作品情報
未解決事件の底にある真相へ、沢村依理子が踏み込む。
第67回江戸川乱歩賞受賞作。2021年10月に講談社から単行本として刊行され、2024年3月には加筆・修正を施した講談社文庫版も出ている。博士号を持ちながら北海道警察に入った沢村依理子が、5年前の誘拐事件の真相と捜査資料漏洩の疑惑に巻き込まれながら、組織の圧力と向き合っていく。
レビュー要約
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序盤から事件への引き込みが強く、警察組織の描写や人物関係のリアルさを評価する声がある。一方で、情報量の多さや中盤の重さに読み進めにくさを感じる読者もいる。
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警察小説としての手応えや、最後まで読ませる構成を評価する感想がある。反面、時系列の組み立てが複雑で、情報が多く詰め込まれている点に読みづらさを感じる反応も目立つ。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2021-10-06
- ページ数
- 402ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14 x 2.5 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784065249963
- ISBN-10
- 4065249961
- 価格
- 1925 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
第67回江戸川乱歩賞受賞作! 「事件が面白い」「登場人物が魅力的」「警察の描写がリアル」と選考委員が称賛! 博士号を持ちながら30歳で北海道警察の警察官となった沢村依理子。 ある日、5年前に未解決となっていた誘拐事件の被害者、島崎陽菜の遺体が発見される。 犯人と思われた男はすでに死亡……まさか共犯者が……? 捜査本部が設置されるも、再び未解決のまま解散。 しばらくのち、5年前の誘拐事件の捜査資料が漏洩する。なんと沢村は漏洩犯としての疑いをかけられることに。 果たして沢村の運命は、そして一連の事件の真相とは。 組織に翻弄されながらも正義を追い求める沢村。 警察官として、ひとりの女性として葛藤し成長していくーー。
レビュー
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良い
え、どういうこと?っていう疑問が即座に回収されていく心地よさ、かといって軽すぎると感じる場面も無く、読了感も十分。
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全体的におもしろち
最後の怒涛の流れがとても気持ちよかった 中盤ダレますが、初動のつかみと臨場するまでの流れがとても好きです ただ、主人公の設定必要だったかなー、、、まったく活かせてなかった気がする その道の博士なのに、そういう事態が起こってもなぜなぜどうして?先輩助けて!とヒロインぶってて自ら動かずちょっと思ってたのと違うなー、、、と、少し残念 もっと先輩刑事掘り下げてほしかった
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前半、ぶつ切りの話を詰め込み過ぎ
後半からは一気に読めました。 ただし、前半はぶつ切り過ぎて途中で終了しようかと何度も思いました。 事件発生の導入部分は犯人を追うタイプの警察モノと思いきや、 道内の警察上層部の暗部に主人公が振り回される警察モノ? 主人公の恋愛・仕事・家族の過去からの立ち直り? さらに、もうひとつの事件の真相、など 詰め込み過ぎで疲れました。 ここまで詰め込まずに、最後の犯人の自供場面をもう少しひねった方が面白かったのでは。
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スーパーウーマンではない沢村がいい
「百年の時効」よりは軟らかい作品だったが、本作も良かった。主人公の沢村がスーパーウーマンではなく、人間関係にひびを入れてしまったり、部下のことで悩んだり、父親との軋轢で悩んだり、警察組織の矛盾と闇に常に退職を考え、捜査ミスも多い。しかし事件を通して沢村が成長して未解決事件を不器用ながら追い詰めていく姿がいい。良い小説でした。
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構成力のない横山秀夫
某中古書店で立ち読みしたのをきっかけに購入。警察組織の軋轢や個人の心理描写などを読むと、横山秀夫氏の旧作品に似ているなと思いました。ただし構成力がうまくない。過去へと回顧が次の章へと繋がるけど、筆力もないので経緯がぶつ切り。私の読解力の低さもあるが、もう一度前章を見返さないとならなかった。もう少しコンパクトにまとめれば、百歩譲って「64」とも競えるかな、ストーリがとても面白かったから。百年の時効もこれから読みます。今後に期待したいです。
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面白いし、爽やかな読後感。
読み始めた当初は、博士号を持つ女性刑事・警察官という主人公の設定が嘘っぽいのが気になったのですが、読み進めるうちに事件やそれに関する様々な展開や人間模様に引き込まれていきました。推理小説として多少の無理矢理感や、人権派女性弁護士の立ち位置もあやふやですが、それでも余りある面白さでした。
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良く練り上げられた構成ですよ
表紙の絵柄が何となくアマチュアっぽくて気にはなっていたのですが、その後に中身のダイジェストを見てから購入することになりました。受賞作ということで「どんなもんか」といった感じで読み始めましたが、導入部分から中盤までは説明が多い印象だったのですが、中盤から後半はストーリーとして引き込まれる雰囲気がありました。それだけに終盤の展開において、キーとなる人物の伏線がやや薄いのが気になりましたが、全体に見てよくできた作品です。
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第67回江戸川乱歩賞受賞作。同時受賞『老虎残夢』は中国時代ミステリーだが、こちらは現代の警察ミステリー。誘拐ミステリー、北海道ミステリーでもある。
私はキンドルで読んでいる。 一、主人公 38歳の美人女性独身警部補沢村依理子。東京有名大学の卒業で、大学院で経営組織科学を選考し博士号を取るが、リーマンショック時代に就活に失敗して北海道に戻り、コンビニアルバイトを経て、30歳で警察官になったノンキャリア。愛読書はヴェーバーで、 クラシックを聴く。警察学校→交番勤務→道警本部総務課→同刑事企画課→中南署刑事一課を経て創成署生活安全課防犯係長。女性2人、男性1人の部下をもつ。 二、事件 2013年におきた3歳の島崎陽菜ちゃん誘拐事件。犯人の男は身代金受け取りに失敗し、ホームから落ち事故死。陽菜ちゃんの行方不明。 2018年、最近殺害されたらしい陽菜ちゃんの死体が倉庫で発見される。沢村も捜査に加わるが未解決に終わる。 2019年、捜査資料を何者かが雑誌社に送り、漏洩犯の疑いをかけられた沢村が、未解決誘拐事件、殺人事件の再捜査を始める。 三、私的感想 ◯全体として、大変面白い。一気に最後まで読める。主人公の迷えるキャラクターも悪くない。 ◯選評の当たっているところが多い。「誘拐事件の構図に新味」、「メインの誘拐は納得がいくし、面白い」・・・同感だが、現代ものにしては大胆な。 ◯「作者が詰め込みすぎている」・・まあ、そうですが、これでもかこれでもかという感じで楽しいです。 ◯「心理描写、情景描写も豊か」「人物の肉付けはうまい」・・その通りですが、どの人物も過去の傷、または現在の問題を抱えていて、なかなか大変です。 ◯ミステリーとしての謎の魅力については、どの審査員も誉めている。同感。 ◯警察小説、捜査小説としてのディテールについては誉めているのが多数派、けなしているのが少数派。私は多数派につきたい。 ◯小説の技巧については、「一番下手」等の酷評が並んでいるが、刊行された本にそういう感じはなかった。刊行までにかなり手直しされたのかな。 ◯極私的感想としては、ラストのクライマックスで大女性ミステリー作家の乱歩賞次点大傑作にて再デビュー作のようなムードになってきて、これはすごいと感動しかかったのだが、着地点はちょっと違っていた。
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