日本の文学賞

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犬のかたちをしているもの

すばる文学賞

犬のかたちをしているもの

高瀬隼子

恋人との半同棲生活のなかで、薫は犬への愛情と性交渉をめぐる感覚を見つめ直す。第43回すばる文学賞受賞作。

恋愛身体自律

作品情報

犬を愛した強さで、愛を証明できるのかを問う。

第43回すばる文学賞受賞作。2020年に集英社から単行本刊行。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2020-02-05
ページ数
144ページ
言語
日本語
サイズ
13.4 x 1.6 x 19.4 cm
ISBN-13
9784087716962
ISBN-10
4087716961
価格
1540 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第43回すばる文学賞受賞作 昔飼っていた犬を愛していた。 どうしたら愛を証明できるんだろう。犬を愛していると確信する、あの強さで――。 間橋薫、30歳。恋人の田中郁也と半同棲のような生活を送っていた。21歳の時に卵巣の手術をして以来、男性とは付き合ってしばらくたつと性交渉を拒むようになった。郁也と付き合い始めた時も、そのうちセックスしなくなると宣言した薫だが「好きだから大丈夫」だと彼は言った。普段と変らない日々を過ごしていたある日、郁也に呼び出されコーヒーショップに赴くと、彼の隣にはミナシロと名乗る見知らぬ女性が座っていた。大学時代の同級生で、郁也がお金を払ってセックスした相手だという。そんなミナシロが妊娠してしまい、彼女曰く、子供を堕すのは怖いけど子供は欲しくないと薫に説明した。そして「間橋さんが育ててくれませんか、田中くんと一緒に。つまり子ども、もらってくれませんか?」と唐突な提案をされる。自ら子供を産みたいと思ったこともなく、可愛いと思ったこともない薫だったが、郁也のことはたぶん愛している。セックスもしないし出来にくい身体である薫は、考えぬいたうえ、産まれてくる子供の幸せではなく、故郷の家族を喜ばせるためにもらおうかと思案するのだったが……。 快楽のためのセックス、生殖のためのセックス。子供を産むということ、子供を持つということ。 1人の女性の醸成してきた「問い」の行方を描く。 【著者略歴】 高瀬隼子(たかせ・じゅんこ) 1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学文学部卒業。「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞。

レビュー

  • 良かったです

    「水たまりで息をする」を読んで良かったので、こちらも読んでみました。 上記の作品と同じく微妙な心の動きが丁寧かつ大げさになりすぎず表現されていると思いました。 既婚子持ちですが、主人公と同じ女性として共感できる部分が多々あります。子どもを持つこと産むことに対する社会からの沈黙の圧力や、母性愛を普遍化しすぎている風潮にも一石を投じる作品なのかなと思いました。どうまとめていいのかは分かりませんが、性とは愛とは何なのかを考えさせられました。 まだ続きそうな余韻を残した終わり方も、この作品らしいなと思いました。

  • 犬のかたちとは?愛なんです。

    作者は哲学の勉強をしている。抽象的な愛、それを犬のかたちと表現しました。ネタバレになりますが、面白いので、あなたも体感してください。愛って何?それが描かれています。

  • そんなに名作とは思えなかった

    書き方は上手。物語に意外性は無かった。

  • 素晴らしい

    一日で読みました

  • よかった

    とてもよかった。この作者の次の作品が楽しみ。

  • 形而上的恋愛論

    とても読みやすかった。しかし、主人公のように自分の思考を文字化するひとは、小説の中にしかいないか、小説の中でも生きづらいだろうなと思った。それくらい、恋愛、セックス、生殖、家族について文字として反芻し、反芻し、しかも消化できない。こういう小説、嫌いじゃないです。もっと、作者の作品を読もうと思いました。

  • 生々しすぎる、グロテスク

    描写がとにかく気持ち悪く、書店だったら購入していませんでした。 結末も「読者に委ねる」ではなくただの尻切れとんぼです。 編集者がどうしてこのレベルで出版したのか知りたいくらいです。

  • 読みやすいけど、憂鬱な気持ちになる

    本自体は読みやすく、主人公の感じていることも女性性を持つ身として理解できるところが多く物語の面白さも感じました。ただ、主人公の発する言葉が異様に少なく、主人公の周りの人の台詞と、それに対する主人公の感情および身体の状態、その描写が多すぎて途中から読んでいて憂鬱な気持ちになりました。負のエネルギーの作品以外にも、何か救いのある作品も読んでみたいと思いました。

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