特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
『特捜部Q―Pからのメッセージ』は、ユッシ・エーズラ・オールスンによる翻訳ミステリ。人物の選択、関係の揺れ、場面ごとの緊張を通じて、読者を作品世界へ導く。
作品情報
『特捜部Q―Pからのメッセージ』は、翻訳ミステリとしての輪郭と受賞作らしい焦点を備えた一作。
『特捜部Q―Pからのメッセージ』は、ユッシ・エーズラ・オールスンによる翻訳ミステリ。受賞対象となった中心的な題材を軸に、登場人物の行動や状況の変化を追う構成で読ませる。
レビュー要約
-
設定や人物配置の印象を評価する声があり、題材の強さと読み味の個性が注目されている。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2013-12-06
- ページ数
- 381ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784151794537
- ISBN-10
- 4151794530
- 価格
- 880 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
【北欧ミステリの最高峰 「ガラスの鍵」賞受賞作! 】 その手紙は、ビンに収められたまま何年間も海中にあり、引き揚げられてからもすっかり忘れ去られていた。だがスコットランド警察からはるばる特捜部Qへとその手紙が届いた時、捜査の歯車が動き出す。手紙の冒頭には悲痛な叫びが記されていたのだ。「助けて」いまひとつ乗り気でないカールをよそに、二人の助手アサドとローセは判読不明のメッセージに取り組む。やがておぼろげながら、恐るべき犯罪の存在が明らかに……
1950年、コペンハーゲン生まれ。10代後半から薬学や映画製作などを学び、出版業界などで働く。1985年からはコミックやコメディの研究書を執筆。その後フィクションに転じ、シリーズ第1作の『特捜部Q―檻の中の女―』(2007年)がベストセラーとなった。その後、2009年に発表したシリーズ第3作である本書で、北欧ミステリの最高峰である「ガラスの鍵」賞を受賞している。
レビュー
-
おすすめです
上巻終盤に来て盛り上がってきます。 ぜひ読んでみてください。
-
「チャイルド44」のような・・・
と言ってはいけないような雰囲気なのですが、今回の作品では子供を誘拐しては 身代金を奪取し、あろうことか誘拐した子供を殺める悪魔のような犯人を特捜部が追うことになります。 「44」の犯人は殺めることが目的だったのに対して、本作では偏った宗教上の解釈と金です。 その違いから、異常性、残酷性は控えめでしたね。 また、本作では魅力的な登場人物達の本性が少し顕在化していきます。 でもね、サイドストーリーがてんこ盛りなので、評価が別れると思いますねえ。 ボトルのメッセージの解明と犯人の追跡がメインストーリーなのですが、 一点集中的にお話が進捗していく訳ではないので、「ちょっと散漫かな?」と 感じる方も多くいるでしょう。そして涙を誘う結末、ラストでチョンボして窮地に陥る カールとアサド、もパターン化しているような嫌いもあります。 その点が★4になった事情なのですが、ファンにとっては数々の賞を受賞した本作は必読ですね。 Qシリーズは鬱屈して息が詰まる閉塞感や絶望感、暴力性、残虐性と言った面が控え目で、 少々コミカルでT・スミス作品の浮かばれない後読感とは決定的に違う点で、 ファンはそこに惹かれるんでしょうね。 人生の先達ならではの懐の深さ、優しさやナイーブさではユッシさんの方が私のマインドにはフィットします。 見た目は物凄く怖いけどね(ー_ー;) ヾ(ーー )コレコレ
-
まだまだ書いて欲しい
良かった。やっぱりラクダの話がいい。 三人の個性的なキャラが1番
-
展開は好きです
派手なスケールの大きいミステリーと言うと、どうしてもアメリカ的になってしまうけど、 北欧のイメージをそのまま維持しつつ、読ませるのは文書の良さからだろうか。 毎回の発想が楽しみなシリーズです
-
子供を大勢死なせるならそれなりの作品を
『檻の中の女』と『キジ殺し』を面白く読んだので今作も楽しみにしていた。 誘拐された少年が瓶に入れて流したSOSのメッセージ。年月を経て読むのが難しくなった手紙を解読していくQのメンバー、という設定は素晴らしい。この設定から生まれるドラマを想像するだけで涙腺が緩みそうになるほど。 それだけに全体を読んだあと、描写が過剰ゆえの物足りなさが際立つというか、もったいない感がハンパじゃなかった。ローセの衝撃の秘密とか、犯人の継父が出てくるくだりなんか絶対いらんでしょう。あと犯人の父親と誘拐された子供の父親が、二人ともちょうどのタイミングで心臓発作で死ぬというのは都合が良過ぎる。こういう描写は作品を安っぽくしてしまう。 登場人物の一人一人を丁寧に描写するあまり、肝心の事件捜査の描写がコマ切れになっているのも残念。作者が時空を移動させるたびに、こちらは感情が盛り上がったりしぼんだりの繰り返しでフラストレーションが溜まる。こんなに話を膨らませずシンプルな筋立てにした方が設定が生きたのでは。 そもそも犯人と彼の犯行にリアリティーが無い。恨みという情動に突き動かされ殺人を犯す犯罪と、用意周到に準備を重ね計算ずくで金を盗る犯罪はまったく違う。欲望に突き動かされたシリアルキラーは存在する。金目当ての誘拐犯も存在する。だが大金と殺人の両方を目的に行動するシリアルキラー誘拐犯は聞いたことがない。こんなスーパー犯罪者なんて、度が過ぎていて存在が嘘臭い。 ラストもよくわからない。同情すべき点はあるけど、人格に問題がある金の亡者として描かれていたイーヴァ。彼女に優しいラストにする理由はなに?イーヴァより、一行でもいいから亡くなった大勢の子供たちに触れて欲しかった。
-
宗教2世の話
このシリーズは本当に面白い。筋の展開もさることながら、事件の背景が印象深い。これは宗教2世の話で、親の宗教の押し付けのせいで嫌になった人間が、他の新宗教の子ども達を誘拐して金を奪って殺人を犯すなんてまるで旧統一教会の話を思い浮かべてしまう。新宗教を利用した政治家の暗殺を図る方向に行かなかっただけだ。この様な事件が起こるかもしれない。
-
読書の醍醐味を堪能させてくれるお手本になっている。
スコットランド最北端の町、ジョン・オーグローツの巡査部長は、トロール漁船の甲板員から紙切れの入った瓶を渡された。網を引き上げた時に紛れ込んでいたのだ。ただその瓶は直ぐに調査されたわけではなく、長い間、留め置かれた。やがて廻り回ってデンマークの特捜部Qの所に辿り着く。 紙切れの中味は血文字で助けてと書かれているので捜査していくのだが、同時並行の類似性のある犯罪と時間差が有るので、最初は戸惑うが、やがてこれが連続誘拐事件の端緒となる。お馴染みのコンビと前回から登場したローセが活躍するかと思いきや、その双子の姉(?)・ユアサの登場で、複雑怪奇で一筋縄でいかないこのシリーズをより興味深くさせている。 一つひとつのシチュエーションが妙な具合に絡まり合い、サスペンスフルで面白く、予想出来ない怒涛の展開は、特に、後半かなりのページ数があるので安心出来ず、冷や冷やものである。誘拐された子供たちは救えるのか、そして勿論、悪党は追いつめられるのか。この2点に収斂していくラストは読みごたえたっぷりで、読書の醍醐味を堪能させてくれるお手本になっている。
-
会話だけでも楽しい。
1作目と似たようなといえば,いえなくもないのですが, 特捜部Qが未解決事件を対象にしているのでパターン化するのは仕方ありません. それでも,グイグイと引っ張っていく展開はうまいです. まあ正直言って,アサドとの会話だけ読めれば,もうどんな話でも良いです. 主役はアサドです.
関連する文学賞
- ガラスの鍵賞 第19回(2010年) ・受賞