅く、せいぜい映画などで得たくらいのレベルのせいか、読んでいても、なんだかピンとこなかった。 ホラーというジャンルで受賞していることもあり、期待度は高かったが、残念ながらまったく恐怖感は感じなかった。でも一番残念だったのは、エジプトのシーンも東京のシーンも、なんだか同じような雰囲気に終始して、情景がまったく浮かばなかったことでした。 結局何の呪いだったんだろう?
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ホラー小説と言うよりハムナプトラ系の冒険もの
50回以上の渡航を経験した著者のエジプト描写はさすが臨場感あふれています。燦燦と輝く太陽と灼熱 の砂漠の熱気が肌に伝わってきますが、この開放感あふれるイメージとホラーがどうしてもマッチしませ ん。日本人が抱いている「ホラー」という概念ー暗い・ゾクゾク・じっとり・閉塞感などーと真逆な設定。 唯一「呪い」という一点のみでは迫力(恐怖力?)不足に感じ、残念です。(★★★) ですが、どちらかと言えばハムナプトラやインディー・ジョーンズシリーズのような遺跡発掘冒険ものの 色が濃いので、ホラー小説大賞作品という先入観にとらわれずに評価すれば、★5つを付けたい。ピラミッ ド建築の謎や古代エジプト神の謎、SF的宇宙への展開などラストの盛り上げ方も壮大なスケールを感じさせ ます。 沸点近くまでヒートアップした気持ちを少しずつクールダウンさせる終章のテクニックも見事です。
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エジプト神話に題材を取ったクトゥルー神話的でもあるホラー。
出所不明の呪いのアンクに依り次々と大学のエジプト考古学関係者が死んで行き、危うい所を免れた女性研究者は独自に調査を開始する。彼女の父もエジプト考古学者で生前に「ピラミッドの建設には人間以外の何かが関わっていた」と云う仮説を纏めようとしていた。 そして女性研究者はピラミッドの真実をその眼にする。 全てが明らかに成る訳ではなく、あくまで真実の一端が判るのみなので、続編にも期待。
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ストーリーとテーマ以外はイマイチ
日本ホラー小説大賞、最後の対象受賞作2作目。 古代エジプトの呪いという、ベタなんだけど今となっては珍しいテーマにド直球に挑んでるのは良い。 考古学関係者ということで、調査や大学模様がリアルなのも◎。 ただ、ちょっと期待しすぎたかな〜感。 ストーリーとテーマ、リアリティ以外の要素はかなり点数低い。 まずキャラが微妙。 語り手がどんどん変わってく形式だけど、ぶっちゃけその意義が感じられない。 無駄にキャラ多いだけかなって…… そして何より文章が酷い。 「〜た」7連発とかが平気である。せっかくリーダービリティの高いストーリーなのに、集中できない。 ※以下、若干ネタバレ※ 伝奇SFオチなのは知ってた(むしろ期待してた)けど、ぶっちゃけ呪いとSFの関連が中途半端。 たとえば半村良なら、呪いのメカニズムと伝奇SFを上手く絡めたんだろうなぁ〜って。 そこを放り投げるならSFネタ入れるべきではないと思うし。 もしかして続編があるのか…? 悪いことばかり書いてしまったけど、本当にテーマとストーリー、それを彩る考古学知識は面白かった。特にエジプト探検が始まった後半は一気読み。 ただ同時受賞の『祭火小夜の憂鬱』と比べると、完成度はだいぶ劣るかなぁと。
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今ひとつ
すらすら読めたが、ストーリーに歩が落ちない点が多く、結末も今一つだった。
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