リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ
マレーシアから帰国した中学生の沙弥が、日本の学校生活に戸惑いながら、図書室の先輩に誘われて短歌と出会う物語。マレーシア語を混ぜた言葉遊びや短歌を通して、帰国子女としての違和感が自分の表現へ変わっていく。
作品情報
帰国子女として浮かないよう息をひそめていた沙弥が、短歌の吟行で自分の言葉を見つけていく。
2017年講談社児童文学新人賞受賞作。中二の九月にマレーシアから帰国した沙弥は、給食や教室の空気に違和感を覚えながらも「帰国子女ぶっている」と見られないよう振る舞う。図書室の督促女王に誘われた吟行をきっかけに、短歌とマレーシア語が結びつき、周囲に合わせるだけではない自分の居場所を探し始める。
レビュー要約
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読者からは、異文化の記憶と学校生活の緊張を軽やかに描く点が親しまれている。短歌や多言語の響きが物語の推進力になり、児童文学として読みやすい一方で、主人公の孤独もきちんと残る。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2018-06-07
- ページ数
- 194ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.6 x 1.7 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784062210805
- ISBN-10
- 4062210800
- 価格
- 1320 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物
2019年度中学入試最多出題作!栄光学園、海城、鎌倉女学院、成城、淑徳与野、桐朋、白陵、緑が丘女子、山脇学園、早稲田実業・・・・・・。中二の九月に、マレーシアからの帰国子女になった沙弥は、日本の中学に順応しようと四苦八苦。ある日、沙弥は延滞本の督促をしてまわる三年の「督促女王」に呼び出されて「今からギンコウついてきて」と言われ、まさか銀行強盗?と沙弥は驚くがそれは短歌の吟行のことだった。短歌など詠んだことのない沙弥は戸惑う。しかし、でたらめにマレーシア語を織り交ぜた短歌を詠んでみると……。2017年講談社児童文学新人賞受賞作! ごはんからココナッツのにおいがしない。 「さーや、何やってるの」 わたしが給食のクリーム色の器に鼻を近づけてひくつかせていると、朋香ちゃんは新種の生きものを見つけたみたいに、好奇心と不安の混ざった声できいてきた。 「え、何でもないよ! コシヒカリかなーとか思って」 新種の生きものなんかになりたくないわたしは、あわてて器から顔を離した。 やばいやばい。 わたしは周りの給食班をキョロキョロと見まわした。 「マレーシアではココナッツミルクで炊いたごはんがあってね」なんて話し始めたら……。 きっと「帰国子女ぶってる」とか、周りにコソコソ言われちゃうんだろうから。 帰国子女として転入してきて二週間。まだまだ気が抜けない。 ──本文より 目次 1(サトゥ) 督促女王 2(ドゥア) 初めての歌 3(ティガ) わたしは変わってしまったの? 4(ンパッ) 赤い下着 5(リマ) タンカードNo.1 6(ンナム) トナカイからのプレゼント 7(トゥジュ) 時計と寿司は回り続ける
一九八五年生まれ。三十二歳。東京都中野区在住。 清泉女子大学文学部日本語日本文学科卒業。公共図書館にて司書として勤務した後、私立中高一貫校に司書として勤務。2017年『 リマ・トュジュ・リマ・トュジュ・トュジュ』で講談社児童文学新人賞授賞。
レビュー
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読書感想文用に
小6の子供用に購入しました。ウチの子は、読書はあまり好きではないのですが、読み始めたら内容が面白かったようで、全部読み切りました。主人公は中学生ですが、小学生にも読みやすく、自分らしくいる事の大切さが描かれていて、読ませて良かったと思いました。
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小学生の子どもとも読みたい本
最高でした❗今の学校図書室に必要な本ですね❤️親子でじんわりしながら、笑いながら、ドキドキしながら読みました。
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続編があるといいですね。
「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」読了。ジュニア小説です。2019年の中学入試出題に最も引用された小説だそうです。「リマ・トゥジュ・・・」はマレーシア語で「五七五七七」の意味で、短歌を意味します。マレーシアから帰国して中学2年に編入されたまや。帰国子女であることで変な目で見られないか気にする毎日。突然先輩の斉藤さんに「吟行」(散歩しながら和歌を作る)に連れだされます。マレーシア語を交えた短歌を作り、感心される。それから週一回の吟行が始まり・・・。これが作者の一作目ですが、二作目にも感じられる爽やかさが印象的です。この本で吟行を初めて知りました。続編があれば読みたいです。
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続きが気になります!
表紙が素敵で購入したのですが、マレーシアと短歌との組合せが新鮮で、すらすら読ませていただきました!! 主人公と先輩、藤枝君の関係が今後どうなっていくのか気になります! 続編を期待してます(^^)
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五七五七七で新たな一歩を踏み出す
第58回講談社児童文学新人賞受賞作品。主人公花岡紗弥は、小学6年生から中学2年生1学期までの2年半をマレーシアで過ごし、帰国したばかりの帰国子女。いじめを恐れ目立たないように気を付けている紗弥の前に、「督促女王」と変わり者扱いされている3年生の図書委員佐藤莉々子が現れる。そして本を返却しに行った図書室で強引にギンコウ(銀行ではなく吟行)に誘われ、苦し紛れにマレー語交じりの短歌をひねりだすと不思議と心が解放された気分になるのだった。佐藤先輩とのギンコウをきっかけに、紗弥は佐藤先輩だけでなく家族や友だちの思いに触れ、自分を取り戻していく。短歌を扱っているということもあるが、簡潔で清冽な文体が瑞々しい 。
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技巧的な構成に疑問を覚えた
創作なのだから作り込まれているのは当然のこと。しかしながら、やや基本構成においてマレーシアからの帰国子女が主人公という設定と、短歌とマレーシア語を組み合わせるという技巧的な部分が目立ちすぎる気がする。本作が私立中学国語入試の素材文の第1位と言われているが、そのこと自体が各私立中が素材文探しに苦慮しているというか、優れた児童文学の近作がないことの証左かもしれないと思う。構成の妙はあるものの、小学生に読んでもらう中学校生活を描いた作品として最適なものか否かは別問題であろう。私立中は、安易な作品選びを避けるべきだと強く思う。
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主人公のキャラが残念
短歌テーマの本は少ないので、興味深く読んだ。メッセージ性も強い。 よくある恋愛の結末にならず爽やかにまとまるところも新鮮で面白いと思った。 しかし、主人公が周囲から浮きたくないと言いながら、それを隠す素振りがわざとらしく行動に一貫性がないように見える。 日本で育ち、2年海外にいただけで「帰国子女ぶってると言われるかも」「お嬢さんだと勘違いされるかも」と自分を押し殺しているが、実際に酷いことを言われたわけでもなく、すべてネットから拾って来た知識根拠。 結局のところ帰国子女に一番拘りを持っているのはこの主人公なのでは。成長を描くためにわざと書いているなら良いが、特にその点には触れられず。 短歌もはじめから一貫して必ずマレー語をいれてくるのも短歌としては面白いが、隠そうとしていた人がとる行動としては疑問。もう少し葛藤するのではないか。 こちらはデビュー作なので、同作者の新作群の方をお勧めしたい。 「ポーチとノート」など 気まずいところに切り込んでいく(だからこそ好き嫌い別れる作品だと思うが)意欲作もある。
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職人技
細部までひじょーによく組み合わさっているレゴ作品を見たような気分。ここまで作り込まないとつたわらないのかな、共感世界のうっとうしさ…。それだけ、今の小学生の読書力が落ちている、ということなのかもしれませんが。もう少しリアルにこだわって、マンガ的ないくつかのエピソード、過剰敬語とか母親の浮気疑惑とか先輩と同輩の恋愛破綻事件を削って、それでも作品として成り立つかどうか勝負してほしいかも。 この本に つかった時間はなんだろう ジャランジャランというしかなくて