樹脂 (ハヤカワ・ミステリ 1923)
『樹脂』は、外界から隔絶された家で暮らす少女リヴと、家族の秘密をめぐるデンマーク発の心理サスペンスです。自然、孤立、愛情と支配が絡み合い、親子の関係が保護と暴力の境界を越えていく過程を不穏に描きます。
作品情報
森の奥の家に閉じ込められた家族の愛と狂気を、静かな恐怖として描き出します。
早川書房のハヤカワ・ミステリとして刊行された日本語版は、アーネ・リールの原作『Harpiks』を訳した作品です。少女の視点と家族をめぐる暗い事情が重なり、北欧ミステリらしい冷ややかな空気の中で、愛情が歪んでいく怖さを描きます。
レビュー要約
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閉塞した家庭環境の描写と、徐々に明らかになる異様な秘密が強い印象を残す。派手な展開よりも心理的な圧迫感を重視する読者に響く作品である。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2017-09-07
- ページ数
- 272ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.6 x 1.2 x 18.4 cm
- ISBN-13
- 9784150019235
- ISBN-10
- 4150019231
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
デンマークの僻地に住む一家。ほぼ自給自足の幸せな暮らしは、クリスマスに起きた事件を境に一変する。変わり者の父は偏屈さを増し、物静かな母は次第に動けなくなり、少女リウはゴミ屋敷と化した家で、隔絶された世界しか知らずに育っていく。やがて赤ん坊が生まれることになったが、そのときリウは父の意外な姿を目にし……。一家はなぜこうなってしまったのか? 心を打たれる切なさで北欧ミステリ界に新風を吹きこみ、北欧最高のミステリ賞「ガラスの鍵」賞、デンマーク推理作家アカデミー賞の二冠に輝いた傑作長篇。
1971年デンマーク生まれ。児童書や教科書の執筆に携わった後、2013年に長篇デビュー。第二作にあたる本作で「ガラスの鍵」賞を受賞するなど高い評価を受けた。
レビュー
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始まりと、終わりと。
読み終わって何ヵ月か経つのですが、始まりと終わりの情景が染み付いて消えません。 グロテスクで不思議な家族の話です。
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インパクト大
通常、残酷な場面があると、その本を読むのをやめてしまうのだが、これはやめられなかった。最初の方は死とか、人間と自然との関係とか、そういうのがテーマかと思ったのだが。そういうのもテーマの一部ではあるのだろうが、だんだん人間の狂気というか…。強烈だったな。 内容について書くのは難しい。これから読む人のワクワクドキドキを減らすことしか書けない気がするので断念する。が、「商品の説明」にある「クリスマスに起きた事件を境に一変する」は違うと思う。「境」は別のところにあると思うのだが。