日本の文学賞

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あらかじめ裏切られた革命

講談社ノンフィクション賞

あらかじめ裏切られた革命

岩上安身

ソ連崩壊後のロシアと旧ソ連圏を、長期の現地取材を通して追ったノンフィクション。モスクワ、グルジア、チェチェンを舞台に、共産主義崩壊後の混乱、民族紛争、権力と市場の変容を描く。

ソビエト連邦崩壊ロシアの民主化民族紛争権力と社会変動

作品情報

ソ連からロシアへ、歴史的な大転換の現場を歩いて記録したルポルタージュ。

1989年から1994年までの取材をもとに、ソ連解体後の社会を多面的に記録した一冊。政治の転換だけでなく、民族間の緊張、経済的混乱、都市と地方で異なる現実をたどり、急速な変化のなかで人びとが直面した困難を映し出す。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1996-06-01
ページ数
655ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062050760
ISBN-10
4062050765
価格
5517 JPY
カテゴリ
本/社会・政治/政治/政治史・比較政治

第18回講談社ノンフィクション賞受賞 ソ連からロシアへ――歴史的大転換の全貌!

1959年東京生まれ、早稲田大学卒。出版社勤務を経てフリーに。「現代」「文藝春秋」「中央公論」「別冊宝島」など各誌にルポルタージュを寄稿。ロシア問題をはじめ、オウム事件から日本政治まで幅広い分野をカバー、抜群の取材力と深い洞察力を兼ね備えたライターとして注目を集める。96年、第18回読談社ノンフィクション賞を本書により受賞。共著に『娼婦とマフィアのペレストロイカ』『ソ連と呼ばれた国に生きて』(いずれも宝島社)がある。

レビュー

  • 今は絶版の本!

    読み応えがあります。ロシアであのとき何があったのか、筆者が実体験で見たこと・聞いたこと・感じたことが細かく描写されています。

  • 5000円程度で購入

    本書はソビエト連邦崩壊後(92年〜96年)のロシアについての出色のルポルタージュである。 何が凄いって情報の密度、臨場感が圧倒的。著者は当時のロシアの生きるか死ぬかの人々に直接触れており、しかもそれすら材料にして章毎にもっと大きなテーマを描いている。 グルジアのガムサフルディア大統領、チェチェンのドゥダーエフ大統領(共に独立初代大統領)にもインタビューを実施しており、両者ともにロシアの政治工作と日和見主義の国際世論(当時のセルビアについても一部言及がある)、マフィアの脅威に晒される様は悲劇的だ。近年のアラブの春での民主化という流れがあったが、既にソ連崩壊の時点で民主主義の中心に据える基準はなんなのか?(民族なのか?地域なのか?etc...)という問題は噴出していたのだなぁと。 ロシア社会について言えば政治家や官僚、軍の汚職、腐敗が進行・・・というと陳腐に聞こえるが、著者の描き出す腐敗したロシア社会の病理は目を覆いたくなるほどで、そこいらのディストピア小説が全然マシに思えてくるほど。この社会では上層部から末端まで腐敗が実質的に容認されており、告発する人間は内部の暴力によって闇に葬られる(軍部だけで年間3万人の変死が!)。こうもシステマティックに社会の腐敗が進めば、個人の勇気や信念、順法精神なんていうものは自分の身を危険に晒す以外の何の意味も持たないだろう。汚職の内容も人道支援から核ミサイルに至るまで大変堂々としており、最早裏でコソコソやるといった日本的な風情は微塵も感じられない… 他にもレーニンは生まれて一度も働いたことがなく(共産主義の父が働いたことがない!)、ロシアの国民を馬鹿にしていたとか、赤軍が開放したアウシュビッツはソ連崩壊まで虐殺者数が水増しされていた(ロシアもユダヤ人虐殺を行っているのに!)等々の小ネタも豊富だ。個人的に気になったのが第13章の「「文明の衝突」の虚実」の章で、極右政党の台頭について書かれた章は現在の日本でも参考になる部分がある。社会の中で常に一定の人間は極右的な政治的信念を持っている、と語るドイツの関係者の言葉は重い。また海外における憧憬型のナショナリストについては英米内で見られる移民二世によるテロの心理的理解の一助になった。 上記以外には権力闘争についての記述が非常に多く、執筆当時から20年も経過してエリツィン⇒プーチン体制となった今では興味が薄れる向きがあるかもしれない。が、その入り組んだ権力の抗争は過去として終わっているからこそ客観的に見れるもの。見ようによっては中々味わい深い?ところがあるかもしれない。

  • ソ連という虚構

    ソ連崩壊前夜、ロシア革命後のこと、著者のレポートは「え?そうだったの?!」と驚きの連続だった。英雄と呼ばれるソ連指導者たちの実態、ソ連というのは国をあげての詐欺だったのか?と思わずにはいられない。この詐欺の犠牲者は国民。なんだかむなしくなる。

  • 骨太の秀作

    ある意味では時代の褪せたルポルタージュとなって出版元は品切れにしたのかも知れないが、本書を抜きにして現在のロシアを語るのは難しい。本書の最大の価値は筆者自身が体験したことしか触れていないことにある。触感と直感がきわめて優れた筆者の真骨頂である。内容は具体的で、そのため多くのテーマが真実に迫っている。あの時の混乱していたロシアで文字通り命をかけた筆者の気迫と思い入れが痛いほどに伝わってくる。骨太のルポルタージュ文学の秀作である。日本にもこのようなジャーナリストがまだ存在することを証明している作品であり、もっと評価されるべき傑作である。

  • 卓越した取材力‼️

    タイムリーな出版だった。今となっては少々古びてしまったが。卓越した取材力を感じた。なんと言っても、読んで非常に面白かった。遠くからではなく、変化する現場で著者自身、興奮する気持ちを抑えて、冷徹に事件を追跡する姿勢が頼もしい。危なっかしいトランプと金正恩の背景を取材して、レポートを是非書いてほしい^_^

  • ロシア現代史

    の教科書にしてもいいくらい。と思います。 専門家から見るとかとよっているのかもしれません、 最近も事件がありましたが、今ロシアで起こっていることの 根底にあるものは何なのかがよく理解できます。 また人間がよく書かれており、不覚にも私XXXが死ぬところで 泣いてしまいました。

  • ソビエトの崩壊とロシアの混迷を読み解く鍵。

    旧ソビエト連邦から、現ロシアに至るまで、マフィアの暗躍がここまでひどく、ゆがんだ姿をさらしている事は衝撃である。病める大国の影響は全世界に及び、混迷を増している今、この本を是非ご一読する事をお勧めします。 マフィアといえば、アメリカのものを思いだし、ただの犯罪ものと思うかも知れませんが、それとは質的にも、意味的にも大きく異なり、一種の排他的特権階級ともいえるそれは、ロシアになっても民主化の進まぬ理由や、欧米や日本の企業進出が遅れている理由にもなっています。またチェチェン問題などは、マスコミが伝えるそれは違う、まさに内部に近いところからのリポートであり、多くが日本では正確に伝えられていない事を知ります。

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