作品情報
同じ場所を回っているような日々の中で、少しだけ前へ進む力が生まれる。
軽い語り口と、若者の感情をすくう繊細さが評価されている。淡い雰囲気を好む読者に響く一方、強い展開を求める読者には静かに感じられる。
レビュー要約
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軽い語り口と、若者の感情をすくう繊細さが評価されている。淡い雰囲気を好む読者に響く一方、強い展開を求める読者には静かに感じられる。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2004-06-09
- ページ数
- 185ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163230009
- ISBN-10
- 4163230009
- 価格
- 184 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
「ヘルタースケルター」を聴いてあなたは何をしますか 塾講師の傍ら、僕は教え子ヨシモクの名を騙ってバンドを募集した。ボーカルの中浜に自らの分身を見た瞬間、僕の中で物語が始まった
レビュー
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小説とは何かについて考えさせてくれた
読後、考えたこと。 それは作家になれる人、なれない人の違いだ。 ことの経過を単純に書いてはいけない。 巧く書けない時でもとにかく書くこと。 最後に読者が想像力で補ってカタチがあるものにしてくれる。 この作業のために素材を提供できること。
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音楽的にもおもしろい
中村航氏は音楽をやっていた経験があるそうで、 この物語の核となっているビートルズの「ヘルタースケルター」をはじめ、 フレットレスベースとフレッテドベースの違いによる純正律の話や、 ドラマーは属性だ、なんていう記述や、 バンドやってる人には、「確かにそうだ」と感じられる部分が随所にあります。 文章はどこまでもなめらかで優しいです。 中村航は悪人を書かないことが好ましく思える稀有な作家だと思います。 ユーモアがあって、リズムがあって、 そこはかとない切なさがあって、優しさがふんだんにあって。 次回作に期待してます。
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ファンです。
自分と重なる所があるので読むのを辞める事が出来ません。沢山購入しましたので暫くの間、満喫出来ます。
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何が言いたかったんだろう?
読む前は「大学生バンドの泥臭い物語」かなと想像してページを開きましたが、実際は「斜に構えた理系学生のポエム」でした。 行動の動機について説明しないまま、取った行動や周囲の結果だけが何の兆候もなく突然通過する。 心理学に逆行し、人間のイキモノ臭さを感じられない。マンガみたいなご都合主義な行動がちらほら。 悪い意味で展開が予測ができません。目隠しをして手を引かれて街を歩いているかのようで、精神的に疲れました……。 今しがたやりかけていたことを放置して、突拍子もなく雑学やポエムをこねくり回して「これはこういう事なんだろうか」と事あり気に思考を巡らせたり、朗々と語って聞かせるシーンが多いのですが、物語の進行に何も影響しないので、「えっ? さっきの一人芝居は何だったの?」という疑問だけが置いてけぼりにされます……。 全編通して「結局、主人公は何がしたかったのか?」「あのエピソードをわざわざ書いた理由は何だったのか?」と、もやもやした疑問が多く残りました。 ツイッターの無秩序なタイムラインを読んだような心境です。
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スケルターケルター。ぐるぐるまわっていることで、楽しい。
言葉の使い方が、抑え目で、言葉遊びをしていないのが、 結果として、うまく物語となっている。 大学をやめて、塾の講師となり、バンドをネットで、集める。 わずかなメッセージで、お互いに感性を察知し合う。何を、目標にしているのか。 ヨシモクという生徒の名前を僕はとってしまう。 でも、ヨシモクって、どんな字を書くのだろう。 スケルターケルターって、ビートルズの歌で、ぐるぐるまわるすべり台とは、知りませんでした。 もう一つの『月に吠える』も、ビートルズの歌。 会社で、ノビノビ、ホウレンソウしたり、改善活動や、サークル活動に、 てつろーやチバが、積極的なのが、おもしろい。
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螺旋状に、人生は進む。
自分の人生を創るために、動き始めた主人公・小林の、非常に内省的なところと、バンドを組むために行動するような面とが、うまく組み合わさって描かれています。 文体は嫌味なく、適度な勢いがあって、引きこまれました。 塾の生徒のヨシモクとの関わり方は、動きだそうとする小林との対比のようで、でもヨシモクをとてもよく理解して、温かい目でみているのがわかります。塾の教師の仕事も、丁寧にこなし、バランスがとれた人物であると思えます。中村氏は何気ない日常をも、大切に描いていると感じます。 自分の物語を紡ぐために、バンドのメンバーを集めたのに、物語は中浜に託されることになるところなどは、この物語の中の物語の始まり・・・・・・という感じで、面白味があります。彼は動かなかったのではない。一周回ったんだという小林の言葉に、彼の確信めいたものを感じます。 ラストで、夕焼けのなか、ヨシモクの髪を切りながら、二人会話するシーンは、美しさと内に秘めた力が、よくわかって、ちょっとないくらいの爽快感でした。 「月に吠える」は、小林が組もうとしたバンドのメンバー 、哲郎と千葉の物語。こちらも、仕事の手際の場面は冴えているし、二人の息がぴたっと合う瞬間などを織り込んで、気持ちのいい作品に仕上がっています。もっと、中村航氏の作品、読みたいなあと思わせる作家ですね。期待しています。
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僕の中の「中村航」最高傑作
中村航ファンからはあまり評判のよくない本作です。多くの中村さんファンが 文藝賞を受賞したデビュー作『リレキショ』や話題になっている『100回泣くこと』 の方が高評価のようです。確かに僕も日常のちょっとした不条理を描いた『リレキショ』 は大好きな一作ですが、最近の『100回泣くこと』などの作品はあまり好きではありません。 中村さんの「良さ」が凝縮されているのが本書『ぐるぐるまわるすべり台』だと思うのです。 惜しくも受賞は逃しましたが芥川賞候補になり、その後、野間文芸新人賞を受賞した作品 です。芥川賞選評で選考委員の山田詠美さんが絶賛していました。 導入、文体、題材、タイトル、キャラクター、雰囲気…どれを取っても最高です。 そして、とてつもなくキュートで余韻を残してくれる鮮やかなラスト。 素晴らしいの一言です。 できることなら、中村さんに今の路線からこっちの路線に戻ってきてほしいです。
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うーん。
淡々と進むストーリーです。 が、中村航さんらしさはあまり感じれません。 優しくなるような、 泣いてしまうような力は無かったようにおもいます。
関連する文学賞
- 野間文芸新人賞 第26回(2004年) ・受賞