日本の文学賞

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傀儡后 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

日本SF大賞

傀儡后 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

牧野修

二十年前の隕石落下で異形の街となった大阪を舞台に、危険指定地域とその周縁で起きる変異と混乱を描く長編。感覚を通じて世界と結びつくドラッグや奇病が広がるなか、人間の意識と社会の境界が不穏に変容していく。

変容する身体支配と服従都市の異形化感覚と外界

作品情報

隕石落下後の大阪で、身体と世界の境界が静かに崩れていくテクノゴシックSF。

破滅的な隕石落下から二十年後の大阪では、落下地点を中心とする一帯が危険指定地域として封鎖されている。五感で外界と融合する非合法ドラッグ「ネイキッド・スキン」と、皮膚がゼリー化する奇病「麗腐病」をめぐり、服飾、欲望、支配のイメージが交錯する。ホラーの感触とSFの装置を結びつけ、自己と世界の関係を濃密な幻想として描く作品である。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2002-04-01
ページ数
334ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784152084125
ISBN-10
415208412X
価格
3412 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第23回(2002年) 日本SF大賞受賞

レビュー

  • 壮大だけど読むの疲れる

    あとがきで物語を入れなかったと書いてあり納得。 糖分が少なく、途中でもう読むのやめよか、と思いつつ惰性で読んだ。 この本は自分で解釈しながら楽しめる読者向けだと思う。 SF設定は素晴らしくよく出来てて、是非映像で見たい。 特にコミュは近い将来、リアルに発生しそう。 以下重要ネタバレ含む。 登場人物が全員XYで、その多くがTS(女性性、産めない性)だったのは、妊娠出産と絡めて何か意味を持たせてる感がするのだけど、誰か解釈して欲しい。。。 結局、桂男は何を表してたんだろうか。

  • 中毒

    エンタメ的にはヴィランな人たちが喜々として殺戮と破壊に勤しむという地獄のような物語りなのだが、地獄の解放感からは逃れがたい。

  • 名作になり損ねた凡作

    いくつかの登場人物や設定がとても面白いだけに、もう少しきちんとまとめてくれたら、、という残念な気持ちです。特に後半からはなんでもありの支離滅裂が目立つ。

  • 牧野修が好きな人なら

    性的で暴力的で猟奇的で倒錯的で幻想的。 牧野修が好きな人なら完走出来ると思います。 登場人物が多く話にまとまりが無いように感じるし、 あれもこれも詰め込み過ぎてとっ散らかってる感じもある。 良く言えばスケールの大きい話ではあるのだけれど・・・・ もうちょっと話を削ってスマートにするか、 逆にページ数を増やして時間の進みを緩やかにする、 又は個々のストーリーを掘り下げるとか広げるとかすれば もっと万人受けする、良い作品になったような気もしますが・・ しかしこのぐちゃぐちゃした気持ち悪い世界こそがこの作品の魅力なのかもしれないし、 何より本人が書きたいものを書きたいように書きたいだけ書いた作品なのですから。 これはこれで良しとするしかないと思います。

  • 途中で飽きる

    衣服をテーマにしているのは『カエアンの聖衣』に似ているが、こちらは自分と皮膚と衣服と外界との境界、その感覚についてより深く描写されている。 近未来で使われているSNSやコミュニケーション手段などは、まだスマホもない時代でも未来予測として読むと面白い。でもストーリーはいまいち楽しめなかった。

  • 傀儡后 (ハヤカワJA)

    二十年前の破滅的な隕石落下により、大阪は異形の街と化した。落下地点から半径六キロは、現在も危険指定地域とされ、ここを中心に、五感で世界と融合するドラッグ「ネイキッド・スキン」や、全身の皮膚がゼリー化する奇病「麗腐病」をめぐり、人類社会崩壊の予兆の中、変容してゆく人の意識と世界が醜悪かつ美麗に描かれる。ホラーの鬼才が満を持して世に問う、空前のテクノゴシックSF巨篇。第23回日本SF大賞受賞作。 -----個人的に「牧野修」作では好きな作品です。若干、物足りなさもありますがゴシックな世界感がGood!!楽しく読ませていただきました。

  • 私を外から透けて見て...

    SFマガジン連載の、「ハヤカワSFシリーズ Jコレクション」のトップを飾るSF小説。 世界と五感でリンクしてしまうドラッグや、全身の皮膚がゼリー化する奇病って、生理的におぞましいですね。このあたりが、ホラー作家牧野さんの面目躍如たるところでしょうか。 危険指定地域という閉鎖空間内の人間の意識が変容するという設定は、ある意味牧野さんの初期作品『マウス』の「ネバーランド」に通じるかも。

  • 第二の皮膚

    20年前の壊滅的な隕石落下により、大阪は異形の街と化した。落下地点から半径6キロは危険指定地域とされていたが…。 などと書いてあるので、すごいのを期待したんだけども、そうでもなかった。それは悪い意味でいっているのではない。話の作り自体は謎が次の謎を呼び、答えはより謎を深くするという割合オーソドックスなつくりである。 ただし、そこで描写されているものはというととんでもない。描写の一つ一つを読み飛ばすことことなくじっくり読むと、不快感がもたらされる。特に話の中で一つのキーとなる病はかかるところを想像すると美しくひどく不快だ。 そういう外連なところだけでなく、ちょっとした風景の描写のできもよく、おもしろかった。 欠点は、あまりキャラクターに思い入れられなかった事だか、これは割合個人差があるからな。

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