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殺生関白の蜘蛛 (ハヤカワ文庫JA)

アガサ・クリスティー賞

殺生関白の蜘蛛 (ハヤカワ文庫JA)

日野真人

日野真人の『殺生関白の蜘蛛』は、茶器「平蜘蛛」をめぐる密命を軸に、豊臣秀次事件の時代へ分け入る歴史ミステリ。武人・舞兵庫が複数の権力者の思惑に挟まれ、窮地の中で選択を迫られる。

歴史ミステリ豊臣秀次茶器密命

作品情報

平蜘蛛を探す密命が、武人を権力の渦中へ引き込む。

第7回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作。早川書房のハヤカワ文庫JAとして刊行され、戦国末期の政治的緊張とミステリ的な仕掛けを組み合わせている。

レビュー要約

  • 時代小説としての読み応えや武人の変化を評価する声がある。終盤の謎解きの置き方については好みが分かれる。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2017-11-21
ページ数
336ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.3 x 15.7 cm
ISBN-13
9784150313074
ISBN-10
4150313075
価格
814 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

第7回アガサ・クリスティー賞優秀賞作品 太閤秀吉か? 石田治部少か? ……あるいは、松永弾正の蜘蛛なのか? 秀次事件の真犯人は、誰だ? 「松永弾正が蔵した天下の名器・平蜘蛛の茶釜を探せ」豊臣家に仕える舞兵庫は、太閤秀吉と関白秀次から同じ密命を受ける。太閤への恐懼か、関白への忠義か……。二君の狭間で懊悩する男の周囲を、石田三成が暗躍し納屋助左衛門が跳梁する。吹き荒れるのは後嗣を巡る内紛の嵐。果たして権力者達が渇望する平蜘蛛の禁秘は何をもたらすのか? 茶器に潜む密謀と秀次事件の真相に迫る歴史ミステリ。第七回クリスティー賞優秀賞。

レビュー

  • 講評どおり地味な作品

    普通の時代小説。クリスティ賞受賞作という宣伝はずるい。ミステリ要素はほぼない。前提の思い込みがなければ普通に楽しめたと思うが、乗りきれなかった。残念。

  • 「平蜘蛛の茶釜」の行方と正体を追いかけるミステリ+時代小説

    アガサ・クリスティー賞優秀作であります。 松永久秀と共に爆散したはずの「平蜘蛛の茶釜」がひそかに持ち出されていた? 「平蜘蛛の茶釜」の行方と正体を追いかけるミステリ+時代小説。 主人公に起用されたのは舞兵庫。知らない名前でしたが、調べてみると実在の武将でびっくり。まことに渋い人選であります。「前半生がよく分かんないということはいくらでも好きに脚色できるということなんだ!」といった感じのキャラクター造形がまことにあっぱれ。 歴史上の謎に独自の解釈で挑んだ歴史ミステリーかと思いきや、伝奇的解釈にもとづく時代謀略小説だったというのが正直な感想。「平蜘蛛」探索を命じられて街に出ると、いきなり刺客が襲ってくるようなお話です。参考文献には挙がっていませんが、立花京子著『信長と十字架』と宇月原晴明流戦国伝奇歴史小説三部作と通俗解釈の千利休キリシタン説をブレンドし、加藤廣著「信長の棺」風のミステリっぽく味つけしました……とでも説明しておいたらイメージはつかめるでしょうか。ミステリ色は意外に薄かったです。よくいえば端正に整ったプロットですが、「平蜘蛛の茶釜」のとんでもない正体をはじめ、大ぼらのスケールに比べて、物語の進行が地味でこじんまりしているのが何とも残念。 物語の中心になるのは「殺生関白」豊臣秀次事件。豊臣秀次は「いくさのない世の中を作るのだ~」などとどこかの大河ドラマみたいなことをいっている現代人好みの立派な人物として登場するんですが、書いているうちに作者も持て余してきたのか、だんだん残念な殿さまになってしまい、何だか中途半端でこれまた残念な扱い。 最後にはいちおう一連の事件の真相が解き明かされますが、そうした謎で引っ張っていくようなお話でもないので、別になくてもよかったんじゃないかと思わないでもないような。 がっつり濃い歴史ミステリとして描くか、荒唐無稽上等の伝奇方向で進めるか、どちらかに振り切った方がよろしかったのでは。

  • ミステリ色はそんなに濃くない。日本史好きにはお勧め。

    他のレヴュアーの方が書かれているとおり、ミステリの要素はそこまで強くないです。一応最終章が解決編のようになっていますが、謎解き自体にそこまでのダイナミクスがないので、推理小説を読んだ感じはしないです。 とはいえ、内容自体は読みやすく、つらつらと最後まで読んでいくことが出来ます。私自身が世界史専攻だったこともあり、豊臣秀次(殺生関白)という人物についての予備知識はゼロでしたが、各人物の造形が丁寧で、普通に楽しむことが出来ました。 漫画「へうげもの」の第1話に出てくる「平蜘蛛の茶釜」。これに対する歴史的仮説(かなりのトンでも説ですが)を軸に物語は進行していきます。主人公の舞兵庫をはじめ、出てくる人物の多くは史実に名を残している人のようです。日本史好きの方はより楽しめる内容ではないかと思います。

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