日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
エクソシストとの対話

小学館ノンフィクション大賞

エクソシストとの対話

島村菜津

イタリアで活動するヴァティカン公認のエクソシストを取材し、悪魔祓いの儀式と、その背後にある信仰、苦悩、社会的な役割を追うノンフィクション。怪奇的なイメージに還元されがちな存在を、当事者の言葉と現地取材から見つめ直す。

エクソシズムカトリックイタリア信仰宗教と社会

作品情報

儀式の現場と人々の語りから、祈りと苦悩が交差する世界を描く取材記。

著者はイタリアで複数のエクソシストを訪ね、悪魔祓いの儀式にも立ち会う。そこに現れるのは、単純な恐怖譚ではなく、病や孤立、説明しがたい苦しみを抱える人々と向き合う宗教者の姿である。宗教的実践が現代社会でどのように受け止められているかを考えさせる一冊。

書籍情報

出版社
小学館
発売日
1999-05-01
ページ数
267ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784093792196
ISBN-10
4093792194
価格
194 JPY
カテゴリ
本/人文・思想/宗教/キリスト教・ユダヤ教/キリスト教史

Amazonで島村 菜津のエクソシストとの対話。アマゾンならポイント還元本が多数。島村 菜津作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またエクソシストとの対話もアマゾン配送商品なら通常配送無料。

レビュー

  • カンディド神父素敵です

    この手の事にはとんと疎かったので、本当にエクソシストが存在すること自体が驚きでした。カンディド神父は、何となくイメージしていた見るからにこわそうなエクソシストとは全然違いました。写真で見るカンディド神父は、悪魔と対峙するようなかたにはとても見えない、恥ずかしがり屋っぽい穏やかそうで素敵なイケメンでした。 実際にこういう事もあるのかと勉強させて頂いた一冊です。

  • 極めて愛に満ちたお話。

    想像していたおどろおどろしい描写はなく、伝説の愛に満ちた聖人といっても良いエクソシストの話であって、ラテン語の祈りで悪魔が体から出て行くという悪魔祓いを客観的な視点で書かれている。 4000件の悪魔付きが疑われる症例でも殆どが精神病院で治ること、それでもその中で48件は他に説明のつけようのない、悪魔の存在が疑われるものであること。。。48件が多いか少ないかはわからないが、やはりあることは事実らしい。口から出てくる釘でも現代の大手の釘屋のものであり、もし16世紀の釘というなら信じようと、エクソシストが言っているのも冷静で良かった。結局作者も傍から見ている立場でよくわからないという結論であった。本当のエクソシスト本人が書いた本が読んでみたい。でもいたずらに怖がらせるのではなく、あくまで冷静さを保った視点が評価できると思った。

  • めっけもん

    実に面白く読みました。1ヶ月も経たないのに、また読み直した本も珍しい。 大事にします。

  • すべての病めるひとたちへ

    なにも疑うことなく医療機関に通う、または医者や薬を信じられなくなっているひとたちと、子どもの苦しみを見かねる親たち、医療機関で働く人などすべてのひとに一度は読んで貰いたい本だと思う。 読みやすい文章と専門用語についている、わかりやすい説明のおかげで、聖職者・心理学者・患者・不良少年などへのインタビューが専門家でないひとにも読みやすく簡単にまとめられていて、あっというまに読みきれるし、何度でも知りたい部分をすぐに探して読み返すことができる。 『アメリカでは90年代、多重人格という病例が恐ろしく増えた。北米だけで六千人という数が報告されている。ところが、幸いイタリアには二重人格にしても病例が極めて少ないんだ。』 というイタリアの心理学者の話や、中傷からヴァチカンに呼び出されミサを行う事が困難になった黒人神父に癒されて、現代医学では直らなかった病気から立ち直った人々の話は、精神や体に不具合を感じる人の多くは最初、心の中の小さな不具合をうまく吐き出すことができなかったからかと思わせる。 一度の祈りで長く苦しめられた体の痛みが治まり不眠からも開放された女性が神父に病名を尋ねたときの答え 『病気だって?あなたは、夜、ちっとも眠れないでしょう』 は多くの人の病の原因に対する答えだと思う。

  • オカルト本ではありません

    エクソシストというとやはり映画を思い浮かべるでしょうか。しかしながら本作は安易にそういった現象をオカルティックに扇情するのではなく、現代人の精神の闇といったものに焦点を当ててます。宗教、精神医学、心理学などあらゆる面からアプローチし、”人間の心”の謎を問いかけてきます。考えさせられる一冊です。

  • 素晴らしい

    これのハードカバーを読み、また久しぶりに読み返したくなり購入しました。丁寧な取材と不思議な透明感のある筆致が、イタリアの空気感を運んでくれます。エクソシスト自体はお読みになれば納得できるように思いますが、すべての文章に通低する筆者の暖かい視線が心地よい一冊です。

  • 取材の熱意を感じました

    よく本書の内容を取材されたなと感じました。 著者の熱意を感じました。

  • 証言を通し沈黙と瞑想の生涯を送った老神父の姿

    エクソシストと言う言葉をフリードキン監督の同名映画で知ったという人が多いのではなかろうか? 私は原作となったピーター・ブラッティの小説の方で知った。 初めはキワモノかと思ったが、どうしてなかなか読み応えがある。 気になる頁に付箋を貼りながら読み、読了後に数えてみると前半部に集中していた。 著者が取材を始める4カ月前に死んだ高名なエクソシスト・カンディド神父の友人関係者を巡る様に話は進む。 証言を通し沈黙と瞑想の生涯を送った老神父の姿がゆっくりと浮かび上がってくる。 もはや叶わぬ思いなれど一度お会いしたかった…と思う。

関連する文学賞