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自殺者の森 Suicide Forest (講談社BOX)

講談社BOX新人賞

自殺者の森 Suicide Forest (講談社BOX)

円山まどか

自殺した者が木となって苦しむ森を管理する少女が、自殺を選ぼうとする人々へ夢で警告する連作的な物語。複数の人物の糸が絡み、自殺と救済をめぐる寓話へ広がる。

自殺寓話連作救済

作品情報

森に閉じ込められた死者たちの声が、生きている人々の明日へ届いていく。

第8回講談社BOX新人賞Powers受賞作として講談社BOXから刊行。出版社公式で ISBN、判型、ページ数を確認した。

レビュー要約

  • 重い主題を幻想的な設定に置き換え、人物同士のつながりを連続させて読ませる構成が特徴。題材の暗さと物語性の強さが並び立つ作品として受け止められている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2011-06-02
ページ数
244ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062837750
ISBN-10
4062837757
価格
614 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

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レビュー

  • 平坦

    タイトルや紹介文、そして表紙絵の雰囲気などは興味を惹かれるものになっていますが、それに対して内容は薄いというか平坦で起伏がありません。 驚きとか暗くなる悲しくなるだとか、読み手の感情を煽る展開がそれほどないんです。 私はこの味気無さは丁度いいのか、いろいろと描写が足りないのか、人によって感想は変わるだろうと思っていましたが☆5つのレビューが2つ並んだことには驚きました。 つまらないとまでは言いませんが、人に時間を割かせてまで読んで欲しいとは思いません。 ただでさえBOXは高いから敬遠されがちだというのに、この作品の1200円はいくらなんでも高すぎます。 講談社BOXのサイトで立ち読み(PDF)できますが、あまりそこから期待はしない方がいいです。 物語は繋がっていくというより、人間関係が繋がっているという感じで、立ち読み部分からさして膨らんでいきません。 ひょっとしたら高橋ツトムの「スカイハイ」を連想する人がいるかもしれませんが、毛色は全く違うので、似たような雰囲気を期待して買うと大失敗するので注意。 表紙が良いので加点して☆3つです。 *追記 12/31 偶然にも気づいたのですが、上記で言った2人の方のレビューは消えてますね。 確か「新走」の方でもレビュー投稿(☆5で)されていたと思いますが、そっちも同じく消えてます。 何なんですかね。ちょっと捻くれてるので、変なことを疑ってしまいます。

  • 新地平

    不思議なバランスの作品。ファンタジーのようだけれど、現世パートの描写は繊細な日常生活の感覚に根ざしている。宗教観とか世界観とか、ラノベの枠外に出ているし、文章も独特のひらがな表記や主語の省略で(特に坊さんのパート)こだわりを感じさせる。読み応えはあり。 自殺の手法とかそれに対する屈託などは、わりと淡々としている。自殺はうつ病の回復期に多いときくけど、実際どうなんだろう。オムニバス的作品なのだから、一個ぐらいは狂気的な死に方もいれてよかったかも(でもまあそれだと今の読者層には受け入れにくいのか?)。もしくは超手前勝手な自殺とか。 ともかく、私は好きな作品であります。

  • 凡庸

    古来より人は死は自死を禁じてきた。。 ……というより「生物の死」という概念に対し、様々な思念、教義、幻想、芸術、宗教でもって対抗してきた、というのが正しい見解かもしれない。その中で自死・自殺を「是」とした場合、共同体を維持できないからだろう。 作品の中で「自殺者の森」は文字通り、自殺により死亡したものが樹木として植えられ、永劫苦しめられる場所であると紹介される。そしてそこの「管理人」である少女がそれではあまりに忍びないとして、自殺が起こる前に対象の前に訪れ、説得を試みる……というのが全体の大筋となる。 登場人物はある種のコミューン……というか、友人、知人、知った顔の人と、ゆるい繋がりの短編連作だ。言い換えると「自殺の輪は連鎖する、繋がりやすい」ものとも言えるかもしれない。そこで少女が訪れ事実を告げたとして、現に自らに手をかけるものとそうでないものがいる。その差はなんなのか? 表面上から言えば、そばに支えてくれる人がいたかいないかも一つの分水嶺となるだろう。そういう意味ではあとがきの通り、「根底にあるのは恋愛小説」という言葉に嘘はないだろう。 が、言葉はきつくなるが凡庸だ。 文章は丹念に作られているが、情緒的というよりフラットな、平板な味わいで一貫している。後味の良いもの悪いものと揃っているが、テーマだけはどうしようなくシリアスであるがため、展開されうる要素が限定されている節がある。スラップスティックな要素を含むか、あるいは最後にスポットが移った「少女自身」を語る上で、単なる設定の披露でなく、少女自身の行為と結びつく必然性があれば、個人的には良かったかもしれない。 笑うセェルスマンだとか世にも奇妙な物語だとか、「その時々で微妙に悲喜の味が違うものがとりわけ好き!」だとかいう信条の人なら読んでもいかもしれないが、残念ながら心震える要素はこの作品にはないと思う。

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