おじいさんの台所: 父・83歳からのひとり暮らし特訓 (文春文庫 359-3)
妻に先立たれた高齢の父が、娘の助言を受けながらひとり暮らしと台所仕事を身につけていく実録エッセイ。老いの自立を、涙と笑いを交えてあたたかく描く。
作品情報
『おじいさんの台所』は、実録エッセイとして人の記憶と時代の手触りを静かに浮かび上がらせる。
『おじいさんの台所』は、佐橋慶女による実録エッセイ。受賞作として知られ、個人の経験や社会の空気を通して、日常の奥にある葛藤や変化を描く。
レビュー要約
-
題材への切り込み方と落ち着いた語り口が読まれている。読後には、人物の選択や時代背景について考えさせる余韻が残る。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 1987-06-01
- ページ数
- 318ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784167359034
- ISBN-10
- 4167359030
- 価格
- 1 JPY
- カテゴリ
- 本/社会・政治/社会学/社会学概論
父・八三歳。母の死から一人暮らしを始めた。炊事洗濯まるでダメの明治男に"鬼軍曹"の娘が特訓また特訓。その哀しさと勇気が感を呼んだ高齢化社会への挑戦の記録
レビュー
-
人は変わる事が出来る。
妻を亡くした83歳の男性のひとり暮らし奮闘記です。もちろん娘たちや近所の人たちの手や眼差し、気遣いがあるから安心して読んでいられます。娘のおせっかい(愛情)がたまらなくウルサイ時もあれば、ひとり暮らしがたまらなく寂しい時もある。超高齢化社会を先取りした名著とも言えます。この著書のお蔭で老年からの生きる心構えや若い人たちとの付き合い方等がイメージしやすくなったと思います、こうやって一冊の本から沢山の人を良い方へ啓蒙する、と言う事は素晴らしい事だと思います。この本で終わりではなくシリーズ化されているので興味がある方はぜひ読んで欲しいです。後、日本人は公正証書を作るなど、裁判や法律でもきちんと通用する書類、遺言を書く事が大変苦手な民族なんだと思います、父親の老後を一番支えたと言っていい著者が父親の死後、相続の面で大変な不利益を被ったのはとても気の毒だと思いました、弟さんの保証人問題でも泥をかぶっていますから、ぜひ佐橋さんの涙を別の家族や世帯は生かして欲しいと感じます。おんなの遺言 と言う著書と合わせて読むといいかもしれません。お金の面でも生活の面でも一番父親を支えた娘(著者)が父親の死後、正当な相続や評価を与えられなかった事はとても残念です、著者はあまり語りませんが、著者、佐橋慶女さんの血の涙を他の誰かが流す事がないよう、高齢者と呼ばれる方たちはぜひ配慮して欲しい、なぁなぁにはせず裁判になってもきちんと通用する書類の作成を強く訴えたいです。自分を大切にしてくれた人、世話になった人をどうか死後も守ってあげて下さい。