日本の文学賞

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騎虎の将 太田道灌上 (徳間文庫)

中山義秀文学賞

騎虎の将 太田道灌上 (徳間文庫)

幡大介

享徳の乱から応仁の乱へ向かう関東を舞台に、扇谷上杉家の家宰として台頭する太田道灌の半生を描く歴史大河小説。合戦、調略、在地経営を重ねながら、乱世の均衡を背負う武将像を追う。

太田道灌享徳の乱関東戦国史家宰と調略

作品情報

騎虎の将 太田道灌は、太田道灌を軸に読者を作品世界へ導く。

享徳の乱から応仁の乱へ向かう関東を舞台に、扇谷上杉家の家宰として台頭する太田道灌の半生を描く歴史大河小説。合戦、調略、在地経営を重ねながら、乱世の均衡を背負う武将像を追う。 書誌確認では、単行本・文庫として確認できる場合のみ紙書籍の識別子を採用し、雑誌号や掲載媒体の番号は使用していない。

レビュー要約

  • 題材の切り取り方と構成を評価する声があり、背景知識を持つ読者ほど細部の厚みを楽しめる。一方で、密度の高さを重く感じる読者もいる。

書籍情報

出版社
徳間書店
発売日
2021-01-15
ページ数
528ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.9 x 14.8 cm
ISBN-13
9784198946180
ISBN-10
4198946183
価格
880 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

関東公方家はもはや滅亡し、坂東の差配は関東管領たる上杉一門が担っていた。その一翼、扇谷上杉家の家宰が太田家だ。太田家の跡取り・資長(後の道灌)は、関東の支配権を巡り勢力を二分する大戦乱のさなかで、合戦の戦略にも在地経営にも突出した才覚を現していく。道灌は、いかに戦い、いかに生き延びたか。坂東を席巻した出来星武将の波瀾の生涯を描き尽くす戦国歴史大河小説! 上巻目次 第一章 万人恐怖 第二章 将軍のいない国 第三章 曙光 第四章 江ノ島合戦 第五章 関東管領謀殺 第六章 分倍河原の戦い 第七章 関東二分 第八章 江戸城築城

一九六八年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員を経た後、CM製作会社勤務。イラストレーターとして広告に挿絵などを描いていたが、一九九五年、フリーライターに転じ、実録物など、数多くの媒体で活躍。二〇〇八年「天下御免の信十郎」シリーズで、時代小説作家として文壇デビュー。人気を博す。

レビュー

  • 戦場の臨場感!

    上巻はまだまだ若造の道灌です。戦場の臨場感が半端なく、関東武士の息遣いを感じます。京都から見た関東の位置付けや幕府の思惑に翻弄される関東武士の苛立ちを知りました。当時の市井の人々の暮らしも描かれ、徳川家康以前の江戸の町の賑わう様子に認識を新たにしました。なかなかに濃い作品です。下巻での成長していく道灌が楽しみです。

  • あまり知られていない時代背景を確り描いた力作

    歴史小説は結構読んでいるが、太田道灌を主人公とした作品はこれが初めてだ。また、舞台となる室町幕府後期の関東平野も、伊東潤氏が面白い作品を幾つか物にしているが、関東管領、山内上杉、扇谷上杉などの主要プレーヤーの立ち位置がよくわからないままに、物語の面白さだけで読み終えた記憶がある。 本書の優れたところは、太田道灌を通して、主要プレーヤーたちの役割がきちんと説明されているところだ。上杉は室町幕府から派遣された役人のような立場にあり、領地を所有しているわけではないなど、初めて知ったことも結構あった。 物語としても結構楽しめたが、少し残念に思ったのが、太田道灌のキャラクターに一貫性が欠けた気がしたところだ。少年時代の頭は切れるが、反抗的で相手を小馬鹿にするようなキャラクターが、途中から変質していく背景がもう少ししっかり描いてくれるとより納得感が増したような気がする。

  • 関東戦国の序章が大変わかりやすく知れます。

    戦国時代末期の英雄達の活躍は知っていても、北条早雲以前の関東戦国史はあまり知られてないと思います。しかし信長、家康などの、戦国の覇者との絡みが無いだけで、置かれた逆境から大きな巻き返しを成功させた太田道灌のエピソードは、まさに英雄譚と言って良いのでは無いでしょうか。関東に住む者としては、「江戸」という街がいかにして始まったかを知るにも助けになる物語です。

  • 主人公は長尾景仲と太田資清

    この作品、一応は太田道灌を主人公とした小説ということになっていますが、物語は結城合戦から始まり、一部の章で道灌の成長を描きつつも、この上巻では江ノ島合戦、分倍河原の戦い、享徳の乱の始まりまでが語られ、前半の主人公は山内上杉家家臣・長尾景仲と、道灌の叔父であり扇ヶ谷上杉家家臣・太田資清であると言っても過言ではありません(あと敵役として武田信長)。この両上杉家の重臣から見た関東騒乱が、緻密ながらも分かりやすく書かれており、プレ戦国時代関東騒乱の勉強に適した作品です。また、いくぶんかは作者の創作でもあるんでしょうが、堀越公方・足利政知が箱根の山を超えられなかった理由だとか、関東で無限に騒乱が続いた理由だとかも納得の行く答えが用意されていて楽しめます。 まぁ、道灌は「天才、傲岸不遜」というイメージがあるから主人公にはしにくいですよね。織田信長と同じで。

  • 太田道灌とその時代を知るのに最適な歴史小説

    抜群に面白いです。 普段、歴史書は読んでも、歴史小説はあまり読まないので、失礼ながら著者のことは全く知らなかったのですが、時代考証がしっかりしていて、室町中期から早くも戦国時代に突入していく関東の雰囲気が、とても上手く描写されていると思います。なにより登場人物の描き方、描き分けが巧みで、上下巻をあっという間に読み終えました。太田道灌とその時代を知るには最適な歴史小説だと思います。 気になった点:上巻p35関東公方(鎌倉公方)の説明があり、足利直義を紹介するところが、「足利義直」となっており、わざわざ「あしかがよしなお」と、カナまでふっていたので、あちゃー、このあと大丈夫かと思いましたが、その後は余計な雑念に邪魔されることなく読めました。小さな話ですが、ちょっと残念。

  • 足利将軍家時代の武家の行動原理を分かりやすく面白く解説

    文句なしの五つ星。京都公方、関東公方、上杉諸流、長尾諸流、源頼政流の太田氏、関東八屋形が目まぐるしく動く歴史の激流が描かれている。当時の坂東の地理、庶民の生活、経済活動についての解説もまるで本当に見ているような錯覚を覚える描写がされています。

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