日本の文学賞

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今夜 誰のとなりで眠る

島清恋愛文学賞

今夜 誰のとなりで眠る

唯川恵

奔放に生き、多くの女性を魅了した男・高瀬秋生の突然の死を起点に、彼に関わった五人の女性たちの人生が語られる長編。失った相手を通じて、それぞれが自分の道を見つめ直す。

恋愛喪失女性の人生記憶群像劇

作品情報

ひとりの男の死が、五人の女たちの人生に静かな波紋を広げる。

集英社から単行本、のち集英社文庫で刊行。高瀬秋生という不在の人物をめぐって、真以子、協子、七恵、佑美、じゅん子らの愛の形が浮かび上がる。

レビュー要約

  • 複数の女性の視点が交替しながら、恋愛の記憶と自立への感情を描く点が読みどころ。人物ごとの人生の選び方に共感する読者が多い。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2002-12-13
ページ数
304ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087746181
ISBN-10
4087746186
価格
1650 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

奔放な生き方で多くの女性たちに愛された男の死。旧友たちが築いてきた穏やかな生活に、様々な波紋を投げかける…。立ち止まり、振り返る女たちに、いま、新しい選択が待っている。恋愛長編。

レビュー

  • ここで告白しなければならない

    真以子 協子 じゅん子 七恵 佑美 5人の登場人物は誰が作者の分身なのだろう。 解説を 温水ゆかり が書いている。 「鏡に映った自分の醜い姿を見せられた気になったことを、ここで告白しなければならない」 作家にこれだけのことを言わせる作家もすごいが、それを素直に表現できる解説者も、きっとすごいのだろう。 作家が書いている解説は、その作家の本を読ませたくなるところがすごいかも。 5人の中に、いろいろな作家の影響が反映しているのだろうか。

  • オンナって多かれ少なかれ似た生き物なのかしら?

    結川恵が好き→人生か恋に挫折したことがある。 らしい。 本当かどうかは別として、 いいところもわるいところも含めて オンナの姿がみえてくる。 パーっと明るいというより 暗い夜のあとじわじわ~~~~~っと夜が明けてくるような本。 いろんな登場人物の誰か、どこかに きっと共感してしまうと思う。 感情をここまでかける、結川恵って天才?と思った。

  • 愛されたい女性達

    心にすんなり入って来て、胸を打たれるアフォリズムの数々はお見事。 主要人物の女性達がそれぞれに別々の悩みを抱えていて、でも根本的には同じ悩みなのかと思う。 おそらくそれは「愛されたい」という願いだろう。 苦悩と挫折の末に何が待っているのか、唯川氏の小説はいつもそれを教えてくれない。

  • 冗談のような恋愛小説

    私の一番嫌いなタイプの恋愛小説だと思う。それでも一気に最後まで読めたのは、この作者の筆のうまさだと思う。そこは評価したい。適当にストーリーに起伏をつけ、読みやすい文章で、ともかく最後まで引っ張ってくれる。だが読み終わった後の虚無感は何だろう。時間を無駄にしたとは言わないが、見事に何も残らない。 ここに出てくる女性の全てが、私には身勝手に見えてしまう。それにそろいも揃って、決断力がない。どうしてここまで煮え切らないのかわからない。何より、この秋生なんて男に振り回されていること自体が信じられない。この男の魅力がわからない。この時点で既に私には意味不明の小説だ。 だからこの点に関してはコメントしない。ここを指摘しても始まらないからだ。 それ以外で気になったのは、中心であるはずの秋生の影の薄さだろうか。彼に影響され、人生を左右された人間ばかり出てきているはずなのに、みんな秋生なんてどうでもいいみたいで、どんどん話は別方向に行ってしまう。これでは、単に複数の女性(どこかしらで偶然のつながりを持っている女性)たちのオムニバス的な恋愛物語に過ぎない。だったら秋生などというキーパーソンなど必要なかったんじゃないだろうか。秋生のキャラも今ひとつ立ち上がってこないのは、そのせいだろうか。冒頭で殺してしまうと言う演出をしているのに、本当に死んでしまったがごとく、早々にどこかに行ってしまっている。 それから、複数の女性の区別がすぐつかなくなってしまう。どれもこれもエピソードが似通っているのだろうか、それともキャラがはっきりしないんだろうか。そのことでちょっと気になったのは、台詞のところ。どの人間も(男性、女性の別があってさえ)話し方が全部一緒だ。二人の人間の会話(男女であるはずなのに)どっちが喋っているかわからないシーンが多い。普通言葉遣いに差をつけて、すぐにわかるようにしてるものだと思うが、それがない。 唯一秋生とほとんど交渉を持っていない女性は、自分が美人でないことをコンプレックスにしているが、この女性にまつわる物語のラストだけが、他と少し趣が違う。だがあまり気持ちのいいものではない。女性像のバリエーションを持たせようとして、アンチテーゼ的に盛り込んだキャラだろうが、結局美人でない女はほしいものは手に入らないと言ってるようで、質の悪いトレンディードラマでも見てるようだった。

  • こんな女性ばかりではない

    女性に人気の作者。確かに筆の力は相当のものがある。でも、これだけ「何も取り得がない」女性を描かれても幻滅してしまう。男社会の中でも、今の女性は頑張って戦っている。恋愛ばかりに熱中している訳では無いゾ 作者は「OL10年やりました」だけど、今の働く女性は昔みたいでは無いゾ。そう思いたい。この人のファンは30歳から40歳くらいの女性ではないかな。20歳代の女性にファンが多いと、ショックだなぁ

  • 自分の足で立った女性たち

    高瀬秋生と同級生であったり、彼女であったり、家族同士の付き合いであったりと 付き合いの深さは違えども、関係した5人の女性たちの生活が、 秋生の突然の死により緩やかに変化していきます。 30代半ばならあるであろうそれぞれの立場が象徴的です。 この5人の女性に共通するのは、それまでの自分の人生を、自分で選んでこなかったこと。 誰かに依存していたことです。 秋生は生きて登場することはありませんが、登場人物の回想で秋生の言葉や行動が語られていきます。 そしてそれぞれの登場人物の周りで起こる様々な出来事を通して、女性たちは自分たちの足で歩き始めます。 その選択は読者によって賛否の分かれるところかもしれませんが、自分の責任のうえで選択している潔さを感じます。

  • 魅力に乏しい女たち

    多くの男女を惹きつけてやまない秋生が関わったにしては、 女たちの誰もに魅力が感じられなかった。 立場や職業は違えど、自分の感情を素直に表現できない、 受け身で小利口な、元お嬢様タイプの女ばかり。 もっとそれぞれを差別化して、様々なタイプの女たちの 生き方を描いてほしかった。 唯一、じゅん子だけはユニークな存在で、彼女のエピソードが 一番おもしろかったが、秋生と関係があったわけでもない彼女の 話がなぜこんなに登場するのか意味不明。

  • 後悔しない愛し方とは

    5人の女に関わった男が亡くなった その男の死を通して、5人の女達の人生が大きく変化する 「傍に居る」というのは様々な形があるように 人の幸福なんて、他人には絶対計り知れない でも、自分を偽ることだけは出来ない 自分を見失わず、相手をどう受け入れるかが愛し方のポイントであり 後悔のない愛し方がその人に幸福をもたらす そんなことを考えてしまう本でした

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