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道元の冒険 (新潮文庫 草 168-3)

岸田國士戯曲賞

道元の冒険 (新潮文庫 草 168-3)

井上ひさし

禅僧道元と現代の患者を夢の中で交差させる戯曲。宗教、欲望、言葉の働きを喜劇的な仕掛けで揺さぶり、思想劇でありながら舞台上の運動感を失わない。

欲望言葉遊び思想喜劇

作品情報

夢の内と外が反転し、悟りをめぐる問答は笑いと混乱を帯びていく。

『道元の冒険』は、井上ひさしの初期戯曲を代表する作品の一つ。道元をめぐる宗教的な問いと、現代人の身体的な欲望が夢の構造の中で衝突する。新潮文庫版は ISBN が確認でき、電子版も紙版 ISBN を掲げている。

レビュー要約

  • 知的な題材を軽やかな笑いへ転じる力が評価されている。観念だけでなく、舞台上のテンポや人物のずれが作品の魅力を支えている。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1976-04-01
ページ数
383ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784101168036
ISBN-10
4101168032
価格
368 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

Amazon.co.jp: 道元の冒険 (新潮文庫 草 168-3) : 井上 ひさし: 本

レビュー

  • 井上ひさしワールド!

    鎌倉新仏教の巨星、道元。本人も分かって書いてるのか?と思うほど 難解な「正法眼蔵」。これらも稀代のストーリーテラー、井上ひさし にかかれば、これほどまでに面白く生き生きと語られる!舞台の形を 取って道元の半生、その弟子たちとのドタバタを描いたこの作品、と もかく面白く読めてしまうが、読み終わって、社会への強烈な皮肉、 そして人間・道元の苦悩にも気づかされる。

  • 酷い出来そこない!

    権威のあるものを笑いものにする、という喜劇は、よほど足元がしっかりしていないと、ただ自らを卑しくして終わります。これはその典型例と言ってよいでしょう。

  • 舞台であれば

    確認してないが、多分著者の壮年期、エネルギッシュ、というのか脂ぎった時期の作だろうと思われる。タイトル通り道元禅師を題材としてあるわけだが、禅師が度々睡魔に襲われ見る夢では、禅師が色情狂の犯罪者となっていて収監されている。犯罪者の立場からすれば、禅師となっているのが夢でたり。一応、メインは禅師だが、その中身は著者らしくくどく連打されてゆくくすぐり、笑いのめす言葉遊び。ミュージカル要素の濃く。一人で複数人をこなし、それも演劇的効果を狙ったもので、劇中劇もあり。この世は夢であり、芝居である。そう仏教、もしくは道元禅師の思想を解釈してのものだろう。非常に高度なことをされていると思うし、役者は大変だろうけれど、舞台はおもしろいだろうとは思う。さりながら、好きか嫌いかでいえば、嫌いだ。 #読了 井上ひさし著『十一ぴきのネコ 二幕 ー子どもとその付添いのためのミュージカルー』。これまたあくどいくらいにしゃれのめした喜劇仕立て。風刺なのだろうと思われる。雑駁に纏めてしまえば、貧しかった時代から高度成長期へと至り繁栄を手にし、その分失ったもの。こういってしまえば、月並みで陳腐でしかないが、それはこの戯曲(芝居)のつくられた当時であっても同様であったろう。ゆえに登場人物をネコにしたのだろう。舞台で見たら、おもしろいかもしれない、とは思う。

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