作品情報
戦禍に揺れる唐で、言葉と武芸が運命を切り開く。
第27回松本清張賞受賞作。安史の乱の唐を舞台に、言葉の力と武芸で時代に挑む兄妹を描く。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2020-09-17
- ページ数
- 314ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784163912554
- ISBN-10
- 416391255X
- 価格
- 1260 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第27回松本清張賞受賞作 運命に抗う兄妹の、ロマン香る大河小説。 「書の力で世を動かしたい」。文官を目指しながら、信念を曲げず敵陣の刃に倒れた青年・顔季明。彼の許婚の采春は、興行一座に身を隠し、得意の武術を磨きながら、季明の仇討ちを計った。一方、采春の兄・張永は、季明の遺志を継ぎ、新皇帝のいる霊武へと向かう。いちどは袂を分けた兄妹の運命が交差するとき、唐の歴史が動き始める――。 戦乱中の人生観の変化が面白く、心に残る。――中島京子 歴史の大きさと非情さを内包した展開!――辻村深月
レビュー
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祭姪文稿の世界
東京国立博物館で見た「祭姪文稿」が書かれた舞台の小説です 今まで書かれてこなかった題材ですので 比較はできませんが良い小説でした
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硬派ながら絶妙に硬すぎず、面白い
軽めのなんちゃって中華小説も良いものですが、こちらは少し硬派な感じでした。中国の歴史に題材をとっており面白いです。知っている偉人も出てきて、「ほぉ、の人はこんな描き方わされるのか」と興味をそそられたりしました。
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退屈
心理描写などが多用されていて読みにくい。戦記ものはハードボイルドであってほしい。差別的かも知れないが女性作家の限界か? 途中で飽きてしまった。
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さらに魅力を増して帰ってきました
ハードカバー版も既に買っていましたが、大幅加筆があるということで即座に購入を決断しました。 この加筆が、キャラクターの内面や決断、そして言葉が出てくる背景をさらに補強してくれてます。そのため、一気呵成に読みきれます。 サイズも持ち運びしやすいですし、ハードカバー版を買った人にも大いに推薦できます。
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祭姪文稿の人
『震雷の人』です。2020年9月17日刊行の単行本。松本清張賞受賞作。 最初に厳しいことを書きます。 これは唐の安史の乱を舞台とした歴史小説というよりは武侠小説というカラーの強いもので、恐らく版元も武侠小説であって歴史小説じゃないと思っているからこそなんでしょうけど、巻末に参考文献が付いていない。いやいやいや。武侠小説のファンだけを取り込めればいいってもんじゃないでしょう。歴史小説のファンも広く取り込みたい作品のはず。版元がちゃんとこの作品の魅力を理解しているのでしょうか? そして本書で一番残念なのが、巻頭のしょぼい地図。表紙を有名イラストレーターに依頼してその時点で経費が尽きたのでしょうか。もうちょっとマシなものを用意できなかったのか。そもそもやる気が無いのか。本書は内容的に反乱軍が広大な中国をまたにかけて押し寄せるというスペクタクル的な動きがあり、主要な都市の位置だけではなく、最低限軍隊の動く道も提示すべきだった。本作品の魅力を、出版している者自体がちゃんと分かっていないとしか思えない。 以下、作品の内容について。 武侠小説らしく随所に戦闘シーンが出てきて面白かったと思います。個人同士の戦闘だけでなく軍隊同士のぶつかり合いも描かれているのでめまぐるしい。また、唐を舞台とした中で食べ物や衣服や武装、建物の様子、各地の風景など、細部の描写にも神経が行き届いてこだわっているのも良かったです。 そういった細かいところ以上に、本作の特徴は着眼点の良さだろうと思います。主人公サイドのキーマンとして顔季明が登場する。書道に詳しい人なら知っているであろう祭姪文稿で死を悼まれていた人物です。祭姪文稿を書いた顔真卿も当然登場するのですが、顔真卿ではなく顔季明を軸に持ってきたのは面白いところだと思います。そしてその顔季明が若いながらも文官(文官志望だけど)として頑張るのが良い。武官は当然ながら戦うのが仕事ですが、文官って何をやるんだ?というところで主人公兄妹が武の側であるのに対して顔季明がしっかり文の存在感を示していた。なので広く書道ファンの人にも祭姪文稿が書かれた背景を描く物語としてご一読をオススメしたい。 そして、安史の乱で悪役として描くなら普通は安禄山であろうところを、安慶緒に着目したのが上手い。史実では暗愚な人物とされていてほとんど注目されないけど、周囲の人からは軽んじられることで史実の線はちゃんと守った上で、そこからの掘り下げが素晴らしかった。最初に登場した時点から存在感があって良いキャラだったのですが、そこから主人公たちと接することによって考え方が変化して行き、もっと言えば成長して行く様子が斬新でした。安慶緒をここまで魅力のある人物として描ける可能性なんて想像したこともなかった。その発想は無かった、ってやつです。 その発想は無かった、でいえば、主人公サイドの人物が反乱軍に入り込んで燕国視点から安史の乱の頃の唐を見る部分があるというのも面白かった。その中で国とは何なのか忠誠とは何なのか、戦うとはどういうことなのか、じゃあ武に対して文がどういう意味を持つのか、といったテーマを深めていたのも良かったです。 各章の長さが極端にバラバラでストーリー展開の運転としては粗いというか力技な感じがしますが、武侠小説らしいといえばらしいので、それでいいのかと思います。★5。
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文章力不足で興醒めした
著者は文章があまり上手ではない。特に前半は、会話文がまるで下手な役者の棒読みのせりふのようであり、地の文は読んでも共感できない部分が多かった。何よりも読みづらかったのは、誰がしゃべっているのか、誰の心情を述べているのかが分からない箇所がたくさんあった点であり、特に兄の張永と妹の采春との混同は興醒めである。 後半になって、前半に感じた問題点が持ち直した感じはしたのだが、それでもまだ不十分だと思った。 ネタバレになってしまうが、終盤で兄、妹、師匠が思わぬところで邂逅する場面は、個々がもっと驚愕するはずであろうと思うのだが、物語では至極平板に記述されているのみで、読んでいてとても違和感を感じた。 主人公の兄妹が、終始一貫して自分の理想とする世の中を目指して行動する様を描いたという筋立ては悪くはないと思うが、いかんせん文章力不足と、心情の掘り下げ不足はどうにも評価できない。
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