日本の文学賞

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犬婿入り

芥川龍之介賞

犬婿入り

多和田葉子

民話的な「犬婿入り」のモチーフを現代の都市空間に移し、不穏でユーモラスな変身譚として描く小説。日常の足場がずれていく感覚を、軽やかな語りで異界へつなげる。

異類婚姻民話都市変身

作品情報

都市の日常に民話の影が差し込み、奇妙な婚姻譚が始まる。

『犬婿入り』は多和田葉子の芥川賞受賞作。講談社単行本は1993年刊行、講談社文庫版は表題作と「ペルソナ」を収録する。

レビュー要約

  • 荒唐無稽に見える設定を独自の小説空間として成立させる力が評価されている。民話の型を使いながら、現代の都市や身体の違和感を鮮やかに見せる。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1993-02-01
ページ数
153ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062063074
ISBN-10
4062063077
価格
276 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第108回(平成4年度下半期) 芥川賞受賞

レビュー

  • 物語を読むことの楽しさ

    一気読み。生き生き、物語の楽しさを満喫しました。

  • 変な小説

    多和田葉子さんの変な感じの原点ですね。純文学にしてはコメディチックすぎますね。変な感じは村田沙耶香さんに近いかなと思いました。

  • 独創的。でもどこか無理をしていないかな?

    〇 近年話題にされることの多い作者の初期の作品。楽しみに読んだ。表題作は、もちろん寓意があるのだろうが、それは何だろう? テンポは良いし、ストーリーの展開も早いのだけれど、どこか自然でない感じが残る。どこかで読者の意表を突きたい? 長いセンテンスを連ねてこんなこともできるよと誇示したい? 「ここだ!」と指さして言えないのだが、どこか無理をしているのではないかな? そんな思いが付きまとった。もちろん、気が利いていて上手いとは思います。 〇「ペルソナ」になると、タイトルからも、内容からも、作品に込めたであろう寓意は読み取りやすい。しかしその分だけ新鮮さに欠ける。いつかどこかで読んだことがありそうな気がしてくる。こうなると、小説は難しい。

  • 面白すぎて電車の中では読めません

    「地球にちりばめられて」という本を人から薦められて読んでみて、この作家は只者ではないとわかった。片っ端からこの作家の作品を調べて購入した。「献灯使」もかなり衝撃的な傑作であったが、この「犬婿入り」の面白さは今まで味わったことのないものだった。民話の世界を新しい感覚で取り入れた作品ということになるのだろうが、女性の作家ということもあって際どい描写も含んでいるのに全くいやらしさがない。真面目な顔をして面白いことを言うという芸人の王道のようなものが書籍で成功している。そしてただ面白いというだけで終わらない心に沁みる何かがある。いったいこれは何だろう。しかし笑いを抑えることが難しいので電車の中などでは読めません。

  • 大人むき"いやいやえん"

    併録の「ペルソナ」をまず読んだ。 "会話"と"言葉"がビミョウなずれを見せ始めるような?不穏な空気を味わう。 終盤に主人公・道子が採る突飛なリアクションが逆に順当であると思えてくる。 90年代NHKの若者番組『土曜倶楽部』の1コーナーで漫画家・夏目房之介が披露した 《正義の味方は何故、仮面を被るのか?》 と、いう考察がアタマに浮かんだ。 芥川賞受賞作でもある表題作は、 大人向けの"いやいやえん"? 子供たちの心と欲望を掴む"キタナラ塾"の破天荒さ。 そこの北村みつこ先生の元に押しかけた、入り婿(⁈)太郎さんは、成獣となった"やまのこぐ"ちゃんかも?

  • すごい創造力に乾杯!

    直木賞を受賞した本ですが、内容を読んで著者の創造力が如何に凄いかを知ることになりました。 物語の展開がなんとも凡人の想像を超えてました。

  • 文体が気になって…

    『ペルソナ』と『犬婿入り』の2編からなる。 『ペルソナ』は、ドイツで暮らす様々な国出身の人びとの話。インターナショナルな内容だが、明るさや華やかさは無く、偏見と誤解に満ちた不安な世の中を感じさせる。 『犬婿入り』は、民話のような不思議な内容。読点で連結された長い文で書かれており、そのスタイルが気になって、内容が頭に入ってこない。

  • 最高

    「犬婿入り」(多和田葉子)[Kindle版]を読んだ。足がすくむほどの深淵を覗き込んでいるような、あるいは崩壊しそうな何かをかろうじて繋ぎとめていたものが限界を越えようとするまさにその一瞬前だとか、日常に潜む不条理な真空状態とか、そういった、多和田作品の緊迫感が好きなのである。

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