信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
ベルリン滞在中のアルトーに奇妙な話を語る男を起点に、信長とヘリオガバルスを両性具有の暗黒神話として結び直す伝奇歴史小説。
作品情報
時空を超えて、知られざる信長像が立ち上がる。
織田信長とローマ皇帝ヘリオガバルスを結びつけ、伝承や史料の断片から新しい信長像を立ち上げる伝奇小説。時空をまたぐ語りが、歴史の謎をダイナミックに描く。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1999-12-01
- ページ数
- 323ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784104336012
- ISBN-10
- 4104336017
- 価格
- 900 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス : 宇月原 晴明: 本
レビュー
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おすすめ!
交わらない筈の時代や人物を違和感なく絡め合わせ、最後まで読ませてしまうパワーが凄いです!
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Welcom to back大袈裟・大風呂敷・妄想
信長記(俗)などに由来するとっくの昔に否定されているような俗説、 伝説を確信犯的に使い倒しています。 信長と古代シリア由来の狂帝ヘリオガバルスを初めて結びつけたのは澁澤龍彦 ですが、登場人物の名前や設定、挿話の端々に澁澤へのオマージュが ちりばめられています。 妄想が暴走しているので、まじめな時代小説ファンなんかは受け付けない かもしれませんが、しかし多分、作者には初めから狭義の“時代小説” なんてつもりは微塵も無かったんじゃないでしょうか。 これはファンタジーだ。そのつもりで読むことをお勧めします。また、 この本を読んでおもしろかったらアントナン・アルトーの『ヘリオガバルス・ または戴冠せるアナーキスト』も読むとおもしろいと思います。
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賛否両論
「スサノオ」「信長」「ヒトラー」を同系列の人間として扱う手法は栗本薫氏の「魔界水滸伝」などでも読んだような・・・また、キリスト教以前の文明(宗教)がキリスト教の広がりと共に駆逐され、(ローマから見た)辺境の地にのみ残るという考え方や、キリスト教以前の神々が「悪魔」とみなされるという考え方も、方々で語りつくされてきた。そこに「両性具有」の考え方を入れてきたところは新しいかとも思われる。 いわゆる異教伝説の好きな方には「またか」という感じがあると思うが、この手の話をあまり読んでいない方には新鮮に感じられると思う。また細部まで書き込まれた文章なので、「フィクションが読みたい!」という気分の時にもよいかもしれない。ただ時代が行き来するので、ある意味気が散る感もある。。。
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東西のオカルトで再解釈する戦国乱世
東西のオカルトで再解釈する戦国乱世。 ユーラシア大陸を横断する形で古代シリアから日本へ伝播したバール(牛頭の太陽神)信仰を軸にして、古代ローマのヘリオガバルス、中世日本の織田信長、そしてナチスドイツの台頭に結びつけてしまうという発想が途方もない凄さ。 その一方で、宴会芸でオペラもどきの一人芝居を披露したり、いちいち黙示録になぞらえて行動したりで、やりたい放題な信長にもまた呆然であります。 信長の正体に迫る重要な役に思えた今川家の老忍たちが、年齢に勝てず(!)、いつの間にか退場している扱いでびっくり。
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傑作です
異様なタイトルに魅かれて手に取りました。 読んでいる間、赤黒い炎を常に感じていました。 ローマ皇帝・ヘリオガバルス、織田信長、ヒトラー・・・ あとは読んでのお楽しみ!!
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新たな信長
今までの信長像を払拭させる新たな見解で信長を語った物語。今までの信長についての謎が恐ろしいほどしっくりとくる解釈で解き明かされ、幻想的な新たな歴史観を作り出しています。遠く異国の地の統率者と信長を結び付けている点や、二十世紀半ばの視点から信長を見ている点がこれまでの信長小説にない、いい味を出していると思います。読み終わったあと、信長の偉大さを感じ、言葉に出せない信長の魅力をさらに大きくしてくれる本です。
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文学ではない「ファンタジーノベル」
信長にまつわる事件に今までにない独創的な解釈を提示する小説。信長と紀元前のローマ皇帝ヘリオガバルスを結びつける観点は非常に面白く、資料を綿密に調べたあとが窺えます。しかしそれだけの小説というかんじです。 オカルト的な事件解決には違和感を感じ、まぁ小説なのでそれを置いておくにしても、かと言って単なるファンタジーとして楽しむにはつまらない。 この作品には抒情性、行間の雰囲気などの文学的要素は求められません。文章力も感じません。文学としては評価できませんが、著者の歴史的思考力のみ評価します。 日本史好きの方には新たな考え方を提供してくれますが、歴史小説が苦手な方、文学として読みたい方にはお勧めできません。
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こんな小説のジャンルがあるんですね
3世紀のローマ帝国末期の皇帝と信長が、1930年のベルリンにおける思索家の中で結びつくといういとも荒唐無稽な話しです。著者はこのようなジャンルの第一人者として名高いので読んでみたのですが、あまりにも突飛な話しでとてもついてゆけませんでした。ただ、直感的にですが、熱烈なファンが出来そうな文体、話しの進め方ですから、波長の合う方には非常に評価が高いことが頷けます。