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海を覗く

新潮新人賞

海を覗く

伊良刹那

美に取り憑かれた高校生の速水が、同級生の北条との関係の中で耽美と絶望を見つめる。

耽美青春

作品情報

美に取り憑かれた高校生の速水が、同級生の北条との関係の中で耽美と絶望を見つめる。

美に取り憑かれた高校生の速水が、同級生の北条との関係の中で耽美と絶望を見つめる。。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2024-03-27
ページ数
176ページ
言語
日本語
サイズ
18.8 x 12.7 x 2 cm
ISBN-13
9784103554417
ISBN-10
410355441X
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

高一の夏に三島由紀夫と出会った十七歳が放つ、新潮新人賞史上最年少受賞作 海を見た人間が死を夢想するように、速水圭一は北条司に美を思い描いた――高校二年の春、同じクラスの北条の「美」の虜になった美術部の速水は、彼をモデルに肖像画を描き始めた。デッサンの進捗と共に二人の仲は深まっていくが、夏休みのある出来事が速水の心を打ち砕き――少年の耽美と絶望を端正かつ流麗な文体で描き、選考会でも激論を呼んだ話題作。

レビュー

  • みんな17歳だった

    冒頭の一文から、驚いた。 なんだろう、これは。 そして、最後の場面で、この物語で語られた「美」のすべてが、水面の上にきらめいたかと思うと、すっと消えていく。 主人公と同じく、満ち足りた気持ちになる。 こんな恋があるのか。 あるのだ、きっと。 17歳の、あの頃なら。

  • この才能が本物なのか、温かく見守りたい

    令和の時代の小説なのに、スマホもsnsもメールも出てこない。古風で難解な表現が沢山出てきて、書いている人はとチェックすれば、受賞時なんと17歳。ちょっと、背伸びして書いていないか? と、心配になるほど大人びた文体。なんとなく、三島由紀夫っぽい雰囲気も読んでいて感じる。 ちょっとだけ気になった点がある。作中、棚橋さんの容姿を”酷い顔”とか、”ブスな女”とか書かれているが、もしかして昭和の小説だったら許されるだろうが、令和の時代の今、小説とは言え、果たして適切な表現なのだろうか? 出版社でもこの表現を許可したことになる。そんなことで大丈夫か? 表現の自由がどこまで許されるのか? 私以外の読者でも同じ意見の方は多数いるはず。 まあ、でも、確かに才能の片鱗はあるのかも知れない。次回作に期待したい。

  • umm...

    これはまだ採らない方がよかった作品のように思いました。冒頭から中二病くささが漂い、「最も人間から遠い美」「全てをひれ伏させる美」などの表現に漫画っぽさを感じました。なんでまた単行本の装丁もこんな中二病っぽいものにしてしまったのか。。ただ部活で絵を描いている高校生が「自分は芸術家であるけど天才では無い」とか、「えっ」ってなったりします(笑)途中の芸術論とかも小林秀雄が読んだら「・・・オウ」ってなりそうなやつ(笑) 選考委員も大笑いしながら読んだと言うなら、この人のために、まだ採らない方がよかったのでは?「17歳が書いた」と言うマーケティング込みでの採用なのでしょうか。 同じ高校生なら、2023年文藝賞短編受賞作の西野冬器さんがトンデモ才能だと思います。(高校生という単純な比較において)私が編集者なら断然こちらの作家を推します。 例えばですが、綿矢りささんや町屋良平さんの作品は、一見幼く、難しい言葉も使っていませんが、作家が確実に自分のものとしている表現や言葉があります。 力作であるし、熱量もあるので、いずれもっとブラッシュアップしていい作品が出てくるまで待ったらよかったのに。 なぜかタイトルにアルファベットしか使えないのでタイトルは適当です。

  • 難しい言葉を知ってるのねえ

    としか思わない、表面的に三島由紀夫を意識しただけの作品としか思わなかった。 主人公を美術部員にしたのも北条を観察できる立場に置くためのご都合主義にしか思えず、その美の形容も、『禁色』などに比べて、華美な言葉が連ねられている割に全く具体的でない。 主人公の先輩も、アクセントとして人物造形したのだろうが、村上春樹の『ノルウェイの森』の永沢などと比べると全く生きていない。主人公にせよ、この先輩にしろ、美術そっちのけで高校生らしくない観念論をぶつけ合ってんじゃないよ。私小説で、知的レベルが作者と同じなら設定上はまだしも、こんな高校生がそこらじゅうにゴロゴロいるわけがない。 奇しくも、佐藤究氏もほぼ同時期に三島由紀夫を意識して『幽玄F』を書いた。文体もテーマも全く違うのに、三島由紀夫への思いの深さを感じた。これは作家歴の長さだけによるものではないだろう。 同性に寄せる感情という、今や「手に垢ついた」題材についても、新潮社サイト内での著者インタビューを読むと、「性別を超えた美しさを描きたかったから」であったり、「男性だから男性同士は書きやすかった」などと答えており、「性別を超える美しさ」などないし、三島由紀夫は女性を書くのがむしろ上手かったことなどを考え合わせると、三島由紀夫ファンとしても「?」である。 「三島由紀夫に憧れて、模倣する高校生作家」の青さを作中小説として書いたなら化けたのではないかと思った。三島由紀夫の『仮面の告白』『禁色』『豊饒の海』なんかを読み直したくなったのは収穫ではあった。

  • 小説家ってこのくらい中二病でいい

    文章の色鮮やかさは確かに瞠目するが、何を言ってるかわからない時がある。作者的には整合性が取れているのだろうが、所々「なんとなく」「それっぽく」書いている部分が見受けられる。 だけど、これでいいと思う。所詮文学、オスカーワイルド曰く、「ジャーナリズムは読むにたえず、文学は誰にも読まれない」のであれば、我々のような未だ文学を読むようなマイノリティに向けて書く作品なんてたかが知れてる。それならばこのくらい捻ってみて、文章だけで読ませるような小説もあっていい。次の作品に期待。

  • 話題性重視−三島ファンの素人作品

    三島の小説に出てくる難解な語彙や抽象概念を少しばかりひねった文章を羅列して自己満足している、何の中身もない作品、というのが率直な感想。 三島の場合は幼少期より培ってきた潤沢な語彙から適確に選出してあてがっているが、彼の場合その逆で、頑張ってなんとか覚えた語彙をできるだけ使おうとしている印象を受ける。そのためか文章が稚拙だし、無理をしている感じが伝わる。この本の文章よりそこらにいる作文の上手い高校生の方がよほど良い文章を書く。 近年、「最年少」だの「女子大生」だの、とにかく注目が集まりそうな要素を持った作者に賞を安売りする傾向が文壇に見られるが、いい加減にしてほしい。本当にこの作者の作品を一番に評価しているのか?もっと良い文章を書いて来た応募者はいなかったのか? こんな一過性のマーケティング戦略を続けて文學界が再び隆盛するとは全く思えない。

  • 面白くなかったです

    星一で投稿したら削除されましたので、再度端的に。 ナルシスティックな話が好きなら好きかも、という青春小説です。文章も話しも無駄に長いので、私には駄作としか思えませんでした。面白くも美しくもなかったです。 もちろん、個人の感想です。 あ、あと真夜中乙女戦争にそっくりなので、それ好きなら好きかも。

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