日本の文学賞

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戦国鬼譚惨

吉川英治文学新人賞

戦国鬼譚惨

伊東潤

『戦国鬼譚 惨』は伊東 潤による作品で、2011-1 の受賞・候補記録に残る一冊です。書籍として刊行されたレコードを確認でき、作品単位の書誌情報として扱えます。

文学賞受賞作人間関係物語

作品情報

伊東 潤の『戦国鬼譚 惨』は、受賞記録に残る作品として作品単位で整理した。

『戦国鬼譚 惨』について、NDL Search の書籍レコードで ISBN とページ数を確認した。採用した識別子は単行本・文庫など書籍形態のレコードに限定し、雑誌号や記事、音源などの識別子は使用していない。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2010-05-01
ページ数
260ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062162470
ISBN-10
4062162474
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

だまし合いには勝たねばならぬ! 生き抜くため、守るため、心に巣くう鬼は殺し、裏の顔は見せるまい。 衝撃作『戦国奇譚 首』の作者が、信玄以後の甲信の武将たちの進退を描く。 “その時”決断した武将たち 木曾義昌……義昌は、なぜ武田家を裏切ったか?「木曾谷の証人」 下條頼安……武田家は、なぜ呆気なく敗れ、敵の侵入を許したか?「要らぬ駒」 武田逍遥軒信綱……信玄と信繁の弟・信廉(信綱)は、なぜ自ら武名を傷つけたか?「画龍点睛」 仁科盛信……高遠城に拠らず、城外に討って出た盛信の真意は?「温もりいまだ冷めやらず」 穴山梅雪信君……本能寺の変後、家康は本国に逃げおおせたのに、なぜ梅雪は討たれたか?「表裏者」

レビュー

  • 心震える物語

    武田が瓦解を始め、離反する者 残って戦う者 騙し討ちをする者 討たれる者 描写に容赦は無い。でも登場人物達の輝きに心揺さぶられる。全5作になるがどれも題名にセンスがあり内容を際立たせる。伊東先生の本を更に続けて購入。武将は好きだが、先生の本で更に沼に入り込んでしまった。

  • 後ろのお話になるほど伝奇色がどんどん色濃く

    最初に離反した木曽一族に始まり、武田逍遥軒、穴山梅雪ら、まともに戦わないままに自壊した武田家の脇役たちに焦点を当てた「裏切り」テーマの短編集全五編収録。 もっとも、所領と領民を守るための木曽一族の苦渋の決断を描いた一話がダントツに読み応えがあり、他の四編はミステリ調の陰謀論で少々がっかり。展開が昔の時代劇みたいなんだもの。だいたい後ろのお話になるほど伝奇色がどんどん色濃くなっていくのであります。そんな中、衆道の恋人(!)が裏切ったかと思ったらひと捻りしてあった四話にはすっかりひっかかりました。また最終話は二転三転するプロットが巧みで、70ページ余り(原稿用紙百枚弱?)の短編とはとても思えない密度。 なお、同じ作者の『武田家滅亡』は武田勝頼を引き立てようとしていたものの、本書では滅ぶべくして滅んだ暗君でした。

  • 残念

    言葉の誤用があります。 「衰運に棹差すことは叶わなかった」(51頁) 「棹差す」は、抵抗するの意味ではなく、むしろ勢いを増すという意味です。 舟の川下りにさらに棹を使うことによって速度を増すことだからです。 「将棋でも打ちながら」(70頁) 将棋は「指す」もので、囲碁が「打つ」ものです。

  • かなり「惨」

    タイトルが戦国鬼譚 惨 というだけあって内容はかなり悲惨な内容。裏切り、だまし討ちが当たり前と言われる戦国時代だが、この作品で描かれる武田家滅亡時は特に酷い印象がある。 生き残るために裏切ることはさして珍しくはないが、そうしてまで家の存続を図っても、結局滅亡してしまった家が多いのが、その印象に拍車をかけている。基本的に裏切られ滅亡していく人々の話は読んでいて辛くなるのであまり好きではないのだが、この本に関しては、著者の伊東さんの人物の心理描写の妙と文章の迫力で、嫌悪感よりも人の業の凄みに圧倒され、一気に読み切ってしまう面白さがある。 普通であれば、史実を知らないで読む方が良いとは思うけど、この作品に関しては、ある程度史実を知った上で読んだ方が、よりこの作品の凄さが判るかも知れません。 読み応えのある短編連作集です。

  • 武田家

    まずは元日から届けてくださり本当にありがとうございます🙇‍♂BSの番組で武田信虎の事をしててこの本の紹介もあったので気になって調べてみたら穴山梅雪の事だったので良かったです👏

  • 戦国時代の生き方の難しさがわかった作品でした

    武田家滅亡まじかの短編集でしたが少しずつつながっていて 面白かったです。 忠義か生き残るかの選択の難しさがよく書かれててよかったです

  • 日曜読書

    時を忘れ1日で読んでしまいました。 面白く読者を魅了する作品集、と賛を呈します。 巻頭の作品、木曽氏なる国人、全く存じ上げない氏族でしたが、 様々なドラマがあったこと、地道な史実の蒐集、 あるいは作家の創作、交錯しての興趣が貴重でした。 下條氏についても同様、 権謀術数の中で腐食、腐敗していく人間の繊細ともいえるあざとさと、 苦労知らずの子孫の脆さ、愚昧、その対比が鮮やかでした。 信玄の父、信虎の奇々怪々、 醜悪、おぞましいほどの権勢への貪婪さと傲岸さ、 これも素晴らしい描写でした。 ただ最後の2編は構想に奇をてらい過ぎた、 そんな不自然さをぬぐいきれませんでしたが。

  • 世の無常観に満ちた短編集

    信長の甲州征伐における武田国境の武将、国人たちの短編集です。 1.木曽義昌:木曽口、木曽谷領主 2.下條一族:平谷口、吉岡城主 3.武田逍遥軒:下伊那口、大嶋城主 4.仁科五郎盛信:上伊那口、高遠城主 5.穴山信君:駿河口、江尻城主 忠義か保身かで揺れ動く心。 渦巻く疑心暗鬼。 覚悟と諦め。 大国に挟まれた国人衆の悲哀と、精強を誇った武田の内部崩壊。 崩れゆく武田を見切り、織田方について安堵したと思ったら、数か月後にはその織田も瓦解。 あっちにつき、またこっちにつく慌しさの中で、いくつもの命が失われていく。 彼らがたどった人生の流転は筆舌に尽くしがたい。

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