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スタンド・アローン (ハヤカワ・ミステリ文庫 リ 5-3)

アガサ賞

スタンド・アローン (ハヤカワ・ミステリ文庫 リ 5-3)

ローラ・リップマン

私立探偵として独立したテス・モナハンは、出所した老人ルーサー・ビールから、かつての事件を目撃した子どもたちを捜してほしいと頼まれる。償いを望むという依頼に応じたテスだが、目撃者たちが次々に命を落とし、ボルチモアの地域社会と福祉制度に根を張る事件へと踏み込んでいく。

私立探偵贖罪児童福祉ボルチモア人種と階級

作品情報

償いを望む元受刑者の依頼が、テスを子どもたちの命を脅かす事件へ導く。

『スタンド・アローン』は、ローラ・リップマンのテス・モナハン・シリーズ第3作にあたる長編ミステリで、原題は『Butchers Hill』。元受刑者が残した事件の目撃者を追うテスの捜査は、犯罪の記憶だけでなく、子どもたちを取り巻く制度と都市の格差を照らし出していく。早川書房から吉澤康子訳のハヤカワ・ミステリ文庫版が刊行された。

レビュー要約

  • テスの調査を通して、人種、養子縁組、里親制度、地域の格差を絡めた描写が評価されている。会話の鮮やかさと、ほろ苦く説得力のある結末も印象として挙げられる。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2000-11-01
ページ数
424ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784151716539
ISBN-10
415171653X
価格
137 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学

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レビュー

  • ボルチモアと孤児を主軸に描く

    単純なように見えて、最後まで、どのように落ち着くかがわからない展開。シリーズの特徴であるボルチモアと言う街の特性、そして人種問題と孤児についての状況を巧みに取り入れている。主人公の性格は好きになれないのだが、シリーズを読み通してみたくなる魅力があった。 同じような私立探偵を長く書いているロバート・パーカーの「スペンサー」や「ランドール」を読んでいたが、本書を読むと、パーカーが色褪せて見える。

  • 日本には無い感じ

    日本ではあまり耳にしない里子絡みの込み入ったミステリで、 これまた日本にいると感じない白人黒人の差別問題、危険な貧困街など 普段考えないだけに興味深いテーマも多い ただ登場人物が多いのと、二つのテーマが同時に展開されるので、 どうにも読んでいて混乱することもしばしば 周りの人間が便利すぎて主人公も役に立ってるんだか立ってないんだか 分からないところはマイナスだろう 日本ではこういったミステリだと意外な人物が犯人だったりするが、 あまりそういったことは期待しないほうがいいだろう 読むのは大変だったが、それなりに楽しめた作品だった

  • こんなラストがあってもいい。

    このシリーズで6冊読んでいるのですが、これを読んだために、読み続けていると言ってもいい一冊です。 登場人物が悪役含めて魅力的なのはシリーズ通してです。弱いところも嫌なところも併せ持った等身大の人々が出てくるかと思えば、奇異でファンタスティックな人々も登場し、話が動いていきます。テス自身はというと、パーフェクトには程遠く、コンプレックスも抱えているし、格好悪いところやずるいくて弱い面もある。本当は人を頼って得た情報を、さも自分が調べたかのように言って自分を大きく見せようとしたりもする。それでも、譲れないところでは絶対に曲げないし曲がらない。そんな、かっこ悪さを抱えつつも一本芯の通ったテスは、オールマイティーなヒーローヒロインよりも遥かにかっこよく見えます。 そんなテスが追いかける事件ですので、話は二転三転します。依頼人に関しては信じていいのか疑っていいのかもあやふや。でも、たどり着いたラストで、そうだったのか、と納得しました。あの言葉を言う人のような立場で、こんな気持ちになれる人なんて、そうはいない。でも、こんなラストがあってもいいんじゃないかと思います。 好き嫌いはあるでしょうが、誰かの「お気に入りの一冊」になる本だと思います。その誰かがこの本に出会ってくれれば嬉しいです。

  • かなり甘口の私立探偵もの

    随所にひかる描写や会話があって、思わずニヤリとさせられるのだが、冒頭の、依頼人が名前を偽って自分を探させ、主人公テスの調査能力を試すというのは、明らかに無意味なひねりだ。 依頼人は、テスの祖父に関係があるからテスに依頼してきたのだから、そんなことをする必要はないはず。 それに、この私立探偵は、新聞社のコンピューター係の友人や、州機関職員の伯父など、都合のいい協力者が多すぎる。 読後感が妙にさわやかなのもいただけない。 甘口の私立探偵ものが好きな人向きか。

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