日本の文学賞

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ハンチバック

芥川龍之介賞

ハンチバック

市川沙央

自らの身体と生を見つめ直しながら、切実な言葉で世界に立ち向かう芥川賞受賞作。

身体障害自己表現文学芥川賞

作品情報

私の身体は、生きるために壊れてきた。

第128回文學界新人賞受賞作。2023年に文藝春秋から単行本化された。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2023-06-22
ページ数
96ページ
言語
日本語
サイズ
13 x 1.2 x 19.5 cm
ISBN-13
9784163917122
ISBN-10
4163917128
価格
770 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第169回芥川賞受賞。 選考会沸騰の大問題作! 「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。

レビュー

  • おもしろい

    おもしろい

  • 言葉を通じた自己表現の力と障害を持つ主人公の内面世界

    本書の主人公は、両親が遺したグループホームの十畳の自室から、あらゆる言葉を送り出す。 彼女の背骨は生まれつき湾曲しており、その状態が彼女の生活にどのような影響を与えているのかを、読者に深く考えさせる内容となっている。 障害を持つ人々が直面する困難と、それに立ち向かう強さと脆さを、繊細かつ力強い筆致で描き出している。 障害があるだけで性的な存在ではないとされる現状を、リズミカルな文体で攻撃的に突き付けるところに、言葉の力を感じる。 強烈で下世話な内容を通じ、起こり得ることや避けてきたことを正当に吐露できる文学の力を感じる。 心の葛藤や周りからの言葉に胸に刺さる言葉がある。 本書は、障害を持つ主人公が直面する困難と、それに立ち向かう強さと脆さを、繊細かつ力強い筆致で描き出している点が見どころ。 特に、主人公が言葉を通じて自己実現を目指す過程を通じて、多くのことを考えさせられる。 彼女が書く文章が他者にどのように受け止められるのか、その反応が彼女にどのような影響を与えるのかという点は、現代社会におけるコミュニケーションの問題を浮き彫りにしている。 洗練された文体と物語の深い洞察力は、忘れがたい読書体験となる。

  • 綺麗事なし!

    刺されるかのような鋭い文体…読後はいい感じに魂抜かれました

  • 題材は興味深い

    著者が重度障害者であるため、同じく重度障害者の主人公を描くのは非常に適切です。 主人公は背骨の曲がりが右肺を圧迫し、人工呼吸器などの医療機器に依存して生活しています。そのため、私たちが普通だと思っている多くの生活習慣が、障害者にとっては大きな障害になることがあります。例えば、多くの人が紙の本を読むことを好み、電子書籍に反対し、紙の本を読むことにこそ真の感覚があると考えています。紙の温もりや質感を感じることができるからです。しかし、重度障害者にとって、特に紙の本はまさに悪夢です。紙の重さは彼らにとって耐え難い負担で、一冊の紙の本を読むことが彼らの命にかかわることもあります。彼らにとっては、紙の温もりや質感は重要ではなく、テキストの内容を吸収できることが最も重要です。彼らは一般人が持つ紙に対するロマンチックな考えを持っておらず、すべての考慮は体への負担を軽減することに焦点を当てています。 また、この本は、人間の最も微妙で最も暗い部分である「性」についても指摘しています。主人公は障害者ですが、性欲があり、妊娠したい、中絶したい、さらには性労働者になりたいと思っています。性について言えば、耳にするとあまり良くないかもしれませんが、ただ普通の人になりたいということです。主人公は身体に障害がありますが、非常に裕福で、施設のスタッフと一度の性体験をお金で交換することを望んでいますが、フェラチオの際に飲み込んだ精液が彼女の脆弱な肺でほとんど致命的な問題を引き起こすとは思ってもみませんでした。一度の耐えがたい性体験です。非常にブラックユーモアですが、背後にある問題は深く考える価値があります。 内容は短く、題材は興味深いものの、話題が重く、歪んだ性を扱っているため、読みごたえはあるがもう一度読むことはないであろう本だと感じました。

  • よい

    よい

  • 評価がとても難しい本でした。

    評価が分かれると思います。 確かに重度障がい者の芥川賞受賞は快挙です。 もの言えぬ、手を挙げることの出来ない重度の障がい者の方が 初めて、芥川賞の扉を開けたことをお祝いしたいです。 心からおめでとうございます。 こんなにも困難な生を生きている市川沙央さん。 あまり知られていない難病のミオチュプラー・ミオパチーで、 12歳から人工呼吸器を装着され、介護の必要な43歳の女性です。 題名の「パンチバック」は露悪的に「せむし」と仰ってますが、 背骨が歪曲して肺を押し潰しているので常に呼吸することが困難で、 そのために人工呼吸器をつけています。 痰の吸引が頻繁に必要で、放置しておくと死に至るのですから、 本当に綱渡りの毎日で、(一応高齢ではありますが、自力呼吸の出来る私は、) 本当に大変だと思いますが、市川さんのご苦労の半分も理解してないです。 でも市川さんは自分の手で痰の吸引をなさっています。 紙の本を憎む・・・市川さんは書いています。 ページをめくること、 本を持つこと、持つ姿勢を保つこと、 本の重さが背骨に負担をかけるそうです。 (私も紙の本が苦手になりつつあるので、よく分かります) そして肝心の本の内容です。 オールドミスで処女の主人公の井沢釈迦は、 高級コールガールになりたい、 普通に妊娠して中絶がしてみたい、と、 不穏なことを呟きます。 両親が遺した介護付きグループホームで暮らす釈迦は、 自分のTwitterの呟きを偶然読んでいたヘルパーの山口に、 お金と引き換えに「初体験」を持ちかけられます。 これ以上はネタバレになりますから是非本を購入して続きを 読んで下さい。 性欲。 それは生存本能だと思います。 種を絶やさないために備え付けられた本能です。 これは今、健常者の若者でも結婚してSEXして子供を産む(持つ)ことが 非常に困難なのです。 16歳から30歳位の時期にSEXの相手に恵まれる人は、幸運な部類に入ります。 だから市川さんが特別に不幸なわけではない・・・ そのことを知っておいてほしいのです。 もう一つ「お金」の問題。 市川さんは、親御さんの財産があるため(本と違い存命です) この点で、お金のない障がい者の方たちは、反感を持つかも知れません。 もっとギリギリの貧しさの中、周囲に親・兄弟に気兼ねして生きてる方も 多いのではないでしょうか? それからとてもいい難いのですが、「ハンチバック」の文学的価値は あまり高いとは思えませんでした。 医学的な価値・・・ その方が高いと思いました。 障がい者を代表する本。 とても個人的な事柄が描かれていますので、代表はしてないと思います。 市川さんに続く書き手がどんどん出てきて、もっと広い視野で書かれた 作品を強く望みます。

  • 小説の体を成してないかも、

    当事者にしか書けないクオリティというか、解像度の文章でした。 でも、この人他の作品書けないんだろうなあ、とも。 文章から本当に息苦しさが伝わってきてよかったですが、なんというか起承転結がなくてなにをよんだんだろう、、という気持ちになりました。

  • 捻くれ曲がった皮肉たち

    序盤は読むのが辛かったですが、この作品(主人公)との向き合い方が分かってくると、テンポよく読めるようになりました。 見どころは自虐・皮肉です。 まとまりのない独白文の中にクスッと笑えるブラックジョークがいくつか盛り込まれています。 この本のテーマはタイトル通り「ひねくれ」にあると思います。 重度障害者の発するブラックジョーク集を楽しみたい方にはオススメできます。 テーマ性のある物語を読みたい方には「コンビニ人間」をオススメします。

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