作品情報
女を探すため、男は女郎屋を開き、待ち続ける。
徳間書店から2021年11月に刊行された青山文平の時代長編。底の底まで惚れた女の行方を追う男の執念と商いの駆け引きを描く。
レビュー要約
-
江戸の空気と人物の動きが巧みで、静かな熱量があると評されている。結末の運びには好みが分かれるという声もある。
書籍情報
- 出版社
- 徳間書店
- 発売日
- 2021-11-19
- ページ数
- 272ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 18.8 x 12.8 x 1.9 cm
- ISBN-13
- 9784198653767
- ISBN-10
- 4198653763
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
一季奉公を重ねて四十も過ぎた。己れを持て余していた男は、密かに想いを寄せていたお手つき女中・芳の二度と戻れぬ宿下がりの同行を命ぜられる。芳への理不尽な扱いに憤り、男は彼女に奉公先を見返す話を持ちかけた。初めての極楽を味わったその夜、芳は男を刺し、姿を消した。芳に刺されて死ねるのを喜ぶ男。しかし、意に反して男は一命をとりとめた。人を殺めていないことを芳に伝えるため、どん底の岡場所のどん底の女郎屋の主となって芳を探すが……。
1948年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年、『白樫の樹の下で』で松本清張賞を受賞。2015年、『鬼はもとより』で大藪春彦賞、2016年、『つまをめとらば』で直木賞を受賞。新しい時代小説の可能性を、とことんまで削ぎ落し、余情に富んだ文体で表現している。他の著書に、『かけおちる』『伊賀の残光』『半席』『励み場』『遠縁の女』『跳ぶ男』『江戸染まぬ』『泳ぐ者』がある。
レビュー
-
初心者
舞台を観ているような心情描写と、お互いの想いが重なって、時代を生き抜く力となっていく不思議な時代劇。やはり見事。終わってから、遡って言葉の重みを確認しました。
-
ドラマチック!
登場人物が目に見えるよう。展開がドラマチックなのに抑えめの文章がとても好きです。
-
青山先生の思う壺
語り口に乗せられてドンドン読み進みました。 センテンスの長さも書手の自由自在さに踊ってしまいました。 昔ノーベル賞候補の作家の小説を読んで以来の感触。スッキリした。
-
落語の演目にしたい
「底惚れ」を読んでいてずっと頭の中で違うジャンルの ことが浮かんでいてこれはそのジャンルに置き換えたら 面白いんじゃないかと思いながら読んでいました。 最後の台詞「そっとしとこうや」でこの展開と終わり方は、 読みながら思ってた落語みたいでまさにサゲの台詞のよう。 最近、「碁盤切り」という草彅剛さん主演の映画が公開 されましたが、この原作は「柳田格之進」という落語が 元になっていて逆に小説が落語になっても面白いかも... 出来ぬ相談ですが三代目志ん朝さんあたりが落語「底惚れ」 を演じたらさぞかしいい話しになったような気がします。 サゲもそうですが「底惚れ」も落語の演目名にピッタリです。 江戸時代の女郎屋の詳細な仕組みなどを少ない人物回しで テーマをブレさせず語り継ぐ筆力と展開の妙はさすがで、 「底惚れ」の向かう先は意外でまさに灯台下暗しでした。
-
書評はあてにならないな
何とか賞受賞とか名作とか書いてたから読んでみたけど、全くつまらなかった。そもそもひとりの女性にそこまで執着するのも理解できないし一人称も読みづらい、今まで読んだ時代小説の中で一番面白くなかったかも。
-
感動
この著者の最高傑作の一つと思います。短編小説を長編小説に発展させた手腕に唸らせれました。山本周五郎、藤沢周平に並ぶ時代小説家と思いました。お勧めです!
-
自分に合いませんでした。
書評だけで飛びついてしまい、自分の好みのストーリー展開や言葉の選択ではなく、なかなか読み進めません。
-
面白かったです。
面白かったです。どんでん返しの結末で、笑っちゃいました。 一気に読みました。
関連する文学賞
- 柴田錬三郎賞 第35回(2022年) ・受賞
- 中央公論文芸賞 第17回(2022年) ・受賞