告白 あるPKO隊員の死・23年目の真実
国連平和維持活動に参加した自衛隊員の死を、長い時間を経て追ったノンフィクション。家族、同僚、組織の証言をたどり、見過ごされてきた事実に迫る。
作品情報
ひとりの隊員の死から、語られなかった時間を掘り起こす。
講談社から刊行された調査ノンフィクション。取材を重ね、公式記録だけでは見えない死の背景を明らかにしようとする。
レビュー要約
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受賞作としての着想や題材の明確さが評価されている。流通情報が限られる作品では、選評や書誌情報を中心に確認できる。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2018-01-18
- ページ数
- 392ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.2 x 2.6 x 19.3 cm
- ISBN-13
- 9784062205191
- ISBN-10
- 406220519X
- 価格
- 1920 JPY
- カテゴリ
- 本/社会・政治/政治/国際政治情勢
「息子がどのような最期を遂げたのか、教えてくれる人はいませんでした」――日本が初めて本格的に参加したPKO(国連平和維持活動)の地・カンボジアで一人の隊員が亡くなった。だが、その死の真相は23年間封印され、遺族にも知らされていなかった。文化庁芸術祭賞優秀賞など数々の賞を受賞したNHKスペシャル待望の書籍化。隊員たちの日記と、50時間ものビデオ映像が明らかにした「国連平和維持活動の真実」。 第40回講談社ノンフィクション賞を選考委員の圧倒的な支持により受賞! 「息子がどのような最期を遂げたのか、教えてくれる人はいませんでした」――日本が初めて本格的に参加したPKO(国連平和維持活動)の地・カンボジアで一人の隊員が亡くなった。だが、その死の真相は23年間封印され、遺族にも知らされていなかった。文化庁芸術祭賞優秀賞など数々の賞を受賞したNHKスペシャル待望の書籍化。隊員たちの日記と、50時間ものビデオ映像が明らかにした「国連平和維持活動の真実」。
1979年3月生まれ。神奈川県出身。2002年NHK入局。ディレクターとして福岡局、報道局社会番組部、大型企画開発センターを経て、2015年から大阪局報道部所属。主な作品に、NHKスペシャル「サミュエル・エトー アフリカを背負う男」、「宇宙の渚 46億年の旅人 流星」、「調査報告 日本のインフラが危ない」、「巨龍中国 大気汚染 超大国の苦闘」など
レビュー
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海外派遣とは
海外派遣の現実。必読書。 これは日本人が忘れてはいけない事件の話。
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「大臣、われわれがあと何人死んだら、日本政府は帰国させるのでしょうか」(第7章)
このカンボジアPKOの文民警察官殺害事件の報道は記憶に引っかかっていた。 事件以前からカンボジアの状況はかなり報道されていたし、その「紛争地帯」に一般の警察官を「非武装で」送り込む計画自体を疑問に思っていたからだ。当時でさえ少しでも国際紛争関係に興味のある人間なら、内戦状態の続いていた地域にAK(もしくはそのライセンス生産品)やRPGが行き渡っているのは常識だったし、一般警察装備の防弾チョッキや車両にアサルトライフル弾を止める能力がないことはミリオタならずとも知っていた。 正規軍ではない各派の武装の大半は非合法ルートで調達されたものであり、それだけ太い非合法ルートがあるということはそこからさらに闇に流出する誰にも把握できない武器弾薬が存在するということだ。軍備というものが絶えざる武器弾薬の補給・リファインを必要とする以上、特にポルポト派が武装解除に応じない宣言をして以降は計画スタート時点の想定を超える大量の武器がカンボジアに流れ込んだことは確実に思えた。 「これは高い確率で死者が出る」 そう確信していたところでの高田警部補(当時)の殺害だったから推移を注目していたが、その後続報らしい続報もなく、政府は「停戦合意が破られたとは認められないので撤退は考えない」というコメントを繰り返し、報道は事件後1月も経過しないうちに下火になった記憶がある。 あれはどういうことだったのか・・・・その疑問に事件後20年以上たって初めて答えてくれたのがこの本だった。 PKO協力法成立と常任理事国入りを見据えた「バスに乗り遅れるな」という焦りが主導した計画、指揮を取るUNTAC(国連)と日本政府の方針の相違、現場と後方の絶望的な状況認識のズレ・・・・・。 決して高田氏の犠牲を軽視するつもりはないが、一読しての偽らざる感想は「よく犠牲者一人ですんだものだな」に尽きる。 「認識が甘い」「平和ぼけだ」「官僚主義の弊害だ」 言うのは簡単だ。だが大事なのはなぜこうなったかを検証し、2度とこんなことを起こさないためにはどうするか対策を準備することだろう。だが公的にもそうでないものも、それらしきものは現在までほとんど行われず、生き残った文民警察官たちも口を閉ざし未来に希望を託して各々が個人的に記録を残すしかなかったという。 特に衝撃的だったのは、事件後さらに状況が悪化してついに飲み水や食料さえ底をつき、一時国境を越えてタイに脱出せざるを得なくなったフォンクー班にUNTAC首脳部が投げつけた「日本人は逃亡兵だ」という非難だ。現地の詳細な情報も収集せず当事者の事情聴取も行わずに司令部がこれを言うということは、「玉砕しろ」と言うことに等しい。 レビューの本旨から外れるので多くは書かないが、大戦中のアッツ島玉砕からキスカの奇跡の撤退に至るアリューシャン撤退作戦の推移とその後の「玉砕」多発の経緯をご存知の方なら、この本に書かれたできごととの不気味なほどの酷似に肌に粟が生じるだろう。そして日本政府は状況検証もUNTACへの厳重な抗議も行わず、ただ生還者を「隔離」して彼らに責任を押しつけた・・・。 先の南スーダンPKO、憲法改正論議・・・今なおPKOを巡る議論は「自衛隊海外派遣」の是非に集中している感がある。 中には「自衛隊を派遣せずに、憲法抵触のおそれのない非武装の文民警察官を派遣すればいいのだ」という論者も散見する。 本当にそれでいいのか?「検証」も行わず、それに基づく遺族への説明も行わない国に、資格はあるのだろうか? なお余談だが、我が国の「PKO参加五原則」に存在して国連の「PKO基本3原則」にない原則が2つある。 そのうちのひとつが、「原則が満たされない場合の撤収」だ。 つまり国連の基本姿勢に「PKO参加国の撤収権」は存在しないのだ。 そのことを念頭に置き、できるだけ多くの方に読んでもらいたいと願います。
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異国の地で散った日本人
UNTACなんて教科書でしか知りませんでしたが、こんな事があったんですね。 歴史の一部、その瞬間を切り取った本です。
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忘れてはいけないPKO隊員の殉職
カンボジアPKOに参加したある警察官の死をNHK得意の徹底的な取材によって掘り下げたノンフィクション。 現場の模様から国際政治の背景まで、深く掘り下げていて面白いが、話が全体的に長い。
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真実がなにかがわかる本
日本初めてのPKOにおいて何があったのかが語られている。おそらくすべて真実だろう。国内において反対の声があった自衛隊の派遣が自衛隊の厚遇、特別安全な地方への配備につながり、通常待遇であった文民警察官が危険地域に配備された。UNTAC自体は意味あるものであったことは現在のカンボジアが証明しているが、当時の日本の対応は野党も含めて検証されるべきであろう。 タケオにはいまなお、自衛隊駐屯の残骸というべきものが放置されているが、当時の活動の証拠・記念として保存することも必要かと思われる。
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必ず読むべき
全国から急きょ集められ、カンボジアに派遣された普通の日本の警察官は、余りにも理不尽で過酷、危険な環境に置かれていたが、政府やマスコミ、国民の関心は万全の安全対策が図られた自衛隊にしか払われていなかった。 日本の文民警察官は、内戦が拡大した場合に、自分達への政府や国連の救助や支援が絶望的であることを確信して、現地で協力者を作って情報収集を行い、一部の隊員は武器を調達し、また、独自にポルポト派幹部に接近工作を行って安全を何とか確保する策を講じながら、現地住民の人命救助や警察官の育成など、PKOに初めて参加する日本の威信を示そうと踏ん張っていた。 そのような中で起きた、高田警部補殺害に対して、日本国民は何を感じ、何をしていくのか。 それぞれの警察官が詳細な記録を残し、それを保管していたこと、しかも、その記録を23年間誰も公にしなかったこと(誰もが語りたがらなかったこと)が、この出来事が持つ重い意味を物語っている。 歴史認識、歴史の検証と言われるが、一人一人の警察官が自らしたため、温めていた記録によって明きらかとなる高田警部補殉職の背景は、歴史認識や検証が、記録なくしてなりたたないことを教えてくれた。 全国民必読の書だと思う。
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泣いた。
歴史の中で埋もれていた事実。様々な思惑が渦巻く中で、ひたすら任務遂行に命をかけた隊員に頭が下がる思い。ただ、25年近く経っても、あまり変わっていない現在の状況にやるせない気持ちも。
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とても重要な文献です。
こういう事実があったという事を、きちんと受け止めなければならないと思います。 とにかく読むべき一冊として老若男女問わずお勧めしたいと思います。