作品情報
愛していると言い続けることが、死者に届かなくても物語を動かす。
死別の痛みを、勢いのある文体と自己言及的な構成で描き、愛の言葉がどこまで現実に抗えるかを問う。
レビュー要約
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構成の巧みさと読後に残る感情の強さが評価されている。一方で、題材の重さや人物の選択に強い負荷を感じる読者もいる。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2008-06-13
- ページ数
- 194ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-13
- 9784062760812
- ISBN-10
- 4062760819
- 価格
- 660 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。2009大学読書人大賞受賞。(講談社文庫) Love Love Love You I Love You 愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。 2009大学読書人大賞受賞
レビュー
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全体構造、時間軸
多分、頭の中に渦が巻き、煙が出てくるのが楽しい本です。(初読は10年ほど前?でそんな感じでした) 素敵な展開がいくつもありますが、 好きな大きなの点は、 この本が、メタ構造と【同時に二重ループ構造をとっている】こと。 既読の方はわかってらっしゃることだと思いますが…。 以下はネタバレですが、 ●一通目の手紙●百年後の約束 どちらも果たされず、 絡みあって秘密になってしまう。ループ①。どちらかが果たされても、片方は未完になるから。 読み進めていくと、 その一大事が、 入院中の突然の外出、百通の手紙を書いた日のこと。 主人公は、柿緒がいなくなった後の誕生日に秘密の意味を理解し、あの日突然「秘密を作る」と外出した柿緒を想像し続ける。 そして、日常が続く中、死んだ(過去の人の)柿緒をこのまま愛するという自称馬鹿を選ぶ。 それらを、"祈り"だと展開し、その祈りは本来的な用途(未来へ向かう性質)ではない、【過去への祈り】だと懐述している。本の冒頭部分で。ループ②。 これらのループ構造により、 前置きとして、過去に向かうものは後悔などとしながらも、未来的性質のはずの祈りが過去に向かい作品中では成立される。それが愛なのか、柿緒の作った呪いなのかは外からは判らないけども笑 主人公がそれを悦んで受け入れているから、読後感も多幸感に満ちている。 時系列・事象などに少し違和があるけれど、 この本の素敵なところは、 構造が巧みで素晴らしいところにもあると感じます。
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他のも読んでみたい
著者の本を初めて読んだけど、独特な語り口がある意味真を突いていて、好きです。 夢の世界にいるみたいに、情景と心情がふわ〜っと入ってくる。 あ、そうそう、こんな感じ、と思う。 現実はこんな感じで、まったく切り分けられずに続いていくし、捉え方も、ある部分はあいまい。 鋭いなあ、と思いながら読んでます。
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よい!
とにかくよい!
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叶わぬ恋や失恋した人も共感できるかもしれない
どれだけ読み進めるのが辛いのだろう…とレビューを見ながらも、怖いもの見たさに購入しました。 たしかにぶっ飛んだ小説でした。 私は最近失恋をして大きな喪失感を感じていましたが、この小説を読み、大切な存在がいなくなってもなお人生は続いていくものだ、愛はお返しがなくても愛なのだ、恋愛は2人でするものであるが独りよがりな愛もまた愛なのだという共感を得ました。 死について書いてありますが、大切な存在を失ったという点で、前に進むきっかけをくれたように感じ、心にそよ風が吹いています。 常人には到底思いつかない表現や話の展開が多く、短編がいくつも合わさっているので、世界についていくのが大変でしたが、得られたことはシンプルに私の胸に刺さっています。 また愛とは?と迷ったらこの本に戻ってくるかもしれません。
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題名らしさはある作品
とても観念的なので、もっと詩的さが必要だった。 夢やファンタジーを辛い現実と併記して語るのは反則では。
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人を思いっきり好きになるっていいよなぁって思います
百物語など最近の作品を読んで、昔のものを読みたくなって改めて読み返しました。 "愛は祈りだ"と、喪失の悲しみを振り切るように、愛というものの美しさが書かれており、若さを感じる一方、それぞれのキャラクターの真っすぐさに心打たれました。
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ナンセンスな祈りの愛の言葉と、正しく儀礼的な「メタ化」する言葉と
この小説の冒頭数ページの、ローマ教皇の演説のような、印象的なステイトメント。 言葉というものは全てを造り、まさしく神なんであるそうだ。 しかし、神にも良い神と悪い神がいるように、 言葉にも人を輝かせる愛・祈りの言葉と、人を疎外・「メタ化」する言葉がある。 人を疎外する言葉というのは、現実的な言葉であるが、「リアル」な言葉ではない。 その言葉は、必ず何らかの欠損を生んでいる。智恵子の切り離された腕や脚のように。 対して、祈りの言葉はナンセンスだ。 だからこそ人のこころはそれに希望や奇跡を見出し、愛し、求める。 そのようなことを、可憐なヒロインの柿緒はよく理解していた。 何が書いてあったのか結局分からない手紙の一通目、目的不明な11月の外出。 ナンセンスな欠損を敢えて作っておくことで、その空白の中で柿緒はいつまでも生き続ける。 この物語の中では、愛が陳腐で直情的でその場限りな言葉で叫ばれ続ける。 陳腐な言葉は無意味でナンセンスで余白だらけだ。 そして、その余白に愛は宿るのだと思う。 私は普段、殆ど小説なんて読まないし、小説界の出来事やニュースにも疎い。 マイジョーという名前すら知らなかった。 そんな私がこの小説を知ったのは、ある女性から薦められたからだった。 その人は私の久方ぶりの片恋の相手だ。多分、10年ぶりくらい。 私では全く釣り合いの取れない人。 一緒にそばにいることだけでも、普通なら現実的に思えない人。 そのナンセンスは、恋をよりリアルなものへ感じさせた。 あなたに出会ってからは、この感情のせいで、何も手が付かなくなった。充実の空白。 この恋は破れる。 でも気持ちを受け止めてくれるだけでも、本当に嬉しかった。 素敵な恋を、どうもありがとう。 あなたにきっと、幸せな未来がありますように。 好き好き大好き!超愛してる!
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愛は祈り。2009大学読書人大賞 受賞作品
読む人を選ぶ作家さんだと思う。 何回も芥川賞候補に入っているけど、芥川賞も取れないのも、なんか納得というか。 文学とはなんぞやという定義は人によって違うのだろうが、私にとっては、これは文学です。 愛というのは突き詰めれば一方通行。 できることは祈りしかない。 独特の文体とぶっ飛んだストーリーで、愛を感じたい人は、ぜひ一読を!
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