日本の文学賞

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王様のキャリー

講談社児童文学新人賞

王様のキャリー

まひる

eスポーツの世界で出会った二人が、勝ち負けより大切な関係を育てていく成長物語。

児童文学eスポーツ友情成長

作品情報

キャリーし合うことが、ほんとうの強さになる。

ゲームの勝敗をこえて、誰かと組むことの意味をまっすぐ描いた作品。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2024-08-22
ページ数
176ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 1.6 x 19.5 cm
ISBN-13
9784065364949
ISBN-10
4065364949
価格
1595 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

【第64回(2023年度)講談社児童文学新人賞受賞/第74回(2025年度)小学館出版児童文化賞受賞】 「キャリーしてやるって言ってんだけど」 憧れのeスポーツプレイヤーは車いすに乗った少年だった──! 審査員絶賛の第64回講談社児童文学新人賞受賞作、ついに書籍化! --------- ゲーム好きでもそうでなくても、夢中で読めること間違いなし! 笑って泣けて、大切なことを教えてくれる、最高のエンタメ作品です! 〈児童文学作家 如月かずさ〉 --------- ★主な内容 中学二年生の勝生には、最近ハマっているeスポーツのストリーマーがいる。 名前は「lion」。不遜な態度と、見るものを魅了するプレイングから、ついたあだ名は「王様」。 ある日訪れた病院で出会った車いすに乗った少年の声は、lionそのもの。 思わず正体を確かめた勝生に、lionことリオは、「ゲームでキャリーしてやる」という。 ゲームを通じて友情を深める二人だが、ある日、大会の招待状が届き……。 読む者の心を震わせる、「王様」と「家臣」の友情ストーリー!

レビュー

  • lionのキャラクターに一瞬で惹かれた

    私自身ゲームが下手で数回やったくらいで友達や兄弟がハマってもハマれなかったんですが、この本はめちゃくちゃ面白かったです。 特に、lionのキャラクターがとてもよく、読み始めてすぐに好きになりました笑 主人公の気を遣って疲れちゃう、でもやさしくてlionを心からリスペクトしてるところも素敵で、2人のやりとりがとても自然で大人でも楽しめる素敵なお話でした。 伏線回収もばっちりで文句なくすすめられる元気が出るお話です!

  • 楽しい!

    普段このサイズの本は、また読まなかった娘がハマって一気に読んでいた

  • 王キャリは本屋大賞をとる夢を見るか

    本作は、講談社児童文学「新人賞」作品でありながら、話の運び方が非常に巧みである。起承転結、ヒーローズジャーニー、四幕構成等のように、展開と筋道の設計が理想的な形をとっており、とても読みやすく、まずもって読者の頭にすんなりと話が入ってくるようになっている。 それでいて、話にも、登場人物の言動にも無駄がない。全てが、とても、いきいきとしている。まるで、現実世界に実際にあるかのよう、いるかのよう。作為的な部分を、読者に感じさせない。故に、説明くさくも、また、説教くさくもない。 しかも、絶妙に挿絵があるため、ある程度下の年齢層の子どもも十分読むに耐えうる。 児童文学を研究、または追求する上でも、一読の価値がある作品だと思う。坪田譲治文学賞はじめ、今年の国内の児童文学賞を総なめにするかもしれない。先の、「成瀬は天下を取りに行く」のように、児童文学でありながら、本屋大賞すら射止めてしまうかもしれない。それほど、優れた作品である。 本作の話の根幹である「eスポーツ」は、本来物語の題材としては非常に扱うのが難しいものだろう。子どもには魅力的であっても、スマホ脳やゲーム脳、視力の低下、心への悪影響など実際の科学的な証明はともかくとして、ネガティブな話題には事欠かない。画面に向かって一心不乱にゲームをする姿に、好印象を持つ人ばかりとは言いがたい。 作者が本作を通じて言いたかったことの一つは、「違うんです。eスポーツってこんな良い面もあるんです!」「eスポーツってこんなに楽しいし、素晴らしいんですよ!」では決してないと私は思う。 「eスポーツ」という言葉を聞き、初めこの本を手にとるのをためらう、そんな人たちこそきっと、読み進めるうち、この作品に「eスポーツ」は不可欠であったことに気づき、ハッとするのではないだろうか。 それなのに一方で、たまたま少年たちの間にあったものが「eスポーツ」だったのではないか、という風にすらも感じるかもしれない。 「eスポーツ」であれなんであれ、人と人を繋ぐもの、人の心を熱くさせるもの、それらは時代が変わっても、物が変わっても、不変であることを、この本は私たちの胸に訴えかけてくる。 自分とは違う人を、差別しない、偏見の目で見ない。平等に接する、同じ目線に立つ、困っていたら手を貸す。こういった意識や振る舞いは、道徳的であり、私たちはそうあるべきだと学校でも教わるだろう。 だが、本作の主人公は、天然というか、純粋というか、素直というか、そうは考えていない。作中、少年の母に息子の脚のことをなにか聞いたかたずねられ、「あの・・・・・・僕、リオのファンだったから。聞きたいこといっぱいあって、部屋でもずっとゲームの話をしてたんです」と答えるような子だ。 見た目や境遇より、その人自身をまっすぐに見つめている主人公の姿勢は、シンプルに素敵である。 もうひとりの主人公である少年も、なかなかまた魅力的だ。 ゲームがうまいこの少年は堂々としていて、ぶれがない。まさに、「王」と呼ぶにふさわしい。かといって自分勝手、周囲が見えてない、というわけではなく、あるとき、周りに気を遣いすぎる主人公に対し「その飲み込んだものがストレスになる。思ったことは言えばいい」「身近な相手から試してみればいい」と言葉をかける一面を持ち合わせている。 主人公二人ともに、性格上いいところがあり、弱く、脆い部分もある。そして、お互い、相手のことをわかろうと、思いやっている。そんな二人の物語だった。 久しぶりに、いい本を読んだと思いました。

  • ふだん本を読まない子も夢中になりそう

    同情なんかじゃない。 哀れみでもない。 ただそうしたいから支えるんだ。 そんな主人公の心の声が 聞こえるようでした。 控えめで温和な中学二年生が、 自己主張の塊のような少年との 関わりで思わぬ影響を受けていく ストーリーです。 優柔不断だった主人公の 燃え滾る決意に胸を打たれ、 傲慢に見えた少年の 悲痛な叫びには心のど真ん中を 射抜かれました。 えげつないほど琴線に触れまくる 作品ですね。 ありありと浮かぶシーンの数々。 あこがれの配信者を前に おたおたする主人公に笑いを誘われ、 ともに高みへと駆け上がるシーンでは 驚くほどワクワクが伝染してきました。 それだけ真に迫っていた。 だからこそ衝突シーンの迫力も ラストの沁みかたも尋常じゃないんです。 心の奥までガツーンとやられました。 なんてハートフルなんだよぅ…。 題材だけでなくユニークな友人関係も 目に新しい本作。 eスポーツを軽くみたり、 撃ち合うようなゲームに眉をひそめる 向きもあるとは思います。 けれど、まずは読んで欲しい。 食わず嫌いではなく、 彼らの歩みを見て、感じて、 この物語のすばらしさを 知ってもらいたい。 そう思わずにいられないほど 魅力の詰まった作品でした。 (対象年齢は10歳以上かな?)

  • 100ページ以上、会話も地の文もゲームの説明が続いて疲れたれけど、終盤からそれまでの積み重ねと伏線?が活かされて、読後感は爽やかでした。 気遣いすぎてもいけない、不器用でもバランスを取りながら、お互いに歩み寄っていく姿に胸を打たれました。教訓臭さがない点も、信頼できる作者さんだと思いました。 読書が苦手な子も面白く読めるはずです。 ただ、最近の児童書は大体そうですが、ほぼ台詞で、進研ゼミについている漫画かラノベのような印象の文体が少し残念でした。当時代性のあるテーマ、面白さも必要ですが、心象風景や心理描写がないような……文学的な表現がないなら、わざわざ小説で読む必要があるのか、とも思ってしまいました。物語を読んだ、という感覚はなく、文字の多い漫画を読んだ気分でした。 (良し悪しの問題ではなく、小説として読みごたえのある児童書が少なくなったのが残念というだけです)。 内容だけなら★4、小説としては★2~3です。

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