作品情報
失踪事件の記憶が、年月を経て家族の真実を揺さぶる。
『女たちの真実』は、原題『What the Dead Know』の日本語版。ハヤカワ・ミステリ文庫から刊行され、二人の少女の失踪をめぐる未解決の過去が、現在の証言と記憶によって揺さぶられる。
レビュー要約
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事件そのものだけでなく、残された家族と町の記憶を掘り下げる点が読まれている。派手な謎解きよりも、過去の傷が現在に影を落とす心理描写が印象を残す。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2008-02-01
- ページ数
- 555ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784151716607
- ISBN-10
- 4151716602
- 価格
- 150 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
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レビュー
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「家族とは」、「生きるとは」、「愛とは」
MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞をはじめ、ミステリー関係の賞の12冠にかがやくローラ・リップマンのサスペンス長編である。 舞台は著者であるリップマンのフランチャイズでもあるメリーランド州ボルチモア。自動車の当て逃げ事故で捕まった女性が、「わたしは30年前に行方不明になった姉妹の、当時11才だった妹の方だ。」と告白するところからはじまる。確かに1975年に、サニーとヘザーのベサニー姉妹が、週末のショッピングモールで行方不明となり、事件は未解決のまま迷宮入りとなっていた。果たしてその女性は本当にヘザー・ベサニーなのか。だとしたら今まで30年間どうしていたのか。なぜ今頃になって名乗り出たのか。 ストーリーは、もろもろの謎を捜査するインファンテ刑事らを中心とした部と、事件発生と、子どもを失った両親や、どうやらヘザーらしい女性の失踪後の行動を綴った、1975年、1976年、1983年、1989年の部とが交互に描かれる。それらを読み進んでいってもいっても謎は深まるばかりでいっこうに物語の落ち着く先は分からない。そして、終末近くになって、ヘザーの母親がメキシコからやってきて、思いもかけぬどんでん返しが用意されていた。 私は、本書を謎解きが主体のパズラーのように、早く真相が知りたくて読み進んでいったが、読み終えて思うことは、確かに謎解きのスリルはあるものの、この長い物語のほんとうの主旨は、「家族とは」、「生きるとは」、そして「愛とは」どういうことなのかをひとりの女性を通してじっくり読者に訴えかけることだったのではないだろうかということである。
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物語にどっぷりとはまった。
「あの日少女たちは赤ん坊を殺した」、「永遠の三人」を読んだあとにこの本を読んだ。 3作の中で一番この作品が面白かったかもしれない。 他2作に比べて読みやすく、すぐに物語に引き込まれた。 断片的ではあるが、姉妹の一人が過ごしてきたであろう暮らしが少しずつ描かれてゆく。 終盤では、もうすぐクライマックスになるが、一体どうなって終わるんだろうとハラハラしながら読んでいた。 驚きと悲しみ。 読み終えたあとは、そうかそうだったのかとしばらく余韻に浸っていた。 さまざまな賞を受賞していることもあるならか、やっぱりこの方の作品は面白い。 「あの日少女たちは赤ん坊を殺した」に出てくるインファンテ刑事、レンハート、そして出産を終えたナンシー、弁護士のグロリア・ブスタマンテも出てくる。 それぞれの人物像がより鮮明にイメージできてなおさら面白く感じられた。 インファンテ刑事は相変わらず…なところもあったりして。 個人的にこの刑事が好き。 またローラリップマンのノンシリーズ作品を読みたい。
関連する文学賞
- アンソニー賞 第23回(2008年) ・長編賞
- マカヴィティ賞 第22回(2008年) ・受賞
- バリー賞 第12回(2008年) ・受賞