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独り群せず (文春文庫 き 7-11)

舟橋聖一文学賞

独り群せず (文春文庫 き 7-11)

北方謙三

幕末の動乱期を背景に、群れに寄らず自らの筋を通す男の生き方を描く歴史小説。剣の強さと孤独、時代に抗う矜持が、北方作品らしい硬質な筆致で押し出される。

歴史小説幕末孤独

作品情報

幕末の動乱期を背景に、群れに寄らず自らの筋を通す男の生き方を描く歴史小説。

幕末の動乱期を背景に、群れに寄らず自らの筋を通す男の生き方を描く歴史小説。剣の強さと孤独、時代に抗う矜持が、北方作品らしい硬質な筆致で押し出される。 受賞作としての初出や収録状況を確認し、単独書籍または収録書籍が確認できる場合のみ書誌識別子を採用した。

レビュー要約

  • 題材の輪郭と語り口の個性が受け止められている。物語の余韻や人物の置かれた状況に注目する読者が多い一方、展開の癖を好みが分かれる点として見る声もある。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2010-07-09
ページ数
472ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784167419110
ISBN-10
4167419114
価格
351 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

剣を揮う手を庖丁にかえ、既に「三願」からも隠居を決め込んだ利之だが、乱世の相は商都にも。舟橋聖一文学賞受賞。『杖下に死す』続篇

レビュー

  • 燃える剣客の行く先

    前作はあまりに空虚なるラストに一読したのみ。今作は見事なストーリーに2回買い直した。 江戸の剣客が大坂で刀を捨て料理人として身を起こし家族を持ち、愛する人を失いそれでも友人や孫達と生きていく。 熱い思いと技量を他に向けて人生を続ける今風に言えばセカンドキャリアだろうか。 暗殺も行っていた、たぐいまれな剣の遣い手が板前に顔を張られながら料理を覚える。読む世代によれば全く響かないだろうがこの辺りの微細な表現は染み渡る。 作法、釣りの仕掛け、料理の段取りまで孫と養子に教え込む過程がとても丹念に描かれる。 枯れゆく人生など無いと熱くは語らないが死んでいるように生きない。 立派に死んだ2人の友に戦うことを見せる生き様は何度も読みたくなる名作。

  • 剣客が料理人に

    料理や釣りの世界にもハードボイルドぽい色が出てすばらしい。最後の見せ場もいい。

  • 蛇足と見るか、前作以上と見るか

    「杖下に死す」の後日譚。 「杖下に死す」があまりに空しくも鮮やかな幕引きだっただけに、読むのをためらっていた。 前作を大塩平八郎の乱という史実を下敷きにした「歴史小説」として読むならば、今回は登場人物を使って時代を下げて描いた「時代小説」として読むべきか。 もちろん、幕末の動乱期を迎えた「時代感」のようなものは、否応なく「尊皇攘夷」やら「倒幕」やらの蠢きと、過激な保守派の動きの影響を受けざるを得ないのだが。 「黒龍の棺」でああまで鮮やかに描ききった土方歳三を今回は敵役の一人として使っている。 これはこれで見事な処理なのではあるが、「黒龍の棺」の読後感があまりに鮮やかであったために、同じ筆者の作品として読むと、後味が悪く、若干興ざめな部分は否めない。 その分、剣を包丁に持ち替えた主人公、利之の生き方のぶれなさ加減というか、男の生き方としての美しさが際立つ結果にはなっている。 池波正太郎的な時代小説として読むと、利之の厳しくも暖かい好々爺ぶりが、全く無関係な「剣客商売」の秋山小兵衛とダブって感じられた。

  • ハマリました (^^♪ 2

    皆さんのレビューを参考に、「杖下に死す」から読みました。結果、ハマリにハマリ、 ただ今、「水滸伝」(これは図書館で借りました (-_-;) )に挑戦中。

  • 配送スピード

    アマゾンでの購入は地球一周するみたいでどのようなものも3日もあれば届くのに 遅い、配送元はたぶん東京だと思います。配送業者が無理をせずに3日もあれば届けられるハウです。 売りたくないのですか。

  • “語りえぬもの”を体得していくプロセスの描写が素晴らしい!

    料理人という職人の世界を通して、ウィトゲンシュタインがいう“語りえぬもの”を体得していくプロセスの描写が素晴らしかった!です。 つまり、職人の技を伝承していくプロセスという言語では表現できないものを、その師匠の弟子が必死になって体得していくプロセスの描写に非常な説得力がありました! また、本書のなかで個人的に一番感激した!のは、北方先生が本書で与えた“自由”の定義です。 <“自由”とは、勝手気儘ということではなくて、自らをもって由とすることである!>(単行本261頁参照) 『独り群せず』というこの本のタイトルはこの“自由”の定義と関係すると共に、“自らをもって由とする!”ことを体現する人物として主人公の光武利之は設定されていると思いました。こう考えると、内山彦次郎の死に方に対して、利之が「やるじゃないか、彦次郎」(単行本360)と心の中で呟いたことが良く理解できます。 また、歴史上の人物である大塩格之助も愚直にそのような人物だった!のであり、たとえ杖下に死すとも自らをもって由とする!ということなのではないか?と思いました。

  • 読む順番を間違えてしまった。

    北方謙三の時代小説。大塩平八郎の乱を描いた「杖下に死す」の続編ということだが、残念ながら、そちらは未読。主人公は、その大塩平八郎の乱の後、武士を止め、料理人として生きてる男。 しかし、読む順番を間違えてしまった。非常に魅力的なストーリー、かつ登場人物で、この本自体も読ませる内容だったが、どうも前作を読んでいることが前提で、説明が少ない。わずかに触れられる前作のエピソードから、想像をふくらませるしか、なかったのだが、かなりワタシ好みの内容っぽい。 この小説自体は、料理人として生きている主人公の静かな生活とその生活に波紋を投げる事件を穏やかに描きながら、その男の内奥にまだ燃え続けている熱い思いがかいま見えるような穏やかさがいい。 また、隠居した主人公とその孫との交流が、なんだか、ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズの名作、「初秋」を思い出させ、北方謙三らしいハードボイルドな感じも出ている。 順番は狂ったが、「杖下に死す」を読んでみよう。

  • 最後の最後にやはり戦った。

    鯉や鮒は食することはありませんが、 ちょっとだけ食べてみようかなと思わせるほど、 料理人になって成功してる利之でした。 彦次郎の死亡フラグが半端なく出ていたのが残念でしたが、 時代物はベタがいいと思ってますので、 少しでもいい死に方をして欲しいと思いながら読み進みましたが、 かっこいい死に様で安心しました。 最後の新撰組との決闘はカッコよすぎです。

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