呪術法律家ミカヤ (ダッシュエックス文庫)
呪術と法律を組み合わせた異色のライトノベル。異能をめぐる争いを、法の言葉と交渉で裁いていく。
作品情報
呪術法律家ミカヤは、受賞記録と書誌確認から輪郭を整理できる大桑康博の作品である。
呪術法律家ミカヤは、大桑康博による作品で、呪術と法を中心に読める。受賞作としての記録を起点に、単行本化または刊行情報が確認できる場合はその書誌識別子を採用し、確認できない場合は雑誌号や別資料の番号を流用せずに整理した。
レビュー要約
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反応は作品の題材と語り口に向けられている。設定や問題意識を評価する読みがある一方、公開情報が限られる作品では書誌的な確認を優先して慎重に整理した。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2016-02-25
- ページ数
- 312ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784086311014
- ISBN-10
- 4086311011
- 価格
- 350 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
十七歳にして『呪術法律家』の資格を手にした天才少女ミカヤ。 そんな彼女の初仕事は大陸史上最悪の暗殺者アイスフェルドという男の弁護だった。 罪を認めさせ償わせようとするミカヤだが、彼は冤罪だと主張する。果たしてそれは真実なのか? 大陸史上最大の法廷が幕を開ける! 第2回集英社ライトノベル新人賞≪特別賞≫受賞作。
レビュー
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第2回集英社ライトノベル新人賞特別賞受賞作
主人公は十七歳で呪術法律家の資格を取った天才少女ミカヤ。 そんな彼女が初仕事で大陸史上最悪の暗殺者アイスフェルドの弁護に挑む法廷ファンタジー。 高位の呪術使いしか突破できない箱の中でおきた密室殺人事件の容疑者として逮捕され、何故かおとなしく捕まってる被告人のアイスフェルドは、飄々とした態度ながらも、今回の殺人は冤罪だとキッパリ否定した。 しかし彼は最強の呪術師故に、アリバイの実証は難しい。 その上非協力的で、もちろん世間は初めから黒と思っているという四面楚歌の中、信念に基づき無罪を勝ち取ろうとするミカヤの姿が好ましく描かれている。 正義バカのミカヤとひねくれ者アイスフェルド。 価値観の違う二人のやり取りと駆け引きは王道ながら楽しかった。 彼のために証拠集めに奔走してゆくうちに、ミカヤの父が投獄された事件にも絡む疑惑が浮上してくるストーリーは、魔術が絡んで推理が解説頼りにはなるものの、周囲の協力も得て大逆転を勝ち取る展開は盛り上がりました。 奥の手である死神を使った最終弁論は、弱冠力業感があったけど、ファンタジーならではで面白く感じました。 皆なかなかキャラがたっているし、心地よい読後感。この作者は上手いと思う。 これならアイスフェルドが主人公の王道ファンタジー路線とかも、ぜひ読んでみたい。
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作りこまれた世界観 前向きなキャラクター 王道
面白い。素直に面白いと思える設定である。 前向きで明るい弁護士が、魔法を駆使しながら暗殺者を弁護する話だ。 この暗殺者アイスフェルドがなかなかの食わせ者で、逮捕されているのにマイペースに動いていくため、 ミカヤも周囲の者も大変だ。かと思うと、妙に男らしく約束は絶対守ってくれるヤツなので中盤からはミカヤも読者もこいつの虜である。 魔法+ミステリーものも多くなった中で、新しいコンビになってくれそうだ。 ”ハイエナ”のセトも何だか今までにない好漢である。 主役ミカヤも負けていない。ちょっとあり得ないぐらい辛い目に遭っているのに、常に前向きでどんどんみんなを引っ張ってくれる。 この作品で評価したいのは、キャラクターがみんな前向きである所と、これだけ複雑な魔法の世界を作っているのに王道のストーリーが描かれている所である。 エピローグの読後感が爽やかだった。 全体的にデビュー作っぽくまだまだ粗削りだが、今後に期待してこの採点。お勧めの一品である。
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楽しく読めました
この分野の小説はあまり読んだことがないのですが、読んでいく中で引きこまれ、すぐに読了しました。 2人の(?)主人公は背景を含んだ人格設定がしっかりされており、読み進むにつれ魅力を増していきました。全体にきっちりとストーリー作りのスタンダードに則ってまとめられている印象を受けました。今後は、その型からどんどん自由になっていければより魅力を増すのではないでしょうか。 法律という概念とファンタジーは新しい組合せのようで、著者にはこれからも新分野を開拓してほしいと思います。
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論理は見せるも最後は力業
『法廷ファンタジー』とは謳いながらも,巻頭のイラストからは法廷のほの字も見えず, 冒頭から呪術を駆使した魔獣とのバトルがあるなど,序盤は少し不安を覚えてしまうほど. とはいえ,その後の割合で言えば,法廷の方が八,ファンタジは二といったところで, 新人弁護士の主人公と,被告人である暗殺者との当たり前なのに奇妙な関係がおかしく, 事件を巡る謎解きも,呪術や魔道具のファンタジと論理がうまく噛み合っている印象です. また,回を重ねる公判の様子も,初回は『呪術裁判』という特殊性を踏まえて丁寧に, 以降は,要所のみを押さえて短めにするなど,ダレさせない進め方も悪くはありません. ただ,終盤で主人公が見せる『大きな賭け』については,唐突な上に呆気なく映り, そこから続く最終公判も,いくつもの法を絡めての攻めには見どころがありましたが, 『フー』も『ホワイ』も途中で匂わせた通りで,問題の『ハウ』も特殊な状況での力業. ファンタジでもあるわけですから,そこに不満を唱えるのはおかしいのかもしれませんが, それらを成立させる都合の良さも目立っていたため,どうしても不満が残ってしまいました.