作品情報
『白い薔薇の淵まで』は、中山可穂の作風が凝縮された受賞作。
女性同士の恋愛と孤独を、音楽的で濃密な文体によって描く長編小説。愛が人を救いも傷つけもする境界を、白い薔薇のイメージに託している。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2001-02-05
- ページ数
- 208ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784087752816
- ISBN-10
- 408775281X
- 価格
- 2200 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
深夜の書店。私には、運命的な出会いとその夜から始まる激しい恋が待っていた。過去を明かさぬまま姿を消した恋人を追った私は、異国へと旅立つ。朝日新人文学賞受賞作家が放つ書き下ろし恋愛小説。第14回山本周五郎賞受賞作。
レビュー
-
美しく至高なる愛の物語を華麗な筆致で語る。
中山可穂さんの著作ははじめて読みましたが、何とも激しく美しい愛の物語に胸をうたれました。愛は男女を超えるもの、それが本当だと思います。見事に淡麗な文体、一字一句無駄のない構成と筋の運び。同性愛というジメジメした印象 は全くなく、美しく悲しい古典的な彫像を鑑る思いがいたしました。 唯、敢えて言わせて頂ければ、終盤の<塁>の海外への旅と救いのないダークな世界へのいざないは、この小説の美しさと深淵さを、却って作りモノめいたものにしてしまった感がいたしました。この結末を何か違う筋書きで終わることが出来れば、この『白い薔薇の淵まで』はどんな古典にも勝る最高の愛の名著になったことと思います。いつか改稿されることを期待しています。 そんな感想を持ちました。偏った見方かも知れませんが⋯⋯。 実は私は無名の<物書き>(小説)の一人。ものがたりの結末に全神経を集中させています。
-
書き出しからの展開に参りました
サンプルから購入に至り一気に読んでしまいました
-
文章の美しさ、そして本当に1文字も見逃せません
私の好きなアーティストがお勧めしていて読んでみましたが、本当に1文字も見逃せないくらい、そして死ぬほど人を愛すというワードがよく当てはまります。 同性愛は今まで深入りしたことすらなかったのにこの本はすらすら読みやすく、時にどきどきしながら読めました。死ぬほど人を愛したことある人、是非に。
-
二人の女性が生身の人間として生きるすべを追求してやまない恋愛の行方
ブックストアに立ち寄った主人公で30歳前の女性・川島が出会った24歳の女性作家・川野辺塁、手に取った本は塁の第一作目の作品だった。奇縁ともいうべき出会いが二人の関係を密なものにしていく。川島には学生時代からの恋人で結婚に至るべく道があるものの、塁に対する母性愛にも似た感情と肉体的な性愛と情愛の深さに絡んだ感性が、恋人との結婚を凌駕していく。塁の双子である弟への異常ともいうべき過去の出来事やそれに起因する両親への復讐と心に宿った闇が、塁の性格や行動を極限にまで追いやりながら主人公との濃密な関係を継続させる。行きつくところは塁の場所であるが、塁の早逝に至る過程は美しくもあり情感はあまりにも物悲しい追憶となって迫りくる恋愛小説。
-
おすすめ
小学生の時に図書館で読んで、20を過ぎてまた読み返しました。 渇望するような描写が好きです
-
最後がファンタジー
激しいほどの愛の物語 女性同士の恋愛ですが、百合とかレズビアンとかいう括りではない。 この2人が遺伝子レベルで愛しあっています。 とても激しい愛の話に心が揺さぶれるのですが、最後でファンタジー要素が出て来ました。 終わりも納得いかず、ハッピーエンドなのかビターエンドなのかも判断に苦しむ ただ激しい愛の物語が読みたい人にはおすすめ
-
女どうしの性愛の狂おしさがサラサラとして引き込まれました。
自分が女だからか、読んでいて哀しく、せつなく、勝手に恋して、勝ってに嫉妬して、自己正当化する。そんな女のわがままをまざまざと見せつけられました。 久しぶりに引き込まれていく作品、作家に出会えて嬉しいです。
-
恋愛の淵を覗き込むような
210ページそこそこの短い小説なのに なんと濃厚な小説だろうか。 中山可穂さんという作家の筆力がすごい 無駄なところが微塵もない 恋愛の恐ろしいまでの根源、 淵を覗きこんだような物語が 美しい文章で 圧倒的迫力で迫ってくる。 読後もしばらく放心状態だった。
関連する文学賞
- 山本周五郎賞 第14回(2001年) ・受賞