レクイエムの夜 (ハヤカワ・ミステリ文庫 キ 9-1)
1931年ベルリン、犯罪記者ハンナ・フォーゲルは身元不明死体の写真の中に弟を見つける。女装歌手だった弟の死を追ううち、幼い少年とナチ党周辺の陰謀が絡み、ワイマール末期の不穏な街が迫ってくる。
作品情報
弟の死体写真から始まる調査は、退廃と恐怖が同居するベルリンの闇へハンナを導く。
レベッカ・キャントレルのハンナ・フォーゲル・シリーズ第1作『A Trace of Smoke』の邦訳。弟の死をきっかけに、記者ハンナは性と政治の秘密が交錯するベルリンの裏側へ踏み込む。2010年マカヴィティ賞スー・フェダー歴史ミステリ賞受賞作。
レビュー要約
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ワイマール末期の空気を丁寧に描く歴史性と、個人的な喪失から政治的な危険へ広がる構成が評価されている。重い題材ながら、主人公の切迫感が物語を牽引する。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2010-08-30
- ページ数
- 447ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784151789014
- ISBN-10
- 4151789014
- 価格
- 120 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
心臓を刺されて死んだ若い男。警察署の〈身元不明死体の廊下〉に張り出されていた写真の一枚に、わたしは弟を見つけた。美貌の女装歌手として愛されていた弟はなぜ殺されたのか? この手で絶対に殺人犯を突き止める。そう決意してひそかに調べはじめたものの、わたしの息子だと主張する謎の幼い少年アントンが現われたことにより、社会の裏にうごめく様々な思惑と対峙することに――。 事件記者ハンナを主人公に、ナチス政権前夜のベルリンに展開する慟哭のミステリ。ブルース・アレグザンダー記念歴史ミステリ賞受賞、バリー賞およびマカヴィティ賞にノミネート中の話題作。
ベルリン自由大学およびゲオルク・アウグスト大学でドイツ語や歴史などを学んだのち、カーネギーメロン大学を卒業。テクニカルライターを経て、本書でデビュー。刊行直後より書評紙誌で絶賛を浴びた。夫と息子とともにハワイに在住。
レビュー
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予想外なんだが....
先の大戦の余波を引きずったドイツ、ナチス前夜、ユダヤ迫害の先駆け、同性愛者の集い、 倒錯専門の売春婦、出生不明のガキの出現、レイプ犯の徘徊、同性の恋人を作りまくった男の死、 男装の麗人(?)これだけオドロオドロシイ事象を並べまくった割には、話は非常にカラカラしています。 だから、読後感も妙にサラサラしてます。殺害犯の正体に意外性はありますが、それも あっと言う間にけりがつくというか、ねっとりと後を引くこともありません。 後書きにある<時代の不安を見事に登場人物に投影している>というのはちょっとピンと 私には来ませんでした。不安はあるんでしょうが、皆そこそこ楽しく趣味に生きている、生活している、 見たいな感じです。物凄い悪い奴が登場しないんで、すごいサスペンスというのも無いんですが、 話はそこそこ面白く、スイスイ読んで行けます。 私の推測ですが、作者はハワイ在住とのこと、その辺の生活環境が、作風に出ているのでは... 後、主人公と引っ付いたり離れたりの、ボリスとの関係が、都合良過ぎるように思うのですが...
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なんともかわいらしい・・・
サスペンスはあまり読んだことがなかったのだが、簡単に言えばおもしろかった。ポンポンとテンポがあり最後まで飽きない。ヒトラー台頭直前のドイツの様子が垣間見えて、女装の芸人や同性愛者などが事件の核になっていたり、そしてなんと言っても子供がかわいい!彼の登場する場面をつい何度も読み返してしまった。 続編が出ているようなので翻訳されるのが待ち遠しい。
関連する文学賞
- マカヴィティ賞 第24回(2010年) ・受賞