百年目の帰郷
『百年目の帰郷』は、王貞治と父・王仕福の歩みをたどるノンフィクションである。中国大陸に生まれた仕福の故郷を訪ね、その出自をめぐる家族の記憶と、戦後の東アジアで揺れた国籍・祖国の問題を描く。
王貞治家族の記憶中国と台湾国籍と祖国移民の経験
作品情報
父が残した、伝わるはずのなかった遺言を手がかりに、百年に及ぶ家族の物語をたどる。
世界的なホームラン打者として知られる王貞治を、父・仕福の人生から見つめ直す。故郷を離れて日本で生きた父子の軌跡を通して、個人の家族史に刻まれた近現代東アジアの複雑な歴史を浮かび上がらせる。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 1999-06-01
- ページ数
- 266ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784093792189
- ISBN-10
- 4093792186
- 価格
- 2361 JPY
- カテゴリ
- 本/ノンフィクション/実用・暮らし・スポーツ/スポーツ
第5回(1998年) 小学館ノンフィクション大賞受賞
レビュー
-
野球に関心がなくとも一読の価値あり。
王さんといえばルーツは「台湾」だと思っていましたが、本当は「大陸」だったのですね。お父さんの仕福さんが日本にやってきたのが、中華人民共和国ができる前だったので国籍はそうなったのです。そんな、時代に翻弄されながらも一生懸命生きた王仕福さんの人生には心を打たれます。貧しい村で生まれ、父は自殺、母には捨てられ、一人で生きてきた仕福さんは、故郷には何も無かったのでしょう。身ひとつでやってきて、自分は字も書けなかったけど長男は医者に、末っ子は王貞治さんと、立派に日本に根を生やしました。しかし故郷への思いは? 著者が調べなければ王家の人たちでさえ知らなかった事実。一人の中国人の生き様を描いた一冊です。野球好きでない方もどうぞ。