記者魂 ((ハヤカワ・ミステリ1849))
ロードアイランド州プロビデンスの下町で続く連続放火を、地元紙記者リアム・マリガンが追う。古い町と新聞業界の衰退、政治と警察のしがらみが絡み、記者としての執念が故郷の闇を掘り起こしていく。
作品情報
地方紙記者の執念が、燃える街の奥に隠れた利害を暴く。
原題は Rogue Island。早川書房から青木千鶴訳『記者魂』として刊行された。地元を知り尽くした新聞記者が、連続放火の背後にある腐敗と沈黙に切り込む、現代的な新聞記者ミステリ。
レビュー要約
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辛口の語り口と街の空気の描写が強く、主人公の皮肉と職業意識が物語を牽引する。暗い事件を扱いながらも、テンポのよい取材劇として読ませる点が支持されている。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2011-07-08
- ページ数
- 382ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784150018498
- ISBN-10
- 4150018499
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
マリガンはしがない地方紙記者。生まれ育った町で起こる事件を、自分流を貫きながら追いつづけてきた。ある日、古い住宅ひしめく一画で連続放火事件が発生。子どもたちや、幼馴染の消防士も命を落とした。絶対に犯人を捕まえてやると意気込み、取材に奔走するマリガン。しかし、ただの放火魔の犯行とは思えぬ状況になってきた。この故郷で、いったい何が起きているのか?身の危険を感じつつもマリガンは執念の取材を続けるが……。エド・マクベインが見出した新鋭の話題作! アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞。
元AP通信記者。コロンビア大学ジャーナリズム部論文指導教官。ミステリ作家になるためジャーナリストとしての41年のキャリアに終止符を打つ。本書でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞。ニュージャージー州在住。
レビュー
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コージー風味のハードボイルド?
ベテラン記者がさまざま妨害に挫けることなく、連続放火事件の真相を追求するという直球勝負のハードボイルドなストーリーが展開されます。 主人公の頭痛の種となる元妻を含めて、実はピューリッツア賞受賞経験ありという主人公の設定など登場人物は予定調和的な性格付け、配役となっています。ストーリーだけ追えば苦い面もありますが、万人に受ける線を狙った話かと思います。 個人的には物語の決着のつけ方が、あまりにご都合主義で、こんなことが許されて良いのかという展開なので、あまり好みに合いませんでした。 それなりに面白く読めますので、とりあえず時間をつぶせる読み物を探しているという向きには、問題なくお薦めできます。もう少し凝った作品を読みたいという向きには、最近出たポケミスで出た中では「二流小説家」や「湖は凍えて煙る」といった書作のほうがお勧めです。
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軽めのタッチのハードボイルド佳作
40年以上のジャーナリスト経験をもつベテラン記者の処女作で、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞した佳作。 ノリは軽めだが、記者が主人公のしっかりしたストーリーを持つハードボイルド。 独立13州のひとつであるロードアイランド州が舞台となっており、場所がらボストンが近いこともありレッドソックスの話題や松坂の記述もあり、にやりとさせられる場面もあった。 第二作がアメリカで出版されたようなので、翻訳の出版を期待して待ちたい。
関連する文学賞
- マカヴィティ賞 第25回(2011年) ・受賞