日本の文学賞

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縫わんばならん

新潮新人賞

縫わんばならん

古川真人

長崎の島を舞台に、一族の来歴や記憶の断片を女性の語りで縫い合わせていく。方言の揺らぎと、過去を手繰り寄せる声の運動が重なり、土地の記憶が立ち上がる新潮新人賞受賞作。

長崎家族史記憶方言語り

作品情報

過去に、記憶に、声に、もっと深く、まっすぐ向き合っていきたい。

第48回新潮新人賞受賞作。『寝相』に収録された表題作のひとつで、女性の語りを通して島の家族史をたどる。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2017-01-31
ページ数
138ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 1.7 x 19.6 cm
ISBN-13
9784103507413
ISBN-10
4103507411
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

選考委員の星野智幸氏、桐野夏生氏絶賛、新潮新人賞受賞の新鋭の話題作。九州長崎の漁村の島を舞台に、一族をめぐる四世代の来歴を女性の語りで綴る。ほころびていく意識から湧き出る声を聴き取り、「縫わんばならん」と語り継ぐ……「過去に、記憶に、声に、もっと深く、まっすぐ向き合っていきたい」―― 語り合うことで持ち寄る記憶の断片を縫い合わせて結実したものがたりは、人生の彩りを織り成す。

レビュー

  • 読み応えあり。

    古川真人(まこと)のデビュー作。なかなか面白かった。

  • 面白いのだが、物語も文章も生硬なところがある。

    〇 福岡の島に生まれた次女と三女の回想により、家族と島の生活を浮き彫りにする。語られる内容は戦中戦後の村と家の様子だ。込み入った話がよく整理されている。島にある漁村の歴史も風情も面白い。 〇 難を言えば全編を通じて流れないこと。さらに言うと三つの章の仕上がりにムラがあることだ。第一部は三姉妹の次女の回想で冒頭は退屈(描写が細かすぎると思う)、第二部の三女の回想は面白い。これが一番良い。第三部は長女の葬儀できわめて退屈。 〇 文章についていえば、精緻な描写だが色々と試している習作だなと思わせるところもあって生硬。会話の九州方言は、これが無くては島の物語にならないのだと理解しつつも、関東育ちの私には癖が強すぎて物語に入るのを邪魔する。

  • 才能はある。だがこれでは普通の読者はついてこれない

    風景描写は新人離れしています。地方の田舎町の描写を読むだけでも、一読の価値はあります。 ですが、いかんせん小説として難しすぎます。これは小生の読解力の低さだけに起因しているのではないと思います。 視点人物が次々代わる、時代が次々代わる。それも似たような話だから読んでいて決定的にこんがらがる。 それでいて面白いかと言えば面白くない。冒険心は買いたいが、このままではカルト的な読者しかつかないのではないか。 それではもったいない。だからこそその素晴らしい文体と風景描写を駆使して、シンプルな展開の物語を書いていただきたい。 ただ語彙の豊富さや独自の文体、雰囲気には才能は感じさせます。 今回は合いませんでしたが、次の作品を読んでみたいという気持ちにはなりました。 がんばってください。

  • 枚数をあと少し

    執拗と呼んでもよいほどの、ひとつひとつの描写が濃い。それに加えて目まぐるしい。さらにはページ数が多い。だから胃もたれならぬ、読みもたれを起こしてしまう。

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