作品情報
五十路の女たちが、古典の教養と旅心を携えて天保の日本を歩き抜く。
筑前から伊勢参宮へ出た女性たちの旅は、江戸見物、日光詣り、善光寺参りへと広がっていく。田辺聖子は小田宅子の旅日記をもとに、古典を学び歌を詠む女性たちの知的な冒険を、明るい筆致で描いている。
レビュー要約
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史料を読み解く楽しさと、道中記としての軽やかさが両立している。年齢を重ねた女性たちの旅を、懐古ではなく行動の物語として味わえる点が魅力とされている。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2001-06-05
- ページ数
- 384ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784087745306
- ISBN-10
- 4087745309
- 価格
- 1870 JPY
- カテゴリ
- 本/歴史・地理/日本史/一般/日本史一般
江戸時代後半、筑前の大店のお内儀、宅子さんと久子さんが、歌を詠みつつ伊勢から江戸、日光、善光寺を巡る5カ月間3200キロの知的冒険お買い物紀行がよみがえる! 江戸の熟年女旅のおもしろさ。第8回蓮如賞(本願寺維持財団)受賞作。
レビュー
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女性パワーにびっくり
お金持ちの女将さんって、この度胸は生まれつきあるのか、立派な旅行記ですね
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江戸末期の女性の紀行文
筑前の商家の女将さんの伊勢参りから足を延ばしてその当時の江戸、大坂、京の見物など。行程800里、期間5か月に及ぶ知的冒険紀行ですね。
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高倉健フアンに
高倉健を知るには、必須本 田辺聖子の面白みが確認できます。 面白いですよ!!
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面白い
こんな旅が実際にあったんですね。男性のお供がついているとはいえ複数の女性で、江戸時代後期に北九州から伊勢をこえて善光寺から日光まで出かけるという大変なスケールです。一部の移動には船を使いますが、ほとんどはいうまでもなく歩きです。一日の歩きの量は相当なものです。また当事者のエネルギーだけでなく、このようなスケールの旅を可能ならしめた商人層の経済的なバックボーンの充実ぶりがうかがわれます。もう一つはこのような旅の背後にある知的な基盤の充実ぶりです。金儲けが主であった商人層でこれほどの知的な蓄積がなされていたのです。この作品の主人公も和歌を縦横無尽に操りますが、このような人物が出てくるだけの、制度的な基盤と人的なネットワークが出来上がっていたのです。 もっとも旅を終えててからこのような形でその記録が残されるまでには十年という時間が流れているわけですが、出来上がった作品は相当な思いと想像的な脚色が入れ込まれた芸術作品なのでしょう。御愛嬌は帰りは江戸や大阪での芝居への熱中です。いつの時代もあまり日本人は変わらないようです。実際の旅の描写も興味深いものですが、ここに描かれた地域的な隔絶はすさまじいものがあります。土地に恵まれない信州での旅はすべてに豊富な北九州から来た主人公にとっては驚くべきものだったようです。
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私は善光寺のそばに住んでいます
健さんのご先祖の女性が二回、善光寺参りを、それも九州からしているとのこと。それで健さん何か縁で節分に30回も来ているほどです。何かの縁があるのかもしれません。
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エネルギッシュで教養のある江戸の女性
天保11年(1840年)、九州筑前の商家の52歳の主婦・小田宅子が友達数名および荷物運び兼ボディーガードを勤める男の使用人3名と連れだって東国への旅に出る。 この旅は宮島、讃岐、大阪、京都、奈良、信州善光寺、日光、江戸、など5ヶ月に及んだ。本書はその時小田宅子がしたためた旅日記「東路日記」に基づいている。 当時の旅の有様が田辺聖子の軽妙かつ深い教養に裏打ちされた筆で描かれていて大変興味深い。当時、女が長旅をするということはどういうことがよくわかる。 特筆すべきは、宅子さんと友達が行く先々で和歌を詠むことだ。現代はデジカメのシャッターを押すだけだが。当時の女性の教養は今より高かったのではなかろうか。 さらに、宅子さん等がお詣りした信濃善光寺について田辺聖子の筆にとくに力が入り、善光寺学とでも名付く一編をなしている。 また、小田宅子は俳優の高倉健の御先祖様だということも紹介されている。 「東路日記」はこの歌で終わっている: 今日とてはぬぐや信濃路東路の 花にも馴れし旅の衣を 宅子 この旅の20年後に桜田門外の変があり、40年後に明治維新になる。
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歴史資料ではなく読み物
やっぱり、田辺聖子は作家で、原文と比べると、かなり自分の解釈が入っていて、参考にはなるけど・・・・どうにもシックリいかなかった。
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彼女の古典ものエッセーファンにとっては面白く興味の尽きない内容になっています。
タイトルに「姥ざかり」とありますがこれは歌子さんの姥ものシリーズではなく、俳優の高倉健さんのご先祖サマの小田宅子さんら商家のおかみさんで歌仲間の4人が、50歳過ぎて九州から長野の 善光寺、日光まで足をのばし、五か月間、百四十四日、八百里の旅をし、名所旧跡を訪ね、歌を詠み、お芝居を見たり、ショッピングを楽しみ、またゆく先々の風物をこまやかに書き記した紀行文です。 これは宅子さんの旅行記はもとより聖子さんの旅行記でもあるんですよね。 宅子さん等の歩いた同じコースを聖子さんも2年以上かけて歩き、宅子さんの旅日記の記述を様々な資料をひもとき、それと照らし合わせ、また聖子さん自身の見聞をも盛り込み、その土地土地の歴史、風俗、風物、はては伝説や物語のたぐいまで総動員して現代の私たちに分かりやすいように説明、解説してくれています。 本居宣長、源氏の玉鬘、伊勢物語、雨月や膝栗毛の一文も紹介されていて、彼女の古典ものエッセーファンにとっては面白く興味の尽きない内容になっています。
関連する文学賞
- 蓮如賞 第8回(2003年) ・受賞