あした、弁当を作る。
中学生のタツキは、母が作る弁当を重たく感じ始め、自分で弁当を作りたいと思う。料理に詳しい先輩マシロや幼なじみのカホに支えられながら続ける弁当作りは、家族が当然視してきた役割と、自分で生き方を選びたい気持ちを揺さぶっていく。
作品情報
自分の弁当を作ることから始まる、中学生の自立と家族の物語。
ひこ・田中による児童文学作品。母の弁当を食べることに居心地の悪さを覚えたタツキが、自分で作ろうとする日々を描く。家族からの反対や友人の助言を通じ、家事を誰が担うべきかという思い込みと、成長期の自立心が交差する。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2023-02-09
- ページ数
- 272ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784065305959
- ISBN-10
- 4065305950
- 価格
- 1540 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
〈2023年国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ」に選定。第64回日本児童文学者協会賞受賞作品〉 朝、いつものように、母親がぼくの背中に触れる。いつものように「行ってきます」と答えて学校に行けばいい。それなのに、ゾクッと寒気がした。ぼくは自分の反応に驚く。 異変は続く。昼休み、母親が作ってくれた弁当を開ける。母親はぼくの世話をするのが生きがいらしい。おかずたちが、「おいしく食べて欲しい」とぼくにプレッシャーをかけてきて、一気に食欲が落ちる。でも、これはせっかく母親が作ってくれたお弁当。無理やり食べたけれど、気持ちの悪さは残った。いったい、ぼくはどうなってしまったのだろう? 中学生男子・タツキの自立心は、弁当作りへの熱意に変わる。冷凍食品を使えば、料理が得意でなくても弁当が作れるらしい。弁当作りの先輩・マシロにアドバイスをもらったり、幼なじみ・カホに相談に乗ってもらったりしながら、タツキは自分の弁当を作り続ける。しかし、母親には「タッちゃんはそんなにお母さんが嫌いなの?」、父親には「どうしてお母さんの仕事を奪うんだ」と責められ──。 両親が決めたことを守らないのは、わがままなんだろうか? 自分の弁当を作りたい気持ちは、どうしたらいいんだろう? 映画化もされた『お引越し』で知られる児童文学作家、ひこ・田中が描く、一風変わった中学生男子の反抗期。弁当作り、さらには洗濯まで!? ユーモアたっぷりに描かれる反抗期の心情、必読です! 【対象:小学校高学年以上】
1953年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。1991年、『お引越し』で第1回椋鳩十児童文学賞を受賞。同作は相米慎二監督により映画化された。1997年、『ごめん』で第44回産経児童出版文化賞JR賞を受賞。同作は冨樫森監督により映画化された。2017年、「なりたて中学生」シリーズ(講談社)で第57回日本児童文学者協会賞を受賞。他の著書に、「レッツ」シリーズ、『ハルとカナ』『サンタちゃん』『ぼくは本を読んでいる。』(以上、講談社)、「モールランド・ストーリー」シリーズ(福音館書店)、『大人のための児童文学講座』(徳間書店)、『ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?』(光文社新書)など。『児童文学書評』主宰。
レビュー
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男の子もママが鬱陶しいんだな
学生の頃、男の子達はお昼にお金を使えるのがちょっと羨ましく思っていました。 実母、お弁当派。そんなことに絶対お金はくれない人でした。 購入時に付いてきた帯の文章を見てやっと理由がわかりました。 女の子がお父さんを嫌いになるみたいな事、男の子にもあって、お母さんとの妥協点だったのかな? 息子には、ゲェってならないくらいの、手抜き弁当とかで様子をみようと、納得できました。
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中学1年生の息子のために
中学1年生息子が夏の読書感想文で使いました。 内容も共感できる部分も多かったようで、すぐに読み進めることができていました。
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思春期の男の子の心情
読みやすい会話主体と一人称の心情吐露を中心に構成される物語。ティーンエージャーには受けがよいのではないかと思う。思春期になって、親に対して拒否感を抱き出す男の子のまだ幼さの残る青臭い思いを、丹念に書き出している。最後まで特に何かどんでん返しがあるとかドラマが大きく動くとかはない。その分退屈かとも思うが、男の子の家庭の静かな崩れというか、ほころびみたいなものがうまく書かれている。男の子の今風のインターネット検索に頼った弁当料理もさることながら、共働きが当たり前になっても母親ばかりに片寄る家事の不公平さ、いつまでたっても威張っている男親の理不尽さなども淡々と描かれている。まさしく現代社会に生まれたティーンエージャー小説という感じ。 私は三人の子供を持つ女親の立場だ。私なら、息子が弁当をつくると言ったら大歓迎する。でも、自分の領分や存在価値が脅かされると恐怖し拒否し、手の込んだ手作りや男に庇護された丁寧な生活に重きを置いている、この本に出てくるような女親も確かにいるだろう。子供の前では男親の悪口を言い、男親がいる時はその権力に荷担する、自分のない、依存体質じみたずるい女親の様子が大変いやな感じで伝わってくる。自分の足で立てない、自分で自分を支えられない、家のことをやって家族を支えていくことだけに存在意義を見いだし自分を消しているこの本の専業主婦のお母さん。「ぼく」は静かに確実に、そんな母親を拒否するようになっていく。 家族のあり方に色々と考えさせられた。私の子供はまだまだ小さいが、いつかこんな風に冷静に観察される日がくるのかな。そのときは、子どもにも自分にも恥じない生き方をしていたい。
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夏休み
夏休みの宿題の読書感想文で使用させてもらいました。
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気づけば応援していました
主人公は心優しい中1男子。 ねっとり息子に構いたい母と高圧的すぎる父がいる家で、 思春期の彼が一風変わった反抗を試みるという物語です。 読んでいるこちらまで ゾワっと寒気がしてしまいそうな家庭環境ですね。 それにあらがう主人公の健やかさには、 心を洗われる思いでした。 親の世話になるのが嫌で自分のことは自分でしようとする。 家事スキルを上げていくなかで、 母の凄さや日々の大変さを知り感謝もする。 これってもはや「世界一まっとうな反抗期」なのでは? こんなの、応援するなって言われても無理ですから。 (対象年齢は12歳半以上かな?)