エドガー賞全集: 1990-2007 (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 6-1)
『ミッシング・イン・アクション』は、ピーター・ロビンスンによる作品で、エドガー賞全集 : 1990-2007に収録されている。エドガー賞の2001年回で受賞に選ばれ、同時代の文学・出版の中で評価された。
作品情報
エドガー賞で受賞となった、ピーター・ロビンスンの『ミッシング・イン・アクション』。
『ミッシング・イン・アクション』は、ピーター・ロビンスンによる作品で、エドガー賞全集 : 1990-2007に収録されている。エドガー賞の対象作として、作品の構想や語り口が評価された。読者は、ミステリ, 犯罪, 謎を軸に、受賞当時の文学的関心をたどることができる。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2008-09-01
- ページ数
- 655ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784151779510
- ISBN-10
- 4151779515
- 価格
- 346 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
悪党どもが多すぎる,エルヴィスは生きている,九人の息子たち 他
レビュー
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最高の短編17作品が1000円だって?―安すぎる!!
本書には、1990〜2007年までのエドガー賞最優秀短編賞を受賞した17作品が収録されている。(2005年度受賞作、ローリー・リン・ドラモンド著「傷痕」は除く。―だが安心してほしい。同作は「あなたに不利な証拠として」に収録されている。つまり、読めないことはないということだ。) <収録作品一覧> ・「悪党どもが多すぎる」 ・「エルヴィスは生きている」 ・「九人の息子たち」 ・「メアリー、メアリー、ドアを閉めて」 ・「ケラーの治療法」 ・「ダンシングベア」 ・「判事の相続人」 ・「赤粘土の町」 ・「ケラーの責任」 ・「密猟者たち」 ・「英雄たち」 ・「ミッシング・イン・アクション」 ・「ペテン師ディランシー」 ・「メキシカン・ギャツビ―」 ・「メイドたち」 ・「隠れた条件」 ・「銃後の守り」 <特に薦めたい作品> 「悪党どもが多すぎる」 銀行の金庫を狙っていた泥棒二人組が、トンネルから穴を掘って侵入。―しかしそこには別の銀行強盗が…という話。 とにかく爆笑。人質と勘違いされた泥棒ドートマンダーの慌てぶりにまた爆笑。全編皮肉とユーモアにあふれており、作品中もっともわかりやすい一品。 「九人の息子たち」 全編に漂うアメリカの農村特有のどんよりとした雰囲気は、ラストにさりげなく明かされるおぞましい真相と相絡まって、重苦しい余韻を残すことだろう。 「メアリー、メアリー、ドアを閉めて」 探偵ハガティのもとに、「姪の結婚を阻止してほしい」との依頼が舞い込む。―その姪の婚約者のおそるべき陰謀とは。 私もそうだったが、読み終えた後にはすでにハガティが好きになっているに違いない。 「英雄たち」 戦時中の塹壕を舞台にしたミステリー作品は珍しいのではないか? 士気を上げるためには確かに「英雄」が必要だった。しかしこの男の行動は本当に正しかったのか?―と読み終えた後、読者はしばらく自問することになる。 「ミッシング・イン・アクション」 全作品中最もお気に入り。ストーリーテリングもさることながら、主人公に感情移入する人も多いのでは? 「銃後の守り」 本の締めをくくるに相応しい傑作。過去の過ちが今になって帰ってくるとは… 日本と比べると、アメリカのミステリー小説はトリックを意識したものはほとんどなく、どちらかと言うとノワール的雰囲気が漂っているものが多い。ラストも決してハッピーエンドではなく、悲哀に満ちているものが多い。そういうわけだから万人受けするとは言い難い。(映画「チャイナタウン」に心酔した人ならば間違いなく愉しめるとは思うが、どうだろうか?) ところで、1947〜80年の受賞作を収録した「エドガー賞全集(上・下)」と、1981〜88年の受賞作を収録した「新エドガー賞全集」は、今のところ廃版となっており、読むためには中古で買わざるを得ないという状況である。 ここで早川書房への要望なのだが、1947〜現在(2011)までのエドガー賞最優秀短編賞受賞作を全5巻くらいにまとめて、さらに全面改訂をほどこした「エドガー賞全集最終版」なんてものを出してくれないだろうか?そうなればこの上なく最高だ。 さらに、エドガー賞最優秀長編賞受賞作も、「エドガー賞フェア」と銘打って、歴代順に一巻ずつ新装版を刊行していく、なんて企画があればもっと最高なのだが、それはやはり叶わぬ夢か。
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珠玉の短編をお楽しみあれ
アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA)最優秀短篇賞を1990年から2007年に受賞した作品を年代順に収録している。MWA賞は、受賞者にエドガー・アラン・ポーの胸像が贈られることから「エドガー賞」とも呼ばれ、ミステリ界最高の栄誉とされている。 ウェストレイク、ローレンス・ブロック(2作品)、ダグ・アリン、アン・ペリー、ピーター・ロビンスン、S・J・ローザンはじめ16人による17作品が収録されている。舞台となるのはアメリカだけでなく、メキシコ、ハイチ、ヨーロッパに広がり、時代も現代だけでなく第一次世界大戦から第二次大戦下もあれば、中世にまで及ぶ。登場人物も私立探偵、泥棒、殺し屋から密猟者、吟遊詩人と多彩であり、おなじみの顔にも会える。ベテランの熟練したお手並みを楽しむのもよし、知らない作家との出会いを楽しむもよし。きら星のような個性を楽しみつつ、そこはかとなく漂う時代の流れを感じるのもまた一興だ。 1948年から1981年受賞作は『エドガー賞全集(上)(下)』(ビル・プロンジーニ編)、1982年から1989年受賞作は『新エドガー賞全集』(マーティン・H・グリーンバーグ編)としていずれもハヤカワ・ミステリ文庫から出されている。本著はその続編といえるが、日本独自で編さんされたものである。なお、2005年受賞作、ローリー・リン・ドラモンド『傷痕』は、版権の関係で収録されていない。 ミステリファンなら手元に置くべき1冊である。
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意識高い系ミステリ
エドガー賞と言えば、アメリカ探偵作家クラブが主催する世界的に有名なミステリの賞だ。そんな世界最大のミステリー賞を取った作品ばかりがこの本には収録されてる。そんな本が面白くない訳がない! などと尋常じゃない期待をもって挑んだのだが、その大きすぎる期待は無常にも打ち砕かれた。 一番最初に収録されており、1990年の受賞作である「悪党どもが多すぎる」は正に期待通りの作品で、この段階で私のテンションはマックスだった。後は転がり落ちるように私のテンションは下がって行った。 正直「悪党どもが多すぎる」以外はエンタメ要素が薄い。 審査員は、優れたミステリを選ぼうとするあまり、エンタメ性をわざと排除してるのではないだろうか。「広義のミステリ」から作品を選んでると言う話だが、寧ろ狭義のミステリであると思った。 トリックやどんでん返しや魅力的なキャラクターに満ちたエンターテイメントと言うよりは、犯罪や事件を中心とした、救いのない物語ばかりだ。そして、どうも文学的で、意識が高く、そこが鼻につく。この本に収録されてる作品群が駄作とは言わないが、「楽しかった!」と言えるようなミステリは最初の一つを除いて殆どなかった。 この本は、ミステリにエンタメを求める人には向かないだろう。素直に「このミステリーがすごい!」を読んでた方が良い。あちらの方が「読者を楽しませよう」と言う姿勢がある。
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ミステリーを読んだ気がしない
ローレンス・ブロックが読みたくて手に取ったがそれほど面白くない上に、ほかの作品は全然面白くなかった。
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ミステリは文学に
かつてミステリは、推理小説という言い方をされておりました。SFもそうですが、ジャンル小説としての側面も捨てがたいものがありますが、ジャンル固有の魅力を失わず、新たな文学の領域を開拓して来ているのが現代ミステリなのかなと思います。それが顕著に現れるのが、この20世紀から21世紀にかけてエドガー賞を受賞した短編群を読むことにより、明確に見て取ることが出来ます。そろそろ、ミステリ作家がノーベル文学賞を取ってもいい時代に入ったのではないかと思う次第です。新訳で話題になっている過去の著名な文学作品も、発表された当時には大衆文学であったはず。未来の文学作品を、同時代に生きる我々は大衆文学として十分堪能したいものです。
関連する文学賞
- エドガー賞 第49回(1994年) ・短編賞
- エドガー賞 第56回(2001年) ・受賞