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死の味〔新版〕 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

マカヴィティ賞

死の味〔新版〕 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

P・D・ジェイムズ

『死の味』は、P・D・ジェイムズによるミステリです。受賞時に注目された主題や語りの調子を手がかりに、人物、場所、出来事が重なり合う作品として読むことができます。

事件推理人物描写

作品情報

『死の味』は、題名が呼び込む情景と作者の関心を結びつけながら、受賞作としての輪郭を残す作品です。

『死の味』はP・D・ジェイムズのミステリとして、早川書房から刊行された作品です。題名に示された対象や場面を入口に、時代の空気、生活感、人物の内面を読み取れる構成になっています。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2022-02-16
ページ数
448ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.8 x 15.7 cm
ISBN-13
9784150766184
ISBN-10
4150766185
価格
1342 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

教会の聖具室で血溜まりの中に横たわっていた二つの死体。殺されていたのは、浮浪者ハリーと元国務大臣のポール・ベロウン卿だった。一見何の関係もないような二人がなぜ同じ場所で死んでいたのか。そして、死の直前のポール卿の不可解な行動は事件にどうつながるのか? 繊細な感性と鋭敏な知性で難事件を解決してきたダルグリッシュ警視長がベロウン家の秘密を解き明かす。著者の代表作にして英国推理作家協会賞受賞作

1920年英国オックスフォード生まれ。62年アダム・ダルグリッシュ警視シリーズ第1作『女の顔を覆え』を発表してデビュー。71年『ナイチンゲールの屍衣』、75年『黒い塔』、86年『死の味』(本書)で三度英国推理作家協会(CWA)賞シルヴァー・ダガー賞を受賞。87年には同賞のダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)、99年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞巨匠賞など、権威ある賞を多数受賞している。ほかに『神学校の死』『殺人展示室』『灯台』『秘密』『高慢と偏見、そして殺人』(以上ハヤカワ・ミステリ)などを発表し高い評価を受けた。2014年没。

レビュー

  • 傑作。新訳も素晴らしい

    オールタイムベストに入る傑作。なんでもっと早く読まなかったんだろうと思ったけど、この新訳で読めてよかった。P.D.ジェイムズの他の作品も青木さんの訳で出し直してほしいです。

  • 傲慢とユーモアに、身を二つに折って笑い転げました!

    初めてフィリス・ドロシー・ジェイムズのミステリを読みました。 アガサ・クリスティを継ぐ英国の女王とか、「女には向かない職業」が傑作だとかの世評は存じてましたが、まっさらの白紙状態です。なのでホームズ役の警視長アダム・ダルグリッシュ、その部下ケイト・ミスキンも初対面。いきなり著者畢生の大作にぶち当たったのですが大正解でした(笑) もともとミステリを読まない人間です。理由の一つは謎解きの部分が往々にして理解できない知能の低さにあるのですが(こんな白痴ぶりをさらすのは屈辱的ですが事実だから仕方がない)、 ①ミステリとしてよく理解できなかったら一度だけの読み捨てでいいや ②ミステリ以外の普通小説、風俗小説、日常を描く英文学として読んで面白かったらそれはそれでひろいもの、 と、はなはだ意識低い系で読み始めたのですがこれが①②とも大傑作。 冒頭、老嬢と少年が教会の聖具室で血の海の中に二人の死体を発見する出だしから、スタイリッシュこの上ないダルグリッシュ警視長や警察のメンバーの登場の仕方から関係者の捜査が始まる展開へと、筆者のような一見さんにもわかりやすく、それでいて②の英文学として(は大袈裟か)少なくともイギリスの普通小説として、イギリス人の(いささか誇張されているだろうけれど)色々な登場人物を描き出すなかで、 aイギリス式ユーモア b社会の構築、運営方法、権力の行使の仕方 c考え方、文化 d 結婚後の複数の男女の性愛の感覚 を描き出し、abについてはアガサ・クリスティのミス・マープルものを読んだとき、社会を達観したような相対的・俯瞰的な目で見て、そこから観察された人間観を感じたことがありましたが、それより遥かに深く面白く構築されており、ときどき爆笑しながら読みました。 またdについては「これではほとんど乱婚ではないか」と思える素晴らしさで、それを倫理的に描かず事実として淡泊に書く小説を筆者、ほとんど初めて読む未知の領域で、これ、P・D・ジェイムズ愛読者の方々にはお馴染みなのか、それともこの作品特有の人間模様なのか、それともイギリス文化にはそうした性質があるのかは不明ですが(しかし事実だとしたらイギリスはフランス以上に進んだフリーセックスの文化ですな)度肝を抜かれながら読み進めました。 もっとも度肝を抜かれたのが被害者の母上、レディ・アーシュラ・ベロウン。 彼女の言動は物凄いの一言で、これはぜひ原典にあたって読んでみて頂きたい。すくなくとも筆者がもっとも大爆笑したのはこの82歳の烈女の言動でした。いやあ、こんな女性、見た事がなかったです!

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