日本の文学賞

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いでおろーぐ! (電撃文庫)

電撃小説大賞

いでおろーぐ! (電撃文庫)

椎田十三

書籍情報

出版社
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
発売日
2015-03-10
ページ数
312ページ
言語
日本語
サイズ
14.8 x 10.5 x 2 cm
ISBN-13
9784048692700
ISBN-10
4048692704
価格
1 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

全ての恋愛は幻想である!? リア充爆発アンチラブコメ! 「恋愛を放棄せよ! すべての恋愛感情は幻想である! 」 雪の降るクリスマスイブ、カップルだらけの渋谷。街の様子に僻易していた平凡な高校生・高砂は、雑踏に向かってそんなとんでもない演説をする少女に出会った。 「我々、反恋愛主義青年同盟部は、すべての恋愛感情を否定する! 」 彼女の正体は、同じクラスの目立たない少女、領家薫。演説に同調した高砂は「リア充爆発しろ! 」との想いを胸に、彼女が部長を務める"反恋愛主義青年同盟部"の活動に参加する。やがて集まった仲間とともに『バレンタイン粉砕闘争』への工作を着々と進めるのだが――!? 「我々は2月14日、バレンタイン・デーを、粉砕する! 」 そして今、ついにその日を迎える――!!

レビュー

  • 爆笑ものの表現に加え、主人公ペアのキャラの変化の描写が魅力的

    可愛らしい女の子がトラメガなどという無粋なものを持ち、険のある目つきでこちらを責めている。こんな二面性を孕んだカバー絵を眺めて3週間。とうとうその魅力に抗せなくなって読んでみました。 反恋愛主義青年同盟部を作り、恋愛感情の否定を求め、バレンタインデー粉砕闘争を試みるカバー絵の女子、領家薫と、彼女に共鳴して共に活動する高砂の物語では、新左翼運動のパロディーを上手く使いながら、可愛らしい男女二人が「アンチラブ」と「ラブ」の間で揺れ動く点が最も面白いと思います。 母親との確執から反恋愛を訴える領家だけを見ても、「高砂の加勢を受けて一気に反恋愛が先鋭化」「高砂に魅力を感じて恋愛に舵を切る」「高砂に説得され反恋愛に復帰」「夕方に電話を受けると恋愛への未練が発火」「苦し紛れの高砂の反応に切れて怒り心頭」と振れています。一方の高砂は「神」を名のる幼女の脅しもあって、転向だけでなく、革命と反革命を一時に遂行するなど、ひっくり返っている感じすらあります。 この「揺れ動き」に共感しました。人って「キャラ設定」で定義できる静的なものではありません。あーかなこーかなと悩み、矛盾した思いを抱えているものです。この実に人間らしい二人にまいっちゃうのとともに、変わり続けるキャラをきちんと描く作者に脱帽。 そんな「変わる二人」ですが、相手に真っ直ぐ向き合い、無視しない点だけは変えない。この一点を軸にまだまだぐるぐる回り続けるお話なのだと思い、次巻に期待しています。

  • 安価

    安価に購入できて良かったです。内容については好みの問題なので省きます。

  • 面白い!

    3年ぶりにライトノベルを読みました。 面白いしキャラも可愛いのでおすすめします。

  • リア充粉砕を誓う薫のアジ演説が面白い。

    ご存知の通り本書は共産主義活動家のパロディとなっており、固苦しい言葉遣いは全部その辺の由来です。ヘーゲルとかマルクスのあれです。簡単に味わってみたい人は『三島由紀夫VS東大全共闘』とかを読んでみると「あー、こんな感じね」と雰囲気が分かります。文庫なので薄くてすぐ読み捨てやすいです。そういう気持ちで読むと逆に本書はまだまだゆるいのでもっと固くしろという気持ちも鎌首をもたげてきます。 現実にも非モテ革命なんたらみたいな組織があった気がしますが、本書が面白いのはいわゆる"理論武装型童貞"をネタにしているところです。彼氏彼女がいないのを色々言い訳する人ってリアルにも一杯いますよね。その様子をデフォルメして共産主義思想でパッケージするとなるほどこうなるのかという感じであり、むしろ共産主義下ではフリーセックスだから人類リア充化計画の方が正しいのではないかなどとも思いますが、ちょうど『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』と対応させながら読むこともできます。あと、童貞を処女に置き換えたら意外となんとかなった、というところも古典ラノベ的で味わい深いですね。

  • 最後まで読んでみてください

    最初は微妙かなと思いながら読んでたんですが、読み続けて面白かったです、思わず笑ってしまうところもありました。続きが楽しみです。

  • 恋愛妄想粉砕を掲げた革命の物語。完成度は新人の域を超えているがサブキャラがやや弱い点が残念

    イデオローグ【id'ologue】 1 あるイデオロギーの創始者・代表者。また、歴史的、階級的立場を代表する理論的指導者・唱導者 2 抽象的な議論にふける空論家 …何ともキナ臭く、大時代的なタイトルを掲げ、そこはかとなく政治臭を放つ異色の第21回電撃小説大賞「銀賞」受賞作 ちょっとワクワクしながら拝読 物語は主人公の高校生・高砂がクリスマスの渋谷を埋め尽くすカップルを横目に一人家路を急いでいた高砂が信じられない物を 目にする場面から始まる。リア充を呪いながら自らの惨めさに打ちひしがれていた高砂が目撃したのは旧式の客車の上に仁王立ちし トラメガを片手に高砂の通う高校の制服姿で白いヘルメットと口元を覆うタオルで覆面をした女子生徒だった。彼女は叫ぶ 「お前らは間違っている!貴様らが骨の髄まで浸かり切っている恋愛至上主義は儚い幻想に過ぎないのだ!自己批判せよ! 『彼氏・彼女のいない人はかわいそう』という幻想こそが、貴様らの精神に根付く癌なのだ!繁殖なんかするな!産むな、増やすな! 人類は絶滅するべきなのだ!この負の連鎖を、我々の世代で断ち切らなくてはならないッ!」 街を埋め尽くすリア充を相手に堂々たる恋愛否定論をぶち上げた少女は官憲の登場に撤退「繁殖衝動を克服せよ!」と唱える少女の姿が 忘れられないまま登校した高砂が校門前で目にしたのは登校してくるカップルを罵倒する演説を繰り広げる前夜の少女。排除しようと寄ってきた 生徒会を「リア充の手先、大性欲賛会の傀儡」と痛罵し逃走する少女が目くらましに撒いたビラをこっそり拾った高砂は自分が彼女の仲間に 加わりたいと感じていることを自覚する。揺れる思いを抱えたまま誰も来ないはずの屋上で過ごしていた高砂は自分の居場所に侵入し、 あまつさえバドミントンなどに興じ始めた男一人、女二人のグループに向かって叫ぶ「リア充爆発しろ!」と。すっきりした気分で立ち去ろうとした 高砂の前に現れたのは件の少女・領家薫だった。領家は高砂を反恋愛主義青年同盟部の公然アジトに誘い仲間にならないかと持ちかけるが… すっげー!ヒロインが主人公をオルグする展開から始まるラノベなんて見た事ないぞ!序盤でクリスマスの渋谷を舞台に4ページに渡って 展開された大演説の場面で完全に引き込まれたが、ここまで新左翼の活動を徹底的にオマージュした作品が21世紀に入って10年以上経った 今の時代に現れるとは!高校時代に羽田闘争をきっかけとして学生運動に走った押井守あたりがこの手の芸をやるなら分かるが、 新人ラノベ作家がこれをやるとは…恐れ入った!そして大いに笑った、革命劇としての完成度が半端じゃないぞ、これは! 物語は「反恋愛主義」を掲げて恋愛幻想を粉砕し「繁殖衝動」を断ち切らせ、果ては人類という種の滅亡による地球環境の改善に繋げようとする 少女・領家薫と薫のある種狂気染みた姿に惹かれた冴えない少年・高砂の二人が反恋愛主義青年同盟部の仲間を募り、シンパを増やしながら 「二・一四バレンタイン粉砕闘争」に挑むまでが疾走するかの勢いで描かれている その革命劇の裏で暗躍するのが高砂の前に現れる一人の女児の存在である。高砂の身体の自由を簡単に奪うなど人間離れした異能を見せ付け 「人類という種は私が作った。言うなれば私はお前たちが『神』と称する存在に近い」と名乗り、人類を繁栄させしかるのちに自分の望む 地球環境改変へと導くようプログラムし、大性欲賛会を立ち上げ人類を教導しようとする謎の女児が「恋愛信奉者を先導している黒幕、 大性欲賛会を打倒せねばならない」計画を邪魔する存在である領家薫を排除するために高砂に「領家薫を陥とせ、恋をさせて堕落させてしまえ」と 高砂に薫とカップルになれと高砂家に入り浸りながら散々けしかけ続ける展開が並行して描かれる。何故か自らのロリボディに拘り、 これこそ自分が人類男性全てにとって理想となる様プログラムした身体だと熱く主張し「それはバグだ」とロリボディを否定する高砂と掛け合う 会話が実に楽しい しかし何といっても革命少女・領家薫のキャラがずば抜けて良かった。革命の闘士として男勝りの言動と行動力を見せ付けるかと思えば、 高砂との関係をごまかす為に恋人を演じた事に顔を赤らめ、声を震わせて恥ずかしがる極端なギャップが破壊力抜群謎の女児 (面倒くさい書き方だけど、少なくとも本巻では名前が無いのである)が高砂をけしかけて、初詣やバレンタイン前の町の偵察(ほとんどデート)等、 あれやこれやとリア充カップルっぽい行動に出るたびにこのギャップ芸で読者を萌え転がすのだから堪らない。「男勝りの少女がたまに見せる 女の子っぽい姿」が好きな方ならこれだけでご飯三杯は十分いけるかと 要するに本策は「反恋愛主義」を掲げる二人が演じるラブコメという体裁を取っているのだが、この少々時代がかった新左翼運動のオマージュ劇が 陳腐にならないのは作者が徹底してディテールに拘り抜いた結果に他ならない。中途半端なパロディであれば簡単に陳腐化するが、 領家薫の演説口調と、バリケードやゲバ棒、公然アジト・地下アジトといった新左翼運動を知っている方なら思わずニヤリとさせられる 小道具の数々を全編に渡って散りばめた作者の徹底した姿勢にはぐうの音も出なかった 放送室ジャック事件をきっかけに反恋愛主義青年同盟部に加わる仲間たちも個性的ボーイッシュな女子でありながら同姓が大好きで 地下アジトで領家が使っていたベッドに全裸で転がりその匂いを満喫する百合系少女・西堀。テニス部のエースでイケメンであるのに どうしようもないロリコンで同世代の女子が老婆にしか感じられず、「老婆からの好意」に苦しんでいる瀬ヶ崎。他のメンバーより 一学年上の二年生で豊満なバストを持ちながら、幼い頃からの発育の良さが自分をオナペットとして扱う男子を呼び寄せ、同時に女子からの やっかみを買い続けている事に苦しんできた神明さん。新しく加わった仲間の抱えた苦しみを高砂が知ることで少しずつ同盟の結束が 高まっていく場面を描きながら話は「二・一四バレンタイン粉砕闘争」に向かって進んでいく その中で明かされた領家薫の家庭の事情と、薫が女である事や恋愛感情、繁殖衝動を呪い続ける事になった理由などが明かされ、 秘密を共有したことで高砂と薫の仲は少しずつ近づき続ける。そして迎えたバレンタインデーの決戦で崩壊した戦線を抜けアジトに逃げ込み 生徒会の包囲を受ける中でラッピングされたチョコを取り出し、恋する乙女の顔で「私はお前のことが好きだ」と差し出した薫に対し 高砂がブチまけた大演説が素晴らしかった。それまで薫に引っ張られる形でしか革命に参画していなかった高砂が精神的に弱って 革命を諦めかけた薫をもう一度革命の闘士に戻そうと自己批判を要求し再起動させる展開は最高!中途半端に恋愛に逃げる甘いラブコメなんか 絶対に書くまいとする作者の拘りがビシビシ伝わってきて思わず踊りだしそうになるぐらい嬉しくなった まあ、欲を言えば、それぞれに抱えた苦悩を知った事で距離が近づいた反恋愛主義青年同盟部の仲間たちや大性欲賛会の手先・生徒会長の 宮前といったサブキャラの出番が思ったより少なく、掘り下げの不足が感じられたのが玉に瑕。これなら仲間集めは次巻以降に回して この巻は高砂と薫、そして謎の女児を徹底的に掘り下げた方がシンプルで良かったかもしれない それでも本作で見せた主役二人に「反恋愛主義」を貫かせながらラブコメを演じさせる作者の個性と、革命運動を陳腐さが全く感じられないまでに ディテールに拘って描いた技術力の高さは新人の域を完全に抜け出している。こういう頭一つ抜けた個性が出てくるからこそ新人作家漁りは 止められない。「ゴールデンルーキー」などと呼べる新人作家は年に何人も出てこないが、間違いなくその名が相応しいと感じさせる 圧倒的才能の持ち主。今後の作家活動に超期待させてくれる紛れも無い傑作。力いっぱいお勧めさせていただきます

  • キャラクターは面白いが、変にスケールの大きい設定が足を引っ張っている印象が。

    ※シリーズ全巻通してのレビューになります。 私はこのシリーズを読み終えて、「良い点」と「問題点」がかなりはっきりしているように感じられました。「良い点」としては、「キャラクターの面白さ」という点が挙げられるでしょう。今作の主人公達はいわゆる「非リア充」を自称して「リア充」を敵とみなす「反恋愛主義青年同盟部」という集団を組んでいるのですが、なかなか個性的なメンバーが揃っています。主人公の「高砂」は色々と思い込みが激しく、「リア充というのはこんな奴に違いない」と被害妄想気味に想像したりする点がコミカルに描かれていますし、「議長」を務めるヒロイン、「領家薫」は「恋愛というものを否定する」といったことを小難しい言葉を使って人前で演説したりと、暴走気味な言動が目立つ点がこれまたユニーク。メンバーの一人である「瀬ケ崎渉」は「学校中の女子達からの人気者で、幼女しか好きになることができないという性癖を隠している」という風に描かれており、そういったキャラクター達のやり取りは見ていて面白いところがあります。 また、今作をさらに独特なものにしているのは、「同盟部のメンバー達は「非リア充」を自称しておりながら、実はそうでもない」というところでしょう。「メンバーで海や遊園地に出かけ、そこに多くいるリア充達に対して「反恋愛」を推進する演説をしたりビラを撒いたりといった活動を行うものの、最終的には自分達もその場を楽しんでしまう」という展開はまさしく「ミイラ取りがミイラになる」といった感じですし、「二人で一緒にいても不自然に思われないように、高砂と領家が付き合っているふりをする」という展開は「これは本末転倒じゃないか?」を突っ込みたくなります(実際に、作中でそれを指摘されるシーンがあったりします)。個人的には、「反恋愛活動」そのものよりも、「色々と矛盾した言動をとる同盟部のメンバーのおかしさ」の描写の方が印象に残りました。 そして、「問題点」は「スケールの大きい設定を持ち出しておいて、作者がそれを扱いきれていないように感じられる」というところでしょう。今作には、世界を股にかけて恋愛を推進する「大性欲賛会」という「悪の組織」的なリア充集団が話題の中に出てきたり、その集団の代表であり超常的な力を持つ「謎の女児」というキャラクターが登場したりと、スケールの大きい設定が1巻から出てくるのですが、その割には、物語の舞台は学校や近隣の街といった狭いコミュニティがメインで、大性欲賛会についても、6巻までの時点ではどういう組織なのかほとんど明かされず、妙に小ぢんまりとした雰囲気で拍子抜けするところがありました(謎の女児が同盟部の活動を邪魔するという展開はあるのですが、彼女は「そもそも恋愛というものを必要としない神様のような存在」として描かれており、あまり「リア充」的ではなく、組織とは別に個人的に邪魔しているような印象を受けます)。 まあ、6巻までのこういった展開は「この物語の本筋は、大性欲賛会との戦いではなく同盟部のメンバーのやり取りである」と捉えればある程度は納得できます。しかし、さらに問題に感じたのは最終巻となる7巻の展開で、この段階に来てやっと大性欲賛会の「組織」としての活動が読者の目に見える形で本格化し始めるのですが、結局のところ、変にシリアスな雰囲気になってしまったうえに大性欲賛会についてはほとんど掘り下げられることなく話からフェードアウトし、最終的に、「同盟部が学校内での活動という依然としてスケールの小さい活動に成功し、これからも彼らの活動は続いていく。高砂と領家の微妙な関係性もこれからも続いていく」というとても最終巻とは思えない終わり方をしており、何だか「作者が設定を扱い切れなくなって話を投げた」ように見えてしまいました。こうなるんだったら、「大性欲賛会は実は名前ばかりの実体の無い組織だった。明確な敵はいなくなったけれど、恋愛というものはまだこの世に溢れており、それを撲滅しようとする同盟部の活動はまだ続いていく」という結末にした方がまだ良かったのではないでしょうか。 この他にも、同盟部のメンバーの長期的な心情の変化がほとんど描かれなかったり、4巻でいきなりこれまでとは違う雰囲気の話を突っ込んできたりと、巻ごとに行き当たりばったりで物語を展開させているように見える点も気になりました。今作がスケールの大きい「何でもあり」な世界観だったらそれでも良かったのかもしれませんが、個人的にはそこまで行き切れていないような印象を受けたので、それならば、しっかりと長期的な視点を持って着実に話を進めて欲しかったです。 今作を「自称「非リア充」達の矛盾に満ちた言動を見て楽しむ作品」として捉えれば面白いところもあるのですが、変にスケールの大きい設定を中途半端に持ち出してしまったために、話の軸がぶれて収拾が付かなくなってしまったように感じられます。個人的には、スケールに見合った展開をしっかりと用意するか、またはそういった設定を取っ払って同盟部のメンバーの関係性を重点的に描いていった方が良かったように思えます。これから今作を読み始める人もいるかもしれませんが、私のように「どんな世界観を構築していくんだろう」「最終的に話の落としどころをどこに持っていくんだろう」と期待したりせずに、その場その場のコメディ要素を楽しんだ方が良いかもしれません。

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