作品情報
一通の不穏なメモが、古い下宿屋に暮らす人々の秘密と殺意をあぶり出す。
『読後焼却のこと』は、ヘレン・マクロイの原題 Burn This にあたるベイジル・ウィリング博士シリーズの長編ミステリー。殺人計画をほのめかす紙片から始まる事件は、下宿屋という狭い生活空間にいる人々の視線、戦争帰還兵への偏見、母親の切迫した信頼を絡めながら進む。心理分析を得意とする探偵役の特質が、物証だけでなく人物の恐怖や思い込みを読む物語として生かされている。
レビュー要約
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古いボストンの家に作家たちが集う設定と、最後に要素が結びついていく構成を評価する声がある。後期作らしい落ち着いた筆致を好む読者には読みやすい一方、初期作ほどの鋭さを求める読者には物足りなく映ることもある。
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ベイジル・ウィリング博士ものの終盤作として、発端の不穏さと下宿屋の人間関係に引き込まれるという反応がある。結末の納得感には賛否があり、シリーズの成熟した余韻を楽しむ読み方と、謎解きの強度を控えめに感じる読み方に分かれる。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 1982-02-01
- ページ数
- 187ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784150013875
- ISBN-10
- 415001387X
- 価格
- 2200 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/英米文学
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レビュー
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マクロイの遺作
ヘレン・マクロイは本格派でデビューしましたが その後、本国でも本格物は売れなくなったこと 結婚相手(ブレット・ハリデー)の影響で サスペンス物に転向していました それはそれで傑作も生み出しているのですが 戦後2度ほど本格物に回帰しようとしていて その2回目がこの作品です トリックは当時は斬新だったんだろうけど 今では陳腐になってしまっている 人の不安をかき立てる中傷の手紙と それを取り巻く心理の動きはさすがマクロイですが それ以外の書き込みは非常に浅いのが残念です
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- ネロ・ウルフ賞 第2回(1980年) ・受賞