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“一億特攻”への道 特攻隊員4000人 生と死の記録

芸術選奨文部科学大臣新人賞

“一億特攻”への道 特攻隊員4000人 生と死の記録

大島 隆之(著)

NHKスペシャルを基に、特攻隊員約4000人の本籍地と経歴を15年にわたる取材と資料調査からたどるノンフィクション。体当たり攻撃を命じられた人と命じられなかった人の選別、そして社会に広がった「一億特攻」の熱狂を検証する。

太平洋戦争特別攻撃隊戦争の記憶メディア歴史ノンフィクション

作品情報

極秘資料と長年の取材から、特攻隊員の選別と社会の熱狂をたどる。

2024年放送のNHKスペシャルをもとにした一冊。隊員と遺族への取材、元搭乗員の証言、資料の分析を重ね、特攻が拡大していった過程と、それを受け入れた社会の姿を描く。第75回芸術選奨文部科学大臣新人賞は、この番組の成果に対して大島隆之に授与された。

レビュー要約

  • 長期にわたる遺族取材と資料調査によって、特攻を支えた社会の熱狂と、その背後にある仕組みを具体的に示した作品として評価されている。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2025-08-06
ページ数
304ページ
言語
日本語
サイズ
13.1 x 2 x 18.7 cm
ISBN-13
9784163920030
ISBN-10
416392003X
価格
2200 JPY
カテゴリ
本/ノンフィクション/思想・社会/戦争/陸軍

誰が、なぜ選ばれたのか? 極秘資料が明かした選別の実態とは 2024年8月17日に放送され、大きな反響を呼んだNHKスペシャル『“一億特攻”への道~隊員4000人 生と死の記録~』の書籍化。 今から80年前、太平洋戦争終盤の1944年10月に始められた「特攻」。終戦当日まで10か月にわたり続けられ、隊員たちの出撃が次々と報じられる中、国民の多くも、彼らに続けと「一億特攻」を叫んだのである。 番組ディレクターである著者は、これまで特攻隊員の遺族取材を15年に以上にわたって続けてきた。その過程で特攻隊員約4000人の本籍地や経歴を徹底調査。体当たり攻撃を命じられた人、命じられなかった人、その線引きは一体どこにあったのか。これまで謎だった隊員たちの選別の実態に迫る極秘資料を入手した。 長期間にわたる取材で浮かび上がってきたのは、当時の日本人が特攻を希望とみなし、国のすみずみまで熱狂が支配していく過程でもあった。 写真、図表多数収録。戦後80年目にあの戦争を振り返るにふさわしい一冊! 目次 序章 4000人マップの誕生 1章 故郷の熱狂~発掘資料「大君の楯」~ 2章 隊員たちの最期~米軍映像がとらえた真実~ 3章 家族に届いた遺書~海上自衛隊 教育参考館 近江一郎資料~ 4章 「熱望」「望」「否」~国立公文書館 特攻志願者名簿~ 5章 そして“一億特攻”へ~終戦の最後の日まで~ 終章

レビュー

  • 戦争を知らない人間が読み伝えるべき一冊!

    日本人が読み伝えるべき本! ・特攻隊員を選ぶとき、最優秀の隊員は避けたこと。 ・教え子の徴兵を進んで行った校長が戦後教職から離れたこと。 など戦争を知らない人間は読み伝えていかなければならない。

  • 特攻隊の様々な側面を知る事ができた。

    昨年テレビ放送された内容をもっと詳しく知るための本だと思います。 テレビ放送がどのような手順で完成に至ったかなどを知ると共に、現地へ行かなければ目にすることが出来ない 資料などが書かれてあり、特攻隊を知る資料的な本だと思います。テレビ放送で知ることができなかった部分を 知ることができました。

  • 特攻隊員たちの秘められた事実に迫る

    NHKのまだ若いディクレターが、丹念に歩いて情報を集め、彼でなければ明らかにされなかったであろう特攻隊員たちの隠された事実を、わかるかぎりに明らかにした。大学の研究者のように、最初から特定の立場に立って調査をするのではなく、できるかぎり中立的に、秘められた史実を明らかにするという目的で取り組まれた調査だから、次々に明らかにされる特攻隊員の史実と、できるかぎりの心境の読み取りは、心を打たれるものがある。筆者は職の立場上、はっきりとは結論を出していないが、権力を持つ上層部が私利私欲、名誉、保身のために、全国民をも熱狂に巻き込んでしまった、という事実が明らかになってくる。そして、その構造は、今の政界でも、大学教授会でも、大企業でも、裁ち切れすることなく、続いていることに気が付くと、恐怖さえ感じる。かつての口コミはSNSへと換わるが、国民の心情もまた当時ほとんど同じだ。地方自治体の選挙や首長の問題を見ると、彼らを支持する人々の在り方は、当時と同じだ。過去の史実を明らかにすることから、今が見え、そして未来が見えて来る。筆者の主張はここにあるはずだ。 NHKがこのような調査と報道に時間と金を掛けるなら、受信料は積極的に払う。つまらぬ芸人をEテレに出す金があるなら、もっとこのような問題に迫り、かつてのJOAK他各局が踏んだ道を、きちんと見なすことも必要だ。 レイアウトは、いささか読みにくかった。各章に小見出しをつける、節を入れるなどせず、行あきで次の話に移り、また元の話に戻る、入りくんだ構成になっている。表も小さい字で老眼の入る身にはつらいが、文中に凡例を書いてあるだけだから、表を見ると何がなんだかわからなくなることがある。簡単な凡例を付けてあると、いちいち本文に戻らなくても良いので、わかりやすくなると思う。写真が小さいのも残念。可能であれば、資料の写真集を編んでほしい。こうした資料をねつ造と叫ぶ人もいるだろう。しかし、事実は事実だ。同じ過ちを踏まないためにも、かつての戦争での個人と社会の在り方をさらに詳しく追求し、世に問うてもらいたい。一点、「本書表紙の『本籍地マップ』」とはどれだろう?

  • ひとりひとりには名前がある、生きた証がある

    本当に凄い取材の記録だと思う。戦後80年の夏、一気に読んでしまった。特攻隊員の名簿から米軍の映像まで様々な記録から真実に近づこうとしている。特攻隊員4000人というと名前の無い記号のようでもある。しかし、ひとりひとりは確実に生きていたし、様々な人生が存在していた。著者はそこに光を当て、こうして本にしてくれた。当たり前なことだが、親世代がこの世を去るとき、遺品の多くもこの世を去ることになる。記録を失えば、記憶も失うことになる。おおやけに残された記録(遺書)だけが残り、英霊として肥大化してゆく。英霊には亡くなった方々の本心はない。収録されなかった膨大な取材記録があると思う。そちらも読んでみたい。続編として文春新書とかで出版を期待している。

  • 圧巻のルポルタージュ!

    いっきに読了しました。 太平洋戦争の記録は人並みに読みますが、本書は探偵小説のようでもあり、また圧巻のフィールドワーク論文のようでもあり、ページをめくるうちに、戦死した若者たちの遺族をめぐり日本中を旅する筆者の旅に引き込まれて同行しているような不思議な感覚があります。 そこに丹念に描かれているのは、命を落とした4000人の個人の人生と、そのまわりの人々の人生です。どんな人柄だったのか、なにを思っていたのか、恋はしたのか、家族や兄弟への思いは…。本書を通して、80年前の戦争の象徴的なアイコンとして語り継がれる「特攻」という事象が、10代や20代なかばの青年たちの手ざわりのある人生として、上書きされていくようでした。 また、遺族をめぐる旅のなかでつまびらかになっていく周辺のエピソードも珠玉です。戦後まもなくなにかの密命を帯びて日本中の遺族を訪ね遺書を集めていた謎の人物・近江一郎の痕跡、なくなった搭乗員に80年間恋をし続けてきた女性、教師として教え子を戦地に送り出した男性の戦後…。 80年の時間の流れの中で、これだけの記録と記憶がいまも継承されていることへの驚きと、それを丹念に掘り起こそうとする筆者の仕事に、大きな敬意を表したいです。

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