殺意のシナリオ (SHOGAKUKAN MYSTERYクラシック・クライム・コレクション)
『殺意のシナリオ』は、ジョン・フランクリン・バーディンの『The Last of Philip Banter』の邦訳。心理の歪みと犯罪の筋書きが絡み、現実感が崩れていくサスペンスとして読まれる。
作品情報
書かれた筋書きが現実を侵食していく、心理サスペンスの異色作。
小学館のミステリー・クラシックス版で邦訳刊行。異常心理と謎解きの緊張を結び、マーティン・ベック賞受賞作として北欧圏で評価された英米ミステリの受容を示す。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2003-12-01
- ページ数
- 283ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784093565813
- ISBN-10
- 4093565813
- 価格
- 800 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
広告代理店勤務の平凡なサラリーマンのフィリップは、ある朝オフィスの机上に自分の過去数日の行動と未来のことが書きつづられた<告白>原稿を発見する。自分が妄想で書いたのか? それとも……? 新聞記者から現在は妻のおかげで広告代理店の社員となったフィリップのオフィスの机上に、ある朝置かれていたタイプ原稿。それは彼の過去数日の行動と、これからの出来事がまるですでに起きたことであるかのように書かれていた。アルコールにおぼれる彼は、その〈告白〉が自分の書いたものなのか、それとも誰かが何らかの目的で書いたものか、判断できない。しかもそこに書かれていた未来が実際に現実となっていくのを知って恐怖に囚われる。複雑な人間関係を背景にした狂気の世界を描く異色作。 「簡単に忘れることのできない恐ろしい小説」(P・ハイスミス)と言われる心理スリラーの本邦初訳!
レビュー
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早すぎた秀作
『死を呼ぶペルシュロン』と『悪魔に食われろ青尾蠅』のあいだに位置する、バーディンの第2作。ペルシュロンから青尾蠅の中間的作品で、次第にエスカレートする混乱の世界を楽しむことが出来る。 泥酔して記憶を失った男が自分のデスクに見つけたのは、これから起こる出来事を綴った日誌だった。しかも、執筆者は自分自身。予告された破滅に、彼はどう立ち向かうのか。 いまでは使い古された設定なのだが、充分に新鮮さを保っている。1947年に出版されたとは思えないくらい。読者の予想を次々と覆していく展開もなかなかのもの。
関連する文学賞
- マルティン・ベック賞 第6回(1976年) ・受賞